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フェティッシュの火曜日
 
春の訪れ・新歓コンパ前線
この混雑と看板が春の香り


30を越える大学・専門学校が集まる、東京都内はおろか全国屈指の学生街・高田馬場。仕事場をここにしてから8年近くになるのだけれど、4月になるとひとつの風物詩が夕方過ぎから見られるようになる。それは「新歓コンパの集合」。普段は比較的おとなしい駅前ロータリーが、待ち合わせ場所として学生たちであふれはじめ、新入生勧誘の看板がわらわらと天を突く。

桜前線の訪れ、そして開花宣言が日本の伝統的な本格的な春の合図なら、高田馬場にとっては新歓コンパが春の合図。日々の新歓コンパに集う人数やコンパ看板の数をかぞえて「新歓コンパ前線」がどんな勢いで高田馬場に到来しているのか、調べてみた。

大坪ケムタ



ふだんの高田馬場駅前。この風景を定点観測していきます

普段はあくまでも通過される存在

こういうのは違います

新歓前線を計るにいい街なのです

東京外の人に軽く説明すれば、池袋と新宿という大都市の真中に位置する高田馬場は前述したように「学生の街」という印象で語られることが多い。

実際、六大学としておなじみの早稲田大学をはじめ学習院女子大学・東京富士大学といった大学や大学院、そして音楽に語学・理容・映画・製菓・医学‥といったジャンルの専門学校が集まっている。それに加えて予備校もあるので、駅を利用する学生・浪人生といった20歳前後の若者がパーセンテージが圧倒的に高い街だ。

そんな若者が集う街のわりに、洋服やCD屋などは少なく、それに対して飲み屋だけは充実という学生の本分「学ぶか飲むか」に徹した古き良き学生街だ。

そういうショッピングに使われない街だけに、人の出入りはあっさりかつ激しい。駅ビルなんかもない分、ムダに駅周辺でたむろしたりすることもなく改札へ向かっていく。ただ、この4月だけは溜まるのだ。新生活に胸弾ませる若いつぼみたちが、新歓コンパというステージへ向かう待合場として。

 

真中に溜まるサークルの人たち。まだ3分咲き
花見効果で新入生も楽しい度30%アップ

4月4日(火曜日)18:54

約50人 サークル看板×2

とりあえず調査初日。できるかぎり同じ時間・同じ場所を定点観測することで、新歓の波がどのくらいの勢いで高田馬場に押し寄せているのか?を証明できるように、とりあえずはロータリーから駅側を望む角度、その位置で19時5分前(学生だから早い時間から飲むであろうという予想のもとの設定)で定期的に撮影することにした。とはいえ、学生に向けてパシャパシャとフラッシュ焚いて撮るのも間違いなく怪しいので、ちょっぴり隠し撮り風なのはご容赦。

この日は50人、というと多いようだが、ロータリー部分は結構広いためそれほど多くは感じない。最初にみつけたスノボサークルは花見の待ち合わせをしていて、メンバーが揃ったのかさっさと駅に向かってしまった。新歓コンパに花見、春のダブルメインイベントだ!うらやましい。

その脇の軟式野球サークルは待ってる間に「新入生?」と声をかけている。ちょっと眼を離してるすきに1年生を新勧コンパに誘うのに成功したようだ。へー、道で声かけられてサークル入っちゃうんだ、簡単なもんだなぁ‥。と思ったものの、この疑問がこの企画の根本に関わることだとはこの時は知るよしもなかった‥。

 

まだまだ3分咲き。雨上がりで寒さは2割増

4月5日(水曜日)19:07

約18人 サークル看板×2

雨あがりなのもあって人は少なめ。寒みー、寒みー、と言いながら、集まってはどこかに消えていく学生たち。東京に来たものの、まだ友達もできずなんとなくサークルに入っちゃうような人もいるんだろうなぁ。心が寒くて、ぬくもりが欲しさに。そういえば知り合いのスカウトマンが「5月は引っかかる人多いんだよねぇ。ほら上京して友達できなくて‥」と黒い笑顔で言っていたな‥。

目につく人やサークルがいないとこういうことを考えてしまう。みんなは明るい新入生生活をすごしてね!帰ろう。

 

交差点の向かい側に黒い「層」が‥
ほぼ同カットの昼間

4月6日(木曜日)20:22

打ち合わせが長引き、19時過ぎには戻るつもりが駅前についたのは20時過ぎ。ロータリーに向かってみると‥うわ、なんかスゲェぞ人の群れが!!

昼間の写真と比べてもらうとわかるけれど、祭りか優勝パレードかのように人が固まっている。この群れが一方向なり双方向に動きがあるのならいいけれど、ロータリー内に固まっている。見えやすいように写真は明るさを加工したけれど、実際は黒い「層」みたいな感じだ。こりゃ調査3日目にして早くも前線が来たっていうのか。1日が入学式としても一週間以内とは思ってたより早い!

新歓コンパの群れは、ロータリーだけでなく周囲の広場にまでハミだしている。さらに轟音のようにざわめきが聞こえる中に

「わせだ〜の×○△にぃ〜♪」

学校の歌か、会の歌かなんかわかんないけど歌ってる連中もいる。新宿駅周辺でもこのくらいの待ち合わせで混雑することがあったりするけど、やはり全体的に若い気がする。さすがに写真を撮るのはためらったが、いつもの高田馬場では見ないような、超がんばってる感じのミニスカの女の子とか見ると「彼女なりの対・東京の武装なんだな」とほほえましく見えたりする。


手前まで人が溢れかえって大変!

別角度より。皆動かずダベってます
看板も乱立状態

この時間、ロータリー内に溜まった人の数は、ちょうどの数なんか数えられないけども

約200人 サークル看板×10

一気に前日までの4倍ちかく!こりゃもう桜でいえば満開でしょう!さて新歓前線はさらに膨らむのか?


 

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