色を作ります
まずは食紅で彫りに使う色を調合していく。赤と黄色でオレンジ、緑と赤でこげ茶、という具合だ。ひとまずこの二色でだいたいことは足りるだろう。
食紅は普通に指先に付いただけでかなりごしごし洗っても落ちなかった。単に肌に食紅で絵を描くだけでもしばらくは消えなさそうだ。しかし今回は彫る、という行為にこそ意味があるのだと信じて進めていきたい。
さあいよいよ彫ろう
彫りには少し太めの刺繍針を使った。ハムの表面に針で穴を開け、そこへ食紅の色を流し込んでいくのだ。アップで見るとずいぶん痛い写真だが、実はハムなので安心してほしい。
こげ茶色の食紅を使い、まずは輪郭を描いていく。食紅はハムの細胞の間を伝ってにじみやすく、かなり注意していても線が太くなってしまった。自分の腕に彫っていなくて本当によかったと思う。
輪郭完成
ようやく輪郭が彫りあがった、の図。ところどころ滲んだことにより劇画タッチになってしまったが、モチーフはやっぱり我らがZ君だ。
次に顔のオレンジを入れていく。ベタ塗りは彫る範囲が広いので作業量が多いが、線を描くときほどの神経は使わない。参考にと思いあるタトゥースタジオのHPを見ていたら「途中で休むと心が逃げてしまうから、はじめたら一気に彫り上げるね」みたいなことが書かれていてかっこよかったので、まねして僕も一気に彫り上げることにした。
時間との戦いです
実はこの日、風邪をこじらせていてかなりの熱があった。座薬を入れると3時間くらい熱が下がるのでその下がっている間に彫るのだ。時間が限られることでこの企画の意図について等、疑問、雑念を捨てて彫ることができたと思う。
まずはハムで試しましょう
完成したZ君入れ墨オン・ザ・ハム。初めてにしてはなかなかきれいに彫れているではないか。ハムは思った以上に色の入りもよく、こすってもまったく色落ちすることがなかった。みなさんもタトゥーに興味を持つことがあれば、一度ハムに彫ってみたらいいと思います。失敗しても痛くないし、食べられるので無駄にもなりませんから。