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フェティッシュの火曜日
 
知らない町の祭りに参加

白昼夢のような風景。

 

祭りはフェスだ、レイブだ

着いたときはすでに上の写真のような風景となっていた。170ほどの町があるそうだが、全部が揚がっている訳ではないとはいえ、壮観である。凧の大きさは2帖から10帖(1辺3.64m)。浜松の大凧は「正方形である」こと、「真ん中に1本、尻尾骨というしっぽのような骨が出ている」のが特徴だ。

ということは後から知ったことで、今はビール!つまみ!
というわけで、景気よく乾杯でございます。


浜松まつり仕様の黒ラベル!
幸せな人。目の先には白昼夢のような大凧群。

と、食べて飲んでばかりもいられません。仕事の時間です。いよいよ、東伊場の凧揚げの始まりだ。皆で芝生のほうに行進していく。もちろんラッパ隊のラッパつきだ。

このラッパだが、単純な音階の組み合わせがずっと繰り返される。聞いているうち、トランス状態というか、「祭り酔い」とでも言いましょうか、気持ちの高ぶりを増幅する装置のようでもある。そのラッパ隊の様子はこちらでご覧下さい。


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ブロードバンドナローバンド


町内会の大人が一生懸命ラッパ隊の指揮をする。
なにせ大凧なので、何人もで回りながら糸を操る。

「こういう日本の祭りも、今のロックフェスに通じるものがあるなあー!」「レイブだレイブ!」

気づいたらTさんにそう連呼していた私だ。相当キテいる。

凧揚げは合戦の他にもポイントがある。この1年で初子が誕生した家は、隅っこに子供の名前を入れた凧を作って揚げてもらうのだ。初子の誕生を、町内がこぞってお祝いするわけである。こりゃ揚がりませんでした、じゃすまないぞ。凧も数十万するというから、大変だぞ。


真ん中の担ぎ出されてもまれているのが初子のお父さん。凧が揚がりに揚がって大騒ぎになっているところ。うれしさもひとしおだろう。
私も思わずバンザイ。

 

喧嘩凧で終結・・・

さて初子の凧も揚がりきり、ついに喧嘩の始まりである。凧同士を絡み合わせ、ぐいぐい引っ張ってお互い糸を切りあうという、なんだかすごいことが始まるとしか言いようのない合戦だ。私なぞがここにぼーっと突っ立ってていいのだろうか。


各町会(このとき手合わせする町会はグループ分けで決まっている。全町会ではない)の凧を集める。

そして、引っ張りあいは始まった!一気に祭りのスピードが上がる!


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こんなんなってる。電線の上で絡み合い、切り合いをしちゃってるけど、いいんだろうか。まあいいんだろうな。

土煙の中、ひたすら引っ張る男たち。惚れ直す瞬間、だろう。
でも切り合いの真下はのんきに人が通ってる。

会長さんに「もっと前で見てみなさい」と促され、切り合いの最前線まで行ってみたが、案外普通に見物できた。ここまで来ると、もはや糸と糸とが固まって拮抗状態。凧揚げ要員のもみあいは激しいが、もみあいからちょっと離れると、応援する人々はただ勝負の行方を見守っているだけ、という雰囲気になる。


さっきのビール、ぬるくなったが続きをいただきつつ眺める。
でもたまに切れた凧が制御不能になって飛び回っているから実は危ないぞ!

勝敗がよくわからない。切れてもそのままかなたを飛んでいたり、実は切れてないのかよくわからなかったり。Tさんと、うちらの(もう「うち」扱い」)凧はどうなったんだろうねと話しつつ、一旦ホームに戻ることにしてみたら、すでに皆帰ってきていた。な、なんだ。


すでに防砂林の向こう、団地のほうまで凧が切れて飛んでって、回収に向かったとの情報。まったり。
じつはウミガメの産地だったりする砂丘であった。カメに卵産みつけられたり大タコが揚げられたり、大変な場所である。

知らない町の熱狂的な祭りに参加するという、人生初の試みだったが、十分楽しかった。というか、ここんちの人間になりたいと思ったほどだ。喧嘩凧では私は邪魔だろうけど、だいいち祭り装束がいいじゃないか。

今までこの祭りに出た私のようなお客も、来年また絶対来ます!というそうだ。私も来たい。次は日焼け止めを忘れないようにしよう。


 

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