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フェティッシュの火曜日
 
紙おむつがエステ入浴剤に

以前、ゼリー状になる入浴剤を使ったことがある。
保温効果バツグンの、もったりしたゲル状のバスタブの中に体を沈めると、いつまでも汗が出るし、なんといっても感触が面白かった。
それは溶かす薬剤を入れないと排水溝に流せない本格派だった。

それと同じ成分が紙おむつに入っているという。
なるほど、あの保水力には共通するものがある。納得。

では紙おむつから入浴剤を作ってしまいましょう。

佐倉 美穂



紙おむつの中身でエステ効果・サウナ並のお風呂

その入浴剤は「ゼリー状になる」とは言っても、本当にプルンとした固まりが出来るわけではなく、お湯の中で柔らかいグミのような、一粒一粒に弾力がある、細かいゲルが出来上がるというものだった。
その重みのある粒に体を入れ、効果や感触を楽しむのだ。
以前「大好きなイクラのプールでイクラを飲み飲み泳ぎたい」と言っていた人がいたが、そんな感じだろうか。違うか。


ごらん、魚卵だよ(イメージ図)
写真提供:イクラとマロニーでレンズフィルター作り

ゼリー状の入浴剤の通販サイトを見ると、その発汗性から「エステ効果」「サウナ並」などというコピーがついている。

調べてみると、そのゼリー状の入浴剤と紙おむつに共通して入っているのは「高分子吸収体」というもの。でもそんな小難しいことは置いといて、やることは単純明快。
ただ紙おむつの中の「高分子吸収体」を取り出し、バスタブに入れて入浴するのだ。

エステ効果、サウナ並の発汗、やってやりましょう。

 

紙おむつの中身は綿菓子

ウチの5才になるムスメは今でも紙おむつを使っている。


おウチは全部トイレなの!(床に敷き詰めてあります)

その慣れ親しんだ紙おむつ(と呼んでいるが、正確にはペットシーツ)ではなく、より吸水性の良さそうなオーバーナイトの赤ちゃん用を使うことにしよう。

もう布団に地図は書かないぜ
パンツの形のニクいヤツ

本当はバスタブいっぱいのゼリー浴をしたいものだが、いかんせん処分に困る。今回はそれを溶かす薬剤が無いので流せないのだ。もちろん紙おむつなので水を含んだままでもゴミに出せるが、大量すぎて腰を痛めそう。
というわけでバスタブの代わりに衣装ケースの登場だ。

おむつから高分子吸収体を取り出す。こういった単純作業は無心と闘争心が交差する。闘争心といっても「紙おむつに残りがないように!」という平和なものだが。

こそぎ取るという表現がよく似合う作業だ。何かに似ている。
あ、あれだ、メロンやスイカを薄っぺらくなるまで食べた時みたいだ。欲望に忠実な幼少期を思い出す。


もう原型をとどめていない
薄っぺらすぎます

複雑な二重構造の奥をほじくるのは、まるでカニの身を出しているようだ。その証拠に終始無言でこの作業をした。

それにしても中身は綿そのものだ


綿もしくは駄菓子屋の綿菓子

 

ワンダフル入浴

解体作業を始めて1時間後、12枚の紙おむつの中身を取り出した。
今紙おむつを分解させたら私の右に出る人はいないという自負と共に湯を張る。


衣装ケースの底が埋まらない程度しか取り出せなかった
湯に触れたところから半透明になってゆく

40℃に設定した湯を入れてかきまぜた瞬間、もうすでに液体ではない。
ぼってりとしたゲル状。以前入ったゼリー状の入浴剤より硬めな状態になった。


もっと湯を入れたら白い部分まで半透明になったかもしれない

バスタブに見立てて湯を張ったのだから、ここは入浴しないわけにはいかない。しかもその感触をナマで感じたいので、水着にショートパンツとキャミソールという露出度高めの格好になってしまった。お見苦しくて申し訳ない。

早速足から入ってみる。


うひょお

手で混ぜていたし、前にも入ったことがあるのに笑いがこみあげてくる。
なんだこの感触。なま温かくて、足を入れる道をふさぎはしないのに、入れた後にどんどん押し寄せてくるような。
そうか、包み込まれている感じがするのだ。温かいずるずるべちゃべちゃに。

では、いよいよ入浴してみよう。


 

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