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フェティッシュの火曜日
 
21世紀の「はだしのゲン」

携帯待受画面も。別の部分で権利問題が‥
ロシア版翻訳者インタビューなど海外版の情報もあり。

ちゃんと先生の許可ありサイトです

『1995 GenProduction』を見て、驚かされるのがちゃんと中沢先生の「公認サイト」であること。

「知り合いのライターが中沢先生にインタビューする、って話があってそれに同行させてもらったんですよ。もともとは中沢先生が今何やってるか?を伝えるようなポータルサイトみたいなのをやりたかったんですよ。今何やってるか伝わってこないんで。でも先生もあんまり表舞台には出たくないから『いいです』みたいな感じだったんですけど、ファンサイトはいいよと。それで『スキャンしてもいいよ』って言われたんでこうなったんですけど(笑)」

明らかにやり過ぎです!『はだしのゲン』という明らかに一世代前、二世代前のマンガと今の技術が織りなすグルーヴが独特の面白さを醸し出してるんでしょうけど。

「でも『はだしのゲン』って海外版がいっぱい出てるんですけど、それ著作権を中沢先生も放棄してるんですよね。もう海賊版状態なんで、僕の所も海賊版なのかなって」

言い切っちゃいけない!しかし現在のところは苦情は一件もないとのこと。好きだから出来る「やり過ぎ感」がそれをさせない‥のだろう、たぶん。


上下は『萌えコマ大賞』より。
コマだけ切り取ると妙なおかしみが。

同サイトにある無数のバナーが貼られたコーナーの中で、一番新鮮に感じたのがアスキーアートによって『はだしのゲン』を再現する『はだしのゲソ』と、最も萌えたコマを投票する『最萌えコマ大賞』。「萌え」といっても、いわゆる萌えとは違うのかもしれないが‥。しかし「萌えるエピソード」ではなく、「萌える一コマ」なのが画期的。

「特に『最萌えコマ大賞』なんかは自分でも分からない所があるんですけど、自分が流して見てたりするところを誰かが共有して『俺も面白いと思ってた!』ってなるのが面白いですね。『はだしのゲン』を21世紀に見るとこうなる、ってのが」

あまり手塚治虫のマンガを一コマだけ取り上げて、「今見てみるとこの部分がおかしい!」とか書かないもんなあ。

「SNSとか12歳の子とかもいるんですよ。実際どうか分からないけど。でも文章を見ると本物っぽい。そういう子が70年代に書かれた『はだしのゲン』のどういうコマを萌えと思うかとか、面白いですよね」

ガンダムシード世代がどう受け取るのか。少なくとも受け継がせているだけでも価値がある!


しかし、原爆や反戦をテーマにした『はだしのゲン』でこういうHP作ることで様々な方面から何かしら突っ込まれた事はないのだろうか?

「すごい批判されたことありますよ。
『不謹慎だ』とか『何でこんなことやるんだ』とか、腫れ物に触るなみたいなこと言われて。もちろんゲンの要素として原爆や戦争はあるんですけど、入り口はそれだけじゃなくていいと思うんですよ」

正直、僕もこのサイトを読んであらためて「ひさびさに読んでみるか‥」と全巻買ったクチだ。読むと「このコマ面白いな」という部分もあるけれど、そのストーリーの重さが最先決に胸にくる。入り口は面白さでも、読んでみた出口がそれだけで終わらせるほどチャラい漫画じゃないのだ。


まずは図書館で読むとか、壁紙からでも。

「インタビューの時に中沢先生に聞いたんですけど、『読んでヤバイと思って読んでもらわなければ困る』とおっしゃってたんです。『(自分が体験して)目に焼き付いたものを書いたんだから』と」

子供の頃にはトラウマになるほどのインパクトだった『はだしのゲン』。今、改めて読み直すといろいろ発見がある。ストーリーの面白さから萌えコマ、そして今の視線で見る原爆や戦争について。昔読んでトラウマ食らった諸君、今の年齢で読む21世紀のはだしのゲンは、昔以上にきっと面白いぜ!

SNSはこんな感じ。コミュとかも濃い!

今考えるといいトラウマだったなー。

それにしても、今も小学校には『はだしのゲン』はあるのだろうか。今思い返すと、あれは良いトラウマだからぜひ各校に置いてほしい。あと『デビルマン』の牧村家襲撃シーンも‥ってそれって自分と同じトラウマを植え付けたいだけか。

1995 GenProduction

 

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