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ちしきの金曜日
 
幻のツチノコを追え
ツチノコフェスタのマスコット


岐阜県にツチノコ目撃数が日本一の村がある。
お茶の産地として有名な東白川村だ。
幻の生き物ツチノコ、もし本当に存在するのならば、大発見である。
東白川村では、5月3日はツチノコフェスタ。
今回はツチノコフェスタのイベント、ツチノコを捜索しようという大会に参加してみた。

最初に書いておくと、ボクのツチノコに対する姿勢は、「居ないとは思うが・・・、可能性はゼロではない」といったものだ。
そんなボクの予想を裏切って、ツチノコは見つかるのか?

(text by 上杉 天馬



ツチノコの資料を多く扱う研究施設(?)、つちのこ館
つちのこ館前のバス停だけポップな字体、他のバス停は全て右の様

まずはツチノコについて研究

敵を知り己を知れば百戦危うからず、ツチノコを捕らえたくば、ツチノコを知ることが肝要だと思われます。
そこで向かった先は、つちのこ館。
ここには、貴重なツチノコの目撃情報などが多く寄せられていると聞きます、まずはここでツチノコについて研究だ。

資料館や研究施設にしては、ポップな作り。
そして、つちのこ館前のバス停の看板もポップ。
ツチノコのような未確認生物の資料館なんかは、ポップな造りの方が、気軽に入れます。
もし、変に立派で、変に真面目な施設だと、多分敬遠してしまうと思います、ボクは。
だって、そんなの胡散臭い。

納められている資料はというと、全て目撃情報を元にしたもの。
まだその存在すら確認できていないので、必然そうなります。
以下、目撃情報を元に分析した、ツチノコの特徴です。

  • 体長は30cm〜80cm位
  • 体色は、黒褐色・焦げ茶色・黒・灰色を基調として、斑点がある。腹部は黄色。
  • 胴回りはビール瓶のようで、そこから三角形の頭がちょこんと出ている。
  • 口は大きく、中は赤い。ネズミのような鳴声。有毒。
  • まぶたがあり、まばたきをする。蛇との大きな相違点。
  • ツチノコの目撃情報で一番多いのが、お茶畑。ツチノコはお茶が好き?
  • お茶が好きかと思えば、蛇や、木の上の鳥まで捕らえて食べるらしい。お茶はその後にすするのかも。
  • 時に凶暴で、犬を食い殺した例もあるらしい。

また、かなり俊敏な動きや、特徴的な動きをするところも目撃されています。
ツチノコ館にあった資料を元に、書いてみました、それが以下です。
予め突っ込んでおきます、ホントかよ!



マスコットのツチノコには目もくれず、ツチノコを捕らえる練習をする少年、この子マジだ

次は、ツチノコの捕らえ方を知っておこう

ツチノコの特徴は大分解ったような気がします。
気がしますというのは、なにぶん情報ソースが目撃談だけなので、イマイチ確信がもてない。
早く、実物を捕まえて、ヤツラの生態を研究するべきだと思います。
そして、ツチノコを捕まえる歴史的な日は、この日、2006年5月3日、のはず・・・
その為にも、ツチノコの捕らえ方を勉強します。

  • ツチノコ捕獲用具として、一番メージャーなモノは、先が2又に分かれている棒(以後、ツチノコ捕獲棒と呼びます)。これは捜索大会参加者に、無料で配られていた。
  • ツチノコをおびき寄せるものとして、ネズミやカエル(鳴声でも可)、またするめや人間の髪の毛を燃やした匂い(を好むという説がある)がある。
  • 探索は2人1組が最適。挟み撃ちにして、前の者が注意をひき、後ろの者がツチノコ捕獲棒で押さえる。

(捜索大会参加者に配られる「つちのこ秘伝」より抜粋)

ツチノコの生態、捕らえ方を勉強しました。
さぁ、これでツチノコさえ現れてくれれば、いつでも捕まえる事ができます。
現れてくれさえすれば・・・

 

小さいながらも、立派なツチノコハンター
一獲千金の文字を背負った、ハンター集団

夢を追うツチノコハンター達が集結

ツチノコ捜索大会のメンバーは、ほとんど地元の人で構成されているのかと思ったら、そんな事はないようです。
駐車場の車のナンバーを見てると、ある程度遠いところから来ている車も多い。
おそらく、全国から、ツチノコに魅せられて止まない、ツチノコハンター達が集結しているのだろう。
なんといっても 、ツチノコ目撃情報日本一の村だ、その噂を聞きつけて、全国から人が集まって来てもおかしくはない。
この日の東白川村は、ゴールドラッシュならぬ、ツチノコラッシュでした。

本日のツチノコハンター達の特徴はというと、年配の方と年少の方が多い。
装備はというと、運営者側から配られたツチノコ捕獲棒一本の人が多かった。
「つちのこ秘伝」には、必需品として、小型ナイフやコンパス等が必需品として挙げられていたのだが、持っている人はほとんど居ない。
ビニール袋を持っている人が多いのは、なぜだろう。
捕獲後のツチノコを入れる為のビニール袋なのだろうか、ある程度大きな生き物を入れるには適さないと思うのだが・・・
(※このビニール袋の謎に関しては、後ほど判明)

気のせいかもしれないが、どこか、全体的にレクリエーション的な雰囲気を醸し出しているツチノコハンター達。
その中で、他のハンター達とは一線を画す、ストイックな集団を発見。
背中に、「一獲千金」の文字を背負ったグループだ。
この方達、ツチノコだけでなく、埋蔵金や砂金、カッパなんかも追い求めているらしい。
正真正銘のハンター達だ。
彼等の、Tシャツがカッコ良くて、ボクが着ていた日本一周Tシャツと交換して欲しかったが、言い出せず。

 

いよいよツチノコ捜索に出発

117万円の小切手、世紀の大発見の対価だとすると少ない?そんなことないよね
ツチノコ見つけたいかー、オー、117万円欲しいかー、オー(実際のかけ声とは異なります)

太鼓が鳴り、「今年こそツチノコを引きずり出しましょう」という大会役員の方からの檄が飛び、ツチノコ捜索に出発です。
この日は、なんと200人以上の人が参加されたそうです。
ちなみに、ツチノコ発見の賞金117万円は、皆で山分けするらしんだけど、そうすると1人の取り分って、5000円・・・

そんな泥臭い事を考えてはいけません、ツチノコ発見は、ロマンです、夢です。
発見後のお金の事を考えている人なんか、ここには居ないと思います。
(※色々な事から判断すると、実際に居なかったと思います。)


大挙する、ツチノコハンター達。もはやツチノコに逃げ道はない?

今年は、捜索場所が少し変わって、去年と比べてかなり歩かされたようです。
急な山道ということもあり、途中で断念した人も居たのかも。


アレ?ツチノコ発見?

途中、子供達が、ツチノコ捕獲棒で毛虫を捕獲。
「これツチノコ?」と聞く、子供に対する、係りの人の答えがシャレていた。
「大人になるとツチノコになったかもしれないけど、もう人間に見られちゃったから、ダメだね〜。」
子供の夢を壊さず、しかも嘘はついていない。
春の陽気のように、ほのぼのとしたやりとりでした。

そして、とうとうツチノコ捜索場所に到着です。


 

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