いよいよ食べ比べ

今回はもともと味わいがかなり違う生殖器は対象外とし、貝柱のみを食べ比べていきたい。まずはお刺身から。

外側をかこむ“ヒモ”の部分と赤と白の例の生殖器はあとで堪能すべくはずし、貝柱を取り出す。ぷりっぷりだ。

「うま！」

これはかなり甘い。実は、貝の中でも私はホタテはそれほど好きじゃなかった。甘エグイのがやや苦手だったのだ。すみません、誤解でした！

しばらく無言で食べ続けてしまった。肝心の味の差は。

……。すみません。どちらも美味しいばかりで味の違いはあまり分からなかったのだ。オスの方がやや身が柔らかかったような気もするが、自身がない。

他のメニューも食べ続ければ何か分かってくるかもしれない。続いて、会のまま直火であぶったホタテ、いってみましょう。

さっきは貝にのせたままお祭り気分で食べてしまったため、次は最初からきっちり貝柱だけ取り出して用意した。

……。美味しかった。

オスを食べた時点でエグミを感じたのは、ここまでで大きな貝柱を既にまるまる２つ以上食べて口のなかがホタテホタテしすぎているからかもしれない。

メスがやや硬い気がするのは、オスよりも焼きすぎたからかもしれない。

わからない。バター焼はどうか。同じ時間だけ火を通し、口はきっちりゆすいで食べ比べるぞ。

やはり、オスはクセが強く、メスはやや硬いものなんだろうか。なんというか、そういう結果になったものの、どう自分の見解に自信がない。

人間にも、ボーイッシュな女性がいたり、フェミニンな男性がいたりする。

どうも、「このオスはエグミがあるが、それはこのオスだけの特徴なんじゃないか」、ホタテにだって柔らかいオス、メス、硬いオス、メスがいるんじゃなかろうかと思ってしまうのだ。

はっ。

気付いたのだが

ここまでやっておいて気付いたのだが、ホタテ以外の肉や魚を食べるとき、私はほとんどオス、メスを意識したことがない。

ホタテの味を比べても、分からないのも当然だ。何しろ、味の違い以前に、ホタテの味がするんだ。

私には分からなかったが、グルメの世界では、肉でも貝でも、オスとメスで味や食感が違うという話を聞いたことがある。上海ガニはオス好きとメス好きで意見が割れる、とライター大山さんもいっていた。

ホタテも、見て分かる違いがあるぐらいだから、もしかすると魚業界では違った扱いがされてるんだろうか？

魚屋さんに聞いてみよう。