童夢(ドーム)。1975年創業の、国内では老舗のレーシングカー・コンストラクターであり、その記念碑的モデル「童夢-零」(ドーム・ゼロ)によってその名を広く世間に知らしめた会社である。
その童夢さんから、私にある日、突然の打診が。
「ぜひ、うちのCFRP素材を使って、物作りを体験していただきたい!」
以前FRP素材を扱って大騒ぎしたことがあるが、今回はその進化形ともいうべき素材、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)を扱えるということで、いそいそと米原まで行ってペタペタ工作してきました。
(乙幡 啓子)
きっかけは・・・Tシャツ
そもそもの始まりは、5月にお伝えした「Tシャツラブサミット」である。縁あって伊藤製作所さんのブースをお手伝いしたわけだが、その記事を見た童夢の方が伊藤さんにTシャツをご注文。
そして、そこから私にまわりまわってきた話、となったわけだ。人生とは面白いものですな。
であるからして、その伊藤さんも同行し、童夢さんの本拠地、米原へ向かったわけである。
小学校のころ、スーパーカーが大流行した。関連のマンガもたくさん描かれたが、そのマンガの中で「童夢-零」を見たのが私の童夢との邂逅の記憶である。
ランボルギーニカウンタック・・・ランチャストラトス・・・その中に混じって、画数の多い日本語名「童夢-零」。名前のインパクトは絶大だった。
その童夢-零が、目の前に!車高、低いな!どうだこのソリッドな感じ。
興奮気味の私たちだ。
できますものは・・・ドカヘル
今回の取材の前に、童夢の塚本氏と東京で数回の打ち合わせを行ない、何を作るか決めていた。
高崎だるま弁当のケース・・・ハナ肇の入ってたような銅像・・・サイコガン・・・いろいろ案を練ったが、最終的には今後の取材でも使えるよう(使うのか?)、「ヘルメット」、通称ドカヘルといわれるような、工事現場で活躍するあれを作ることと相成った。
メス型がちょうど工場にあるというので、すぐにCFRP成型作業にかかれるという。ツナギにさっそく着替え、工場に向かいます。