パーンと弾けました
エビフライが破裂するなんて話、聞いたことがない。 やはり、無謀な試みだったのだろうか。
しかも通常より衣が厚いだけに、問題は揚げ時間だ。低温でじっくり揚げたくても、外側はもう色づいている。
…まぁ、さすがにもう火は通ったかな、と勝手に見定め揚げ終了とした。
なんだかもう、うまそうなんだかマズそうなんだか、それすらも判断がつかない。とにかく「初めて見る食べ物」ということだけは確かだ。
匂いも、通常のエビフライとはひと味違っている。これは「おかず」の匂いではなく「お菓子」とか「菓子パン」の匂いだ。…うむ。これは揚げパンに近いな。
えーと、この巨大エビフライが「なんだこりゃ」という味なら私の勝ち、というゲームなんでしたっけ? (すみません。我ながら、ちょっと度胆を抜かれて趣旨が見えなくなっております)
まずは、食べてみましょうか。
それこそ、アメリカンドッグにかぶりつくように、大口を開けてガブリと食べた。
ああ、なんということだろう。…おいしい。「そんなハズはない」と思いながらも、おいしい。これはまさに揚げパンだ。しかもエビ入りだ。マズいわけがない。特に衣がおいしい。フカフカとパンの味がする。
おいしい物を食べて嬉しい気持ちと、「ちっ、なんだよ、ウマイのかよ」という気持ちが相まって、なんとも言えない気持ちのままに食べ終えた。
だからといって、私がお総菜コーナーのエビフライを全面的に許したわけじゃない。あくまでこれは揚げたてだし、生のパン粉を使ったし、熱々だし、えーっと…。
「まぁ、こういうのもたまにはいいんじゃないですか」と、と、負け惜しみにも似た感想を言って終わりにします。
私はこれからも、薄付きのエビフライを食べますから。食べ続けますから。
みんなも、好きなように食べればいいじゃない。