ソーメンには一束に2〜3本、ピンクや緑の色付き麺が入っている。なんのためかは分からないが、入っている。
「子どもの頃、意味もなくあれが好きだったなぁ」と感傷に浸りながらソーメン売り場を眺めていて「おや?」と思った。なんと、色付き入りのソーメンが売られてなかったのだ。
いったい、色付きソーメンは5-何処へ行ってしまったのか。業者は、もう作ることをやめてしまったのか。
調べたり、探したりせず、自分で色付き麺を作ってみました。
(高瀬 克子)
赤いソーメン
まぁ「作る」と言ってもソーメンを小麦粉から練るわけではなく、要は染めるんですけどね。タイトル読んだだけで分かりましたか。すみません、駄洒落なんです、ええ。
ということで、染めていきますよ。
ちょっとどうかと思うほど赤いお湯にソーメンを入れる。果たしてこれだけで、麺は色付いてくれるんだろうか。
「麺がお湯を吸収するんだから、お湯が赤ければ茹だった麺も赤くなるハズ」とは思うものの、確証はない。ドキドキしながらソーメンを茹でた。
お湯の色が赤い以外はいたって普通の工程なワケだが、なぜかいつも以上にヘンなことをしている気分になるのは何故だろう。視覚の効果は想像以上に大きい。
赤いお湯の中で、ソーメンはいつまでたっても白いままのように見える。…おかしいな。いや、でも白く見える。でも。まさか。
「ああ、染まらないのか」とガッカリしながら、お湯を流しにザバーと捨てた。…すると!
流水で、いつも以上にソーメンを洗った。念入りに洗った。「もうそろそろいいだろう」とは思うのだが、頭のどこかが「まだまだ洗い足りない」と判断している。視覚効果、恐るべし。
なんだか「ショッキング・ソーメン」とでも呼びたくなるような一品が出来上がった。染まり過ぎだ。茹でながら「染まってないんじゃないか?」と不安に思ったことがウソのように、どぎつい色である。
めざせレインボー
とにかく、ソーメンが食紅でキレイに染まることが分かって非常に満足だ。すっかり気が大きくなったのか「もっといろんな色のソーメンを茹でてみたい」と思った私を、誰が責められよう。
急いで、新たな色素を買いに走った。
「赤・青・黄」と、色の三原色が揃い、これでもう、何色だろうと思うがままだ。どんと来いソーメン。目指せ、虹色ソーメン、といった心境になっている。
まずは青からやってみよう。青といえば、当サイトで過去に大塚さんが「青くする実験」というのをやっている。
大塚さんによれば「青は食欲が湧かない色」とのことだが、それはソーメンにも当てはまるんだろうか。