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ロマンの木曜日
 
百穴、のち、土蜘蛛人
すべての道は百穴に通ず、予感と悪寒。


「穴」。
それは人をおかしくする。

マンホールも洞窟も、アリの巣穴も、その先になにがあるのか見てみたいと思う。
そうだろう、いけないことと知りつつも、障子に穴があいていたら、覗いてみたくなるだろう。
クツ下にあいた穴に指を突っこんで、グリグリとひろげたくなったりするだろう。
ダメだきっと痛い、とわかってはいても、落とし穴に落ちてみたいしブチ落としてもみたい。

好奇心をかきたてる、穴は、謎だらけだ。

そんな「穴」を、一挙に100コ見られる場所があるという。
100コの!穴!想像しただけで心拍数があがり気絶しそうないきおいだ。

「これぞ真の穴場……」

こんな言葉もイケシャーシャーと書いてのせられるほど、私の頭はおかしくなってしまったということです。
そして多分いまもな。

(text by 土屋 遊



粋なディスプレイのガラス屋さん
ほぼ首なし地蔵。恐怖で手ブレが……

さいしょからアレな予感

思えば出発前からなにかがおかしかったような気がします。

埼玉県吉見町の「東松山駅」(東武東上線)。

その場所に、待ち合わせを一時間まちがえるという奇跡をかましてだれよりも早く現地に到着してしまいました。

遅いミスではなく早いミス、信条としてありえません。自責の念が……。

それでも、ミスタードーナッツで時間をつぶし、結局はいつものようにみなを待たせることに成功。気分をよくして穴だらけの山に向かいます。

とちゅう、当時に建築基準法違反があれば極刑だったにちがいない建物をたくさん目撃したような気がします。

その一部は、もうひとつのGW テーマ「ぐちゃぐちゃ」 にてご報告していたようなので、たしかにあれは現実だったのでしょう。

 


インパクトという意味では群を抜いていた夢とロマンの魔界宮殿がこれ。


まどぎわさんち?

 

のもとまどぎわ一家について小一時間、男まいまい
正真正銘の巌窟ホテルだった
全盛期の巌窟ホテル外観・BEAUTY CARD(絵はがきセット)から

偉大なるおとこ伝説があった

同行の山口マナビさんが、

「あれはホテルです、ホテルなんです!」

と必死に言い張っていました。

門らしきところには、木の板に黒いペンで

「上からマムシや岩が落ちてきて大変キケン!はいるな」

と書いてありました。岩やマムシが天から降ってくる地獄絵のようなホテルがありましょうか。たいへん有効な警告だと思いました。

ですが、帰り道にはこのすぐ奥に「巌窟ホテル」という看板を山口さん自ら大発見。
大声で勝利宣言していました。よかったですね。

あとで知ったのですが、こちらの歴史遺産(かってに)は、ノミやツルハシを使ってたった一人の農民が掘りあげた建造物だったようです。
参考:ポンチハンター)

私は自分のサイトで、この理想宮を紹介したことがあるのに、現地で思いだすことはついにありませんでした。それほど、強烈だったと想像して下さい。

「道を知っていることと実際に歩くことは違う」

うちのじいさんの遺言です。
ちがいました。映画マトリックスの名セリフでした。

 

いざ、穴だらけに

吉見百穴(ひゃくあな)。

以前ウェブマスター林さんが、ひかるコケを観察に行ったあの場所。
古墳時代後期の横穴墓群と認定されている史跡です。


 

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