あまりにもそのままなネーミングの動物、ナマケモノ。
確かにほとんど動かないでじっとしているイメージの動物だが、それはないだろうという名前でもある。
本当にそうなのか、ナマケモノはなまけてるのか。野生はそんなに甘くないだろう。野生ではないが、人気者ひしめく動物園でもそんな自分を貫き通しているのだろうか。
名は体を表すとは言うが、よく考えてみたらナマケモノの実体をよく知らない。そういうわけで、実際に動物園に行って確かめてみました。
(小野法師丸)
ナマケモノを見るためにやってきたのは、東京・上野の上野動物園。子供の頃、パンダを見にやってきた覚えがあるが、今回はナマケモノを見にやってきた。大人になると子供の頃とは違った目的で動物園を訪れるようになるものだと思う。
【10:22】 動物園正門
ナマケモノは本当になまけものなのか。名前に負けずがんばっていてほしい気もするし、思いっきりなまけていてほしい気もする。自分の中でナマケモノにどうあってほしいのかがいまだ決まらない。
ナマケモノの檻にたどりつく前にも、なまけているように見える動物たちは散見された。子供の頃はこうした動物たちを見るとつまらないと思っていた気がするが、大人になった今は違う。よくわからないシンパシーを覚えるのだ。
園内に入りしばらく歩き、ナマケモノがいる檻に到着。だが、どうもその姿が見当たらない。ナマケモノだからなまけることは否定しないが、姿を見せないというのは困る。なまけているかどうか確かめられない。
よく見ると、檻には注意書きが張ってあった。
なるほど、反対側の展示室にいるかもしれないのか。確かにこうした形の展示は他の動物でも見ることがある。だからそれはいいのだが、「すぐ後ろのイチョウの木」とはどういうことなのだろうか。言われるままに振り返ってみる。
檻の外にいるかもしれないというのはずい分大胆な見せ方をしてると思ったが、どうもそこには姿が見られなかった。それにしてもこれはどういうことか。そう思って上を見上げると、謎がわかった。
ナマケモノが普段いる檻の上部に穴が開けられていて、そこを通して檻の外に生えている木との間に綱が渡されているのだ。
面白い展示方法だとは思ったが、ナマケモノは本当にこの綱を渡ってきたりするのだろうか。そんなパフォーマンスを見せるようなイメージを持っていなかったので、かなり疑問に感じる。動物園側はナマケモノの脱なまけを狙っているのかもしれない。
とにかく来訪時には檻にも木にも姿が見当たらなかったので、裏に回って展示室の方を見てみることにした。