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フェティッシュの火曜日
 
21世紀の「はだしのゲン」
どうなってるというのだ。


6,7年くらいか、もっと前だろうか。インターネットを始めたころ、テレホーダイタイムに突入して様々な個人サイトを見まくってた時期があった、というか当時は皆そうだった。モニタをのぞき込みながら「世の中いろんな面白い人がいるんだなー」とカエルがゲコゲコと一晩鳴き喚く田舎の片隅で思う日々を過ごしてた事を覚えている。その中で一際記憶に残っていたサイトがあった。「はだしのゲン」の公認サイトだ。

小学校の時にマンガを読んだ時のトラウマと、それがポップな形で変貌していた事の驚きの二つが印象を強めていたのだろう。同サイトの主催の方とひょんなことで知り合う事が出来た。ミニコミ時代からすると10年以上「はだしのゲン」を追い続けているという。これが21世紀の「はだしのゲン」のかたち、なのか。

大坪ケムタ



AAにSNS‥生まれ変わりすぎたはだしのゲンの世界

その気になっていたサイトとは、『1995 GenProduction』のこと。当時からデザインはバナーが増えた以外はほとんど変わってないので、ちょっとネットを長くやってるなら見たことある人も多いのではないだろうか。


最初の頃は左半分だけだったとか。

サイトの説明をする前に、皆なんとなくは知ってると思うけども『はだしのゲン』を説明しておこう。

「はだしのゲン」は1973年から週刊少年ジャンプに連載された、実際の被爆者である中沢啓治氏による連載漫画(途中で掲載誌は変更)。舞台は太平洋戦争末期、広島県に住む国民学校2年生の主人公・中岡元が1945年8月6日に投下された原爆で父・姉・弟を亡くし、自らも被爆。まもなく戦争は終わるがゲン、そして仲間たちに原爆の苦しみは続き、さらに戦後の悪環境がゲンたちに襲いかかる。しかし持ち前の明るさで困難に立ち向かっていく。


古い本ですが全巻現役で発売中。

「はだしのゲン」を読んだ事ある人がそのタイトルを言われて思い出すのは、そうした大まかなストーリーもだけども、原爆投下直後の地獄のような広島の光景だろう。自分もそうだけども、あの絵は子供ながらにトラウマになっている。非常に重い、重い作品という印象があるだろう。

そんな作品なのに、このサイトでは

 

ストーリーがアスキーアートで書かれてたり
萌えコマ?萌えコメントって?
Tシャツが発売されたり
はだしのゲンのSNSまで?

‥なんだろう、この今までの我々の「はだしのゲン」のイメージを吹っ飛ばす内容は。

もともと「はだしのゲン」を何故読んだか?というと、図書館に数多く置かれており、「勉強する場にあるマンガ」というポジションを築いていた。それだけに手にし、同じようなインパクトを受けた子供は少なくないと思われる。


web内には作者・中沢氏のインタビューも。
これが「ギギギ」。頻繁によく出るフレーズ。

「1995 GenProduction」主宰のみちさんも最初に読んだ時の感想は同じようなもんだったという。

「図書室に数少ないマンガだったんで逃げとして読んでましたね。といっても別に興味があったわけでなく‥正直嫌いやったんですよ(笑)。やっぱり怖いじゃないですか。ずーっと避けてたというか忘れてたんですよ」

みちさんの通っていた地域はいわゆる同和教育が盛んな地域で、そういう授業も多くあったそうだ。今となってはそういう知識を刷り込ませる意味も分かるけれど、当時の子供としてはあんまり好意的になれないのも分かる。『はだしのゲン』もそのひとつだった。

「それで19くらいの時、飲み会の時にふと『はだしのゲン』の話が出たんですよ。『ギギギ、とか言ってたよね』とか。それで寮に帰ったら広島の先輩がいて、その人が全巻持ってたんですよ。それが2回目だったんですけど、見方が変わったんですよね。怖い本、ってだけじゃなくて『面白いなコレは!』って」


それがさらに「1995 GenProduction」としての活動を起こすことになったのはこんな理由。

「その頃(大友克広の)『アキラ』が流行ってて、それをTシャツにしたブランドも人気があったりして、そういうのに対してアンチだったんですね。それで『日本人なら核戦争後の世界を舞台にしたドラマなら、アキラじゃなくてはだしのゲンだろ!』ってムリヤリ言い出したんです(笑)。それが高じてフリーペーパー作って、メルマガ作って、HP作るに至ると。最初のフリーペーパーが95年で、HPはたぶん2000年くらいからじゃないかな?まぁ、ネタの一本柱だったんですけどね」

ネタも10年続けばアスキーアートやらSNSやら。というか、当時はそれすら無かったわけですが。


 

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