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ロマンの木曜日
 
 黒電話でインターネット

アンティークショップで黒電話ゲット

黒電話を今でも使用している人がいたらその回線を貸してもらおう。そう考えて、再びネットで検索したがそんな情報は見つからなかった。知り合いや親戚に聞いても誰も使っていない。

だったら黒電話を手に入れて、それを今の電話と交換すればいいんじゃないか?

ネットで黒電話を取り扱っている店を探す。すると色々な種類の黒電話を販売しているアンティークショップの通販サイトを見つけた。商品説明のページには、現代のモジュラーアダプターがついているのですぐに使用出来る、とあった。在庫わずか、とも書いてある。売り切れてしまわないうちに即買いした。


購入した600型の黒電話

購入申し込みをした後、万が一使えなかったらまずいと思い、黒電話の使用方法を問い合わせてみた。すると、契約している電話回線がダイヤル回線ならば受信、送信とも出来るが、プッシュ回線の場合は受信しか出来ないという事が分かった。
会社も家もプッシュ回線なので受信しか出来ない。となると、電話をかけられない訳なのでネットにつなぐ事も出来ない。

困った。ダイヤル回線の家を探さないといけない。

 

ダイヤル回線を探せ!

もしかしたら実家がダイヤル回線かもしれない。実家は母と弟の2人暮らしで、未だにネットは開通していない。長男の僕がネット関係の仕事をしているというのに、2人とも全く無関心なのだ。

116番に電話をかけて実家の電話番号について調べてもらい、以下の事が分かった。

・回線の種類はダイヤル回線。
・電話の名義が6年前に亡くなった父のままである。
・今でも黒電話のレンタル代金が毎月180円引き落とされている。
・使ってないようだったら黒電話を返して欲しい。

やっぱり実家はダイヤル回線であった。しかもまだ黒電話を使ってる事になってるらしい。すぐに母に電話をかけて黒電話の事を聞いてみた。返さないといけないらしいけど、まだ残ってる?

「そんなのとっくに捨てちゃったわよ」

母はすぐに物を捨てちゃうのだ。116番の人も、万が一残っていたら返してください、という言い方をしていたから謝れば許してもらえるだろう。

それはともかく、音響カプラ、黒電話、アナログ回線の用意が出来た。これでお膳立ては整った訳だ。

実家に向かった。

実家に黒電話がやってきた


実家リビング。へんな絨毯だ

母親は箱根に旅行に行き、弟はまだ仕事から帰っていない。柴犬とチワワがおとなしく留守番をしていた。


久しぶりだワン

早速、持って来た黒電話に電話線をつなぎ、ちゃんと使えるか確認する事にした。


ザ・実家という風情たっぷりなレースのカバー 現行電話機の裏から電話線を抜く

なんでレースのカバーをかけるのか?
それは今度母に確認するとして、黒電話のチェックである。

まずは黒電話から自分の携帯に電話かける。


ダイヤルを回す

0、9、0……、とダイヤルを回すとジーコ、ジーコと黒電話が音を立てる。久しぶりの感触。そうそう、こういう感じだった。番号を全部回すのに20秒以上かかる。リダイヤルもなければメモリ機能もない。昔の電話はこんなに不便だったのだ。


0が一番時間がかかるよね

黒電話からかかってきた電話に出ると、それは過去の自分からの電話だった。というような事はもちろんなく、黒電話から携帯への通話は無事に成功した。


過去の自分から着信中

逆に携帯から黒電話への通話も確認出来た。
これで黒電話はちゃんと使える事が分かった。


よし、大丈夫だ

いよいよ、黒電話を介したインターネット接続に挑戦します。
一体、どれくらいの速度でつながるのだろうか?


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