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ロマンの木曜日
 
あっちの草原から500頭の馬がやってきたドドドドド
ドドドドドドドドド


前回、モンゴル遊牧民の一日を紹介した。
息子のオンが夏休みに、ほんの一部だが体験してきたからだ。
中2の夏、遊牧民になった(8/31)

滞在は一週間。
今年は建国800周年記念イベントがあるという。

800周年イベントということは、次は800年後だということか。しかも聞くところによると、2万頭の騎馬隊を観戦できるというではないか。

モンゴル記最終章はこのイベントの模様と、大草原の中で出会った動物たちを紹介します。

(text by 土屋 遊



馬に乗って走るということ

一週間寝食を共にした24才の若者、ニャムカに「乗るか?」と促され、息子ははじめて馬に乗った。

乗馬経験者ならおどろかれるだろう、アドバイスはただひとつ「左から乗ること」。

いきなり乗って、そしてニャムカの馬に追走するカタチでトートツに走りだしたそうだ。
感想は、と聞くと
「内蔵が揺れて飛び出しそうになったね」

象、ロバ、そしてうちの犬にはよく乗ってはいたオンだが、たしかに動物に乗って走るのは初めての経験だ。

「けど気持ちよかった」

内蔵が飛び出しそうで気持ちいいとはいかなる状態か私にはわからないが、上下の揺れがとにかく激しく、声を出そうにも出せなかったらしい。

けれどもニャムカは風を切り、大声で歌を歌っていたそうだ。


内蔵がゆれた直後のナチュラルハイ笑顔。




突進してくる馬、馬、馬……
内蔵が飛び出さないか心配
よくぶつからないなあ……

本場の騎馬戦を観戦する

いよいよイベント当日。
息子の記憶がいいかげんで、観戦レポートとしては成り立っていないことをまずはお許しいただこう。

「興奮?まあ馬がいっぱいいるねえって感じ」
「地響きは、んー……それなりにしてた」
「なんか馬の首みたいなの取り合いしてた」

執拗な尋問により得た少ない情報をもとに、ネットで調べてみた結果……

体育祭でやるあの騎馬戦ではなく「コクボル」という騎馬ラグビーのようなものではないかと私は推測する。

●コクボル(ウラク・タルトゥシュ)
  • 首と足首を切り落としたウラク(山羊)をボールに見たて奪いあう騎馬ラグビー。
  • ウラクを自陣にゴールしてポイントとなる。

ボールとなる山羊は、殺した後の生々しい家畜という雰囲気はなく砂煙の中では大きな毛玉のように見えるそうだ。息子が「馬の首みたいな」と言ったのもうなずける。

「ああそうだね、そんな感じ。そうそれそれ」

というわけで、とりあえず「コクボル」だということにしてごらんいただきたい。

 

騎馬民族の末裔、その底ぢからを見よ

このウラク(山羊)は20〜30kg近くあるそうで、これを馬上で、しかも片腕で持ち上げ奪い合うのはそうとうな筋力が必要だろう。

ただ走っただけで内蔵が飛びしそうになったオンは騎馬民族のパワーを目前にしてなにを思ったのか。

「あ。ラクダ!ラクダっていがいと走るの速いんだよ」

そのラクダと、ウラク(山羊)の画像がなくて本当にすいません。


勝利の雄叫び。(いっしょになって、いい気になっている馬もいるな)

2万頭にはおよばなかったようだが(500頭くらいではないかとのこと)コースのないだだっ広い大地を、馬が大群でもって駆けている姿にはやはり圧倒されるのではないだろうか。

レポーターの力(感情)不足ということもあり、臨場感がうまく伝えられなかったことは実に申しわけない。


たぶんエラい人(腹の出具合から推測)

でも私が、このイベント写真の中で一番印象に残ったのは、馬でもラクダでもチンギスハーンに扮した貫禄のおっさんでもなかった。


 

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