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ロマンの木曜日
 
イカスミボールペンで書きたい

イカスミ万年筆:リベンジ編

翌日仲間うちから、"つけペン"なら確実に書けるのではないかという意見もでたのですが、「浸けて書く」 という行為はどうにも納得ができません。イカスミは、カートリッジに詰めてこそその価値があがるような気がするのです。

「やっぱり、イカスミでスラスラと字を書きたい」

この思いは、私を文房具店に走らせました。
購入したのは、インクでも"つけペン"でもなく万年筆。
これでリベンジを果たします。


みどり色のインクを洗い流します
ボールペンと同じ手順でイカスミ注入
にわかに浸透するイカインク 手応えあり
みどり色がしぶとい

 

負けませんよ

洗いながしたはずのみどりのインクが残っていたようです。つぎつぎにみどり色の線ばかりが増えて、芝生化していく紙。けれどもこれは良い兆しです。このまま書き続ければ、かならずイカスミと出会えるはず。
昨日、苦汁を飲んだ私ですから今日こそはとペン先に力が入ります。

線ばかり描くのも飽きてきました。芝生化してもあまり面白みがありませんので、みどり色の草むらカモフラージュモンスターを描くことにしました。


左右比較して下さい。どうみてもイカスミです。

同じ線を書きつづけて、正直、視覚がマヒしていた私は、モンスターの進化を「におい」で知ることとなります。気がつくと、草むらカモフラモンスターがいつのまにかイカスミカモフラモンスターに進化していました。

くせー!くさすぎる!

愛するイカの臭いですが、さすがに脳がどうにかなりそうに濃厚です。

このモンスターが生きていたら、なかなかの強者ではないでしょうか。においひとつで敵をなぎたおせます。


 

くさすぎる成功者

「イカスミなのに黒くないじゃん」

そうお思いの方も多いかもしれません。バカを言っては困ります。
「イカ墨」はイタリア語で「セピア」。
いくらなんでももうお分かりでしょう、セピア色の語源が「イカスミ」であり、まさに私がスラスラと書いているこの文字の色は「セピア」そのものです。

昨日は強行に「成功」にもっていった私でしたが、これで正々堂々と「成功しました」と発表することができます。

みなさんも万年筆のインクが切れたら、どうぞ文具店ではなく魚屋さんにお急ぎください。イヤな上司への伝言メモとか、友人への借金返済の催促、あるいは絶縁状など、幅広くご活躍することと思います。

とにかくひどいです。におい。


イカマニアも完敗

あるいはべつの楽しみ方

ぼくヤだよコレ。

さらに翌日、社内の部署全員にイカ文字のにおいを嗅いでいただきました。
みなさんものすごく臭そうな顔をしていました。
とにかくひどい顔、見るも無惨でした。
イカスミ手紙は、いつもスカしている人のひどい顔が見たいときにも役立つことが判明したわけです。

おいしくて字も書けてスカした野郎のひどい顔も見られる、またひとつ、イカを見直した次第です。


 

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