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土曜ワイド工場
 
皇帝ペンギンがそんなに偉いのか

営巣地に到着

営巣地に入ると繁殖期を経て、皇帝ペンギン(サラリーマン)のメスは卵を産む。繁殖期にはコウノトリがキャベツ畑からなんたらかんたら、と非常にややこしい手順があるのだが長いので割愛する。

その後、メスは卵をちょうど自分の足元に産み落とす。しかしそのまま放置すると卵は凍りついてしまう。なんせマイナス60℃の世界。足元でいくらかは温度が保たれているとはいえ、一刻も早くオスに受け渡し、抱卵を始めてもらわなければならない。


出産の瞬間。


辺りをキョロキョロ見渡すのは外敵(上司)を気にしてのことだ。
こうした行動は鳥類(会社勤め)にはおなじみ。


これがわが子。


いよいよ卵の受け渡し

皇帝ペンギン(サラリーマン)独特の行動として、前述のメスからオスへの卵の受け渡しがある。メスは短い足を器用に動かし、オスの足の上に卵を乗せる。オスの下腹部には卵を守る膜があり、オスはその中で卵をかえすのだ。

万が一、卵がどこかに転がりでもしたら、あっというまに凍りついてしまう。当然赤ちゃんは生まれてこないわ、その後営巣地で暇だわ、と大変なことになるのだ。

今回はその受け渡しの様子を動画でごらんいただくことにしよう。


 


あっ。


卵が。


卵が…。


失敗

卵が転がってしまった。

皇帝ペンギン(サラリーマン)は体の構造上、地面に転がった卵を拾う術(すべ)がない。

どうして自然は皇帝ペンギン(サラリーマン)にそのような体を与えたのか。自然は時に残酷である。


悲しみにくれる皇帝ペンギン(サラリーマン)と死んだ卵。


悲しみに打ちひしがれ、海を見つめるサラリーマン。
その目には何が映っているのか。


「また生めばいいじゃないか。」


絶望

こうして産卵に失敗した皇帝ペンギン(サラリーマン)は、成功した仲間を横目に見つつ冬越しをすることになる。ブリザードの中、みんな卵を温めるのに一生懸命で、寒くて死にそうになるから円陣組んで寒さから身を守ったりするのだが、子供いないのに何してんだろ俺、こんなブリザードの中何ヶ月も、とか思ったりしないといけないのだ。


 

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