ガッカリだ
私個人の好みとは違うが、全体にとても柔らかそうで、ふっくらとした御飯が炊き上がった。所々に「カニ穴」 と呼ばれる穴も空いている。
しかし。
確かに、何本かのお米が「ピン!」と立ってはいる。でもこれじゃ普通だ。あまりにも普通すぎる。
もっと派手に、見渡す限りお米が立ってなくては「うわぁ、立ってるぅ」のセリフが出ない。言いたくない。
あれほど手をかけてもこの状態だということは、やはりある程度、人の手を加えなくては「総立ち」状態にならないのかもしれない。
ならば、手を加えるまでよ。
ラジオを聴きながら根気強く米を立たせ続けた。こういう作業には、テレビよりもラジオがいい。より目の前の米に集中できる。
「米に字を書く人はいても、米を立たせる人はいないんじゃないか。仲間がいないってツライな」などと思いながら、約1時間後。
やっと、総立ち状態になりました。
こういうのを「立ってる」と言うのだろう。炊飯器のCMで「うわー」と喜んでいたのは、この状態を指していたのか? 確かに「うわー」だが、なんだか意味が違ってないだろうか。よく分からなくなってきた。
正直に言うと、少し気持ち悪かったのだ。
炊飯器のフタを開けて、米がこんな状態になっていたらイヤだ。見なかったことにすると思う。
てっきり「米が立つ=おいしそう」だとばかり思っていたが、まるっきり逆の結果となった。意外だ。「なにごとも、ほどほどがいい」ということなんだろうか。
気持ち悪いと言いつつ、自分の手で1時間もかけて作り上げた「作品」だ。愛着はあるが、しかしこのままでは食欲が湧かない。困った。
ああ、誰か私に「適切に米が立った状態」を教えてくださいませんか。
もうしません
必死になって米を立たせてる間に、炊きたてのゴハンがどんどん冷えてゆくのを見るのは忍びなかったが、おかげで「米がビッシリ立った状態がいかに気持ち悪いか」を知ることができた。
やってみなければ、分からないものです。
それから、うまく炊けた御飯は、冷めても非常においしいことも分かりました。