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ちしきの金曜日
 
新しい身体感覚が得られる?養老天命反転地

ゴチャゴチャしてるけど、楕円形フィールドの中、この中には平坦な場所は一つもない

 

別角度からの楕円形フィールド、大小5つの日本列島があるらしい
また別の角度からの楕円形フィールド、カメラが斜めになっているわけではないです

楕円形のフィールドで知覚の再構築だ

写真ではなかなか凄さが伝わらないのが、この楕円形フィールド。
写真だと、どうしても小さく見えてしまうが、このフィールドかなり大きいんです。
ちまちまとゴチャゴチャしているのではなく、ダイナミックにゴチャゴチャしているんです。
小学校に上がる前の子ども、まだ線とかしっかりひけないくらいの子どもが描く絵を、そのまま形にしたような場所です。
何でも詰め込んじゃえ的な所も、子どもが描く絵のようです。
ただ、子どもの頃に持つ感性こそが、芸術に近い感性だという話を聞いた事があります。

急な斜面も多く、上り下りも一苦労します。
かなり広いと書きましたが、高低差もかなりのもので、フィールド全部を歩き回ると、大変疲れます。
僕だけじゃなく、大人の人たちは皆疲れたらしく、休憩している人多数。
親子連れの場合は、子ども達は走り回ってるけど、親達は休憩という光景がここでは普通。

さて、 この楕円形のフィールドに関しても使用法なるものが存在します。

  • バランスを失うことを恐れるより、むしろ(感覚を作り直すつもりで)楽しむこと。
  • 楕円形のフィールドを歩く時、「極限で似るものの家」の光景をできるだけ思い出すこと。そしてその逆も試すこと。
  • しばしば振り向いて後ろを見ること。
  • 実際に通っている所と同じくらいに目につき、興味を引かれる所、あるいは降り立つ場があれば、すぐ、もうひとつの出来事が起っている所として出切るかぎり見極めること。
等です。 (他にも数項目ありました)

そんな使用法を踏まえた上で、楕円形のフィールドの中にある各パビリオンを見ていきましょう。


もののあわれ変容器
宿命の家、これを家と名づけるあたりが凄い

まずは、「もののあわれ変容器」と「宿命の家」です。
もののあわれ変容器の中では、やっぱり家具が壁にめり込んでいました。
ちなみに、各パビリオンにもそれぞれ使用法があります。
何かを決めるために、あるいは以前決めたよりもより繊細に、またはより大胆に(あるいはその両方に)なるために、「もののあわれ変容器」を使う事。
う〜ん、今晩のおかずを決めるために、「もののあわれ変容器」と使ってみたんですが、イメージできるものと言えば、レンコンを使った料理。
「もののあわれ変容器」が何となくレンコンに見えたもんで。
こうゆう使い方でいいのでしょうか。


宿命の家は迷路みたいですが、壁が低いので迷路になりません。
ちなみに使用法。
「宿命の家」や「降りたつ場の群れ」と呼ばれている廃墟では、まるで異星人であるかのようにさまようこと。


白昼の混乱地帯
運道路

「白昼の混乱地帯」の中では常に、ひとりであるより肉体であるよう勤めること。
「白昼の混乱地帯」の使用法です。
理解できません、その使用法に混乱です。
一応椅子に座ってみたら、傾斜がついていて変な座り方になってしまいました。
もしかしたら、これが肉体であることなのかもしれません。

運道路は、結構急な斜面に椅子やらキッチンやらが設置されています。
ここはオブジェが解りやすいので、子ども達の人気の場所になっていました。
ここでは、動作を繰り返し、その内の一回はゆっくり行うらしいのですが、 そんなことをしている子どもは居ませんでした。

この他にも、「想像のへそ」「陥入膜の経」という迷路っぽい建物があり、 使用法はと言うと、「想像のへそ」の中は後ろ向きに歩くこと。
「陥入膜の経」は目を閉じて歩くこと。
となっていますが、このどちらの建物も不規則な傾斜の上になりたち、建物内も不規則な造りなので、使用法に従うと危ないです。
実際私は、後ろ向きに歩いて、後頭部を軽くぶつけました。

地麗」と「切り閉じの間」は、真っ暗の中を進んでいくパビリオンですが、使用法はというと。
「地麗」の中では、地図上の約束を忘れる事。
「切り閉じの間」を通る時は、夢遊病者のように両腕を前へ突き出し、ゆっくりと歩くこと。
地図上の約束を忘れるとはどういうことなのでしょうか。
「卍」のマークはお寺であるとか、北を上にするとかを忘れるってことなのでしょうか。
夢遊病者のように、かどうかは解りませんが、手を前に出してゆっくり歩く、というのは、暗闇の中を進む上では、そうせざるをえませんでした。

 

パンプレッとなんか目もくれず、走り回る子ども
大学生っぽいグループの楽しみ方

そうか、楽しみ方が違ったんだ!

ここまで、このテーマパークのコンセプトや、難解な使用法などを理解しようとしてノイローゼになりそうでした。
でも、周りを見ると、使用法通りに行動している人はおろか、その使用法が書かれたパンプレッとすら見ている人は居ませんでした。
走り回る子供、変な椅子に座ってはしゃぐ子供、迷路の中でかくれんぼをする子供。
作者の意図とはまったく無関係に遊ぶ子供たち、このテーマパークをとても楽しんでいます。
大学生っぽい集団も、変なオブジェにツッコミを入れたり、変なオブジェを使っておどけてみたり、ワイワイ楽しんでいました。

このテーマパークは確かに芸術なのかもしれない、ただそれを理解できないものは、アスレチック的に楽しむ。
それがこのテーマパークを楽しむ一番の方法だと改めて思いました。

しかし、仲間の居ない私。
いい大人の私が、1人ではしゃいでいたら、他の人からはそれこを異星人のように見られてしまう事だろう。
「1人で行ってもつまらない」、友達からの警告が身に染みました。

養老天命反転地は、確かに芸術でした。
それは、これにより製作者の荒川氏が、新潮社第28回日本芸術大賞を受賞した事でも明らかです。
ただ、あまりにも前衛的すぎて、私には理解できませんでした。
コンセプトや、その芸術であることを無理に理解しようとしなければ、テーマパークとしては楽しいところだと思います。
皆様が、もし訪れた際、ちょっと理解に苦しむな・・・と言った場合は、深く考えずに、無邪気に遊んでみるのがいいかもしれません。
それが、作者の意図に反していたとしても・・・

 

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