いま一番想像したくないのは、もしかしていまぼくはとても邪魔なんじゃないだろうか、ということだ。いや、きっと邪魔なんだろう。彼女はさっきから無口だ。そもそもそんなにたくさんしゃべる人ではないけれど、いつもよりも無口な気がする。
ぼくが部室に来る前まで、先輩と何を話していたのだろうか。先輩が学校に来るのは今日が最後。そりゃあ、明日以降だって外で会うことだってできるだろうけど、やはりぼくは席を外すべきだろうか。でもいまさらそんなことがわざとらしくなくできるだろうか。
何の脈絡もなく、部室の前にあるあのアロエはいったいいつからあそこにあるのだろうか、と思った。何代前の先輩が植えたのだろうか。生徒がどんどん卒業して入れ替わっていくのをどれぐらいあのアロエは見てきたのだろうか。 |