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土曜ワイド工場
 
父親の服を着こなす
 

 生まれて初めて出会う同性の人生の先輩、父。男である私にとって、父親とはそんな風に言い表すこともできる。

 時に一緒に遊び、時に厳しく叱る。頼もしくも恐ろしくもある存在だった父だが、子供の頃からずっとうっすらと感じていたのは、「その服どうなの?」ということだった。

 悪さをして怒られながらも、「なんか変な服だな…」と心の中で思っていたあの頃。言われたことはわかっても、服については釈然としなかった。

 そんな私も父親の年齢の半分を超えるようになった。こちらから歩み寄るべく、父の服を着こなしてみた。

小野法師丸



●迷いを脱ぎ捨て、父の服を着る

  家族を養うため、当人たちの知らないところで仕事に精を出す。休日にはさまざまな家族サービスも厭わない。良い面ばかり言ってしまってる気もするが、世の中で言われる父親像というのを端的に言えば、そんな風にもなるだろうか。

 思い起こすに、私の父もそれなりに例外ではなかったと思う。それはそう思う。普通に感謝の気持ちもある。

 ただ、個人的なことで言えば、服装についてだけはいつも微妙だった。


ちょっとネクタイを借りようと思ったのだが
選べないよ…

 退職してすっかりネクタイを締める機会も少なくなった父。実家に来たのでいいのがあったら借りていこうと思ったのだが、個人的な趣味では普段しないようなものばかり。

 つい批判めいたことばかり言ってしまいそうになる。しかし、60年・70年代のファッションがおしゃれともされる昨今。

 もしかしたらこれは、かっこいいんじゃないだろうか。


実力が拮抗する箱とネクタイ

 そんな祈りも、別の箱にしまわれていたネクタイを見てすぐに疑問に変わる。どこかで見たことがある気がするのは、血液の顕微鏡写真みたいだからだろうか。

 もしかしたらやっぱりかっこいいかも。いや、ほんとか?冷静になれ、気をしっかり持て。

 こういう場合、頭で考えるよりも実践する方が話が早い。


スーツは割とオーソドックスなもので安心
でもどうしてもウエストが入らない

 ネクタイに合わせるためにスーツも借りて着てみたのだが、父はかなりの細身なのでウエストが入らない。やはり全身を父親化するのは無理だろうか。

 仕方がないのでズボンは自分のものを合わせて着てみた。


あれ?意外となじんでる?

 こうして見ると、思っていた以上に普通になじんでしまっている。軽くショック。

 もっとダサカッコイイといった線を狙ったつもりだったのだが、その半端さや微妙さが意外にしっくりきているような気がしてくる。こんなはずでは…。


まずいよ、着こなしちゃってるよ

 袖の丈が短く、シャツの白が多めに見えているのも見方によってはかっこいいか。いやほんとか、それは。

 血液ネクタイもあまり違和感がない。またもショック。

 じっくり写真を見すぎたためか、どう評価していいかわからなくなってきているが、この日は人と会う約束があったのだ。袖が短いのは気にせず、このまま街に繰り出します。


 

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