この発汗、サウナ並
さて、バスタブ(仮)に腰を落としたわけだが。
……うーん、バスタブ代わりの衣装ケースではやはり小さかったようだ。これではお尻と足首しか温まらない。 では足も横に倒してゲルに極力浸るようにし、さらにゲルを全体に盛りつけてしまえ。
しかしなんだね、ゼリー状入浴剤のうたい文句、嘘じゃないね。 じんわりと包み込まれて、腰から下しか浸かってないのにとても温かい。芯から温まるとはこのことか。 私はいつもお風呂で本を読むのだが、ぬるめのお湯で30分かかってかくような汗が10分で出てきた。髪をまとめた頭皮にも汗がつたうのを感じる。
これはエステやサウナでかく汗だ。 表面のゲルが冷めてきたな、と思って底の方からまた足にかけ直すとまだまだ温かい。 スパには様々なお風呂があるが、こんな変わり湯も人気が出そうだ。
入浴を満喫したので立ち上がろうとすると、まるでスライムの中から出ようとするような感じで抵抗が強く、引っ張られるような感じでなかなか立ち上がれない。ゲルすげえ。
熱を利用して温泉卵作り
40℃の湯を張ってから30分ほど経ったが、底からかき混ぜて温度を測ったら40℃のままだった。これにはちょっと驚いた。気体や液体のように循環もないし、熱伝導も悪いのだろう。
この保温力を使って何かできないか。 思考して1分、その時私は本当に手を打った。そうだ、70℃くらいにして温泉卵が作れるかもしれない。
さっそく丼に先ほどのゲルを入れ、電子レンジで70℃強に温める。 そこに卵を入れて待つ。カンタン。
そして30分後、卵の殻をシンクの端で割ろうとすると、生卵とは違う抵抗があり、器の上で、上手く出来たか不安と期待をない交ぜにしながら開けると……
大成功だ。 温泉卵は70℃くらいをキープしたまま30分以上おかないとできない。 やはりこのゲルの保温力は想像以上だ。これ、商品化できないだろうか。水を足したりレンジでチンするだけで簡単に温泉卵ができるぞ。
水耕栽培にもチャレンジ
そもそも上のゲルは紙おむつの中身なのだから、保水力もすごいはずだ。現にさっき入浴剤にしたモノも潤いを保ち続けている。
そこで、水だけで栽培する植物を育ててみよう。今回は結果が解りやすいスプラウトだ。
入浴の時に別にとっておいた、厚さ5mm程度の綿のような紙おむつの中身に水を注ぐと、あっという間に半透明の潤いのある粒状になり、器からあふれ出る。これ、膨らみすぎでしょう。
種を蒔き、本来の栽培法であるティッシュに水を浸して毎日水を取り替えるものと、ゲルに水を足さないものとで育ち具合を比べてみた。
2日目にして、じ、事件発生! 前ページでご紹介したウチのムスメ(スカンク)が、ちょっと目を離したスキに戸を開け、ほじくり、あああ、ゲルが無惨な姿に……。
スカンクは穴を掘って生きる動物なのでした……。以前やっぱり目を離して、畳の部屋の植木鉢の土をほじくられた時と同じくらいショック。いや、それ以上か。
泣く泣く床に散らばったゲルと種を元の器に戻し、栽培を続けたが、これで種がゲルの中に多数まざってしまった。
そして7日が経った結果は
あきらかにティッシュの勝ち。ゲルはまだ保水しているようだが、種に水を供給はしてくれないようだ。 1日くらい切り花を保存するのには良いかもしれない。
実はこのスプラウト、室温20℃くらいで育てるものなので成長が悪いのだ。本来ならこの頃に日に当てて、わっさーと育ったモノを収穫できるはずなのに。 余った種はもう少し涼しくなってから育てよう。
まとめ
侮るなかれ紙おむつ。 たしかにエステ効果と言える入浴剤に変身した。温泉卵もいい出来だった。工夫すれば他にも使い道はありそうだ。
しかしネックなのは処理方法。
終わった浴槽はベランダに出した。このままでは重いので、乾燥させてから処分しようという寸法だ。しかし夏が終わるまでに乾いてくれるかは謎。