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ロマンの木曜日
 
タイトル:受付番号は何番から始まっているのか
郵便局や銀行の受付番号の謎を探ります


まずは右の写真をご覧いただきたい。右の写真は平日14時に近所の小さな郵便局で、順番待ちの受付番号を撮影したもの。受付番号には703と表示されている。

しかしよく考えみるとこの番号、ちょっとおかしい。朝9時から14時までの5時間の間に700人も人がくるだろうか?ひっきりなしに誰かが訪れたとして1時間に140人。1分に2人以上接客したことになる。

もしかしてこの受付番号には何かからくりがあるのではないか?例えば1番からではなく、もっと大きな番号から始まっているとか…。

というわけで今回は長年疑問に思っていた受付番号の謎を探りに行ってきます!ミニマムな疑問ですみません!

(text by 岸川 祥子



受付番号の謎(1) 郵便局編


左の貯金・保険は100番台、右の郵便は700番台

郵便局の受付番号というのは、どこも概ねこんな感じ。片方の受付は番号が小さく、もう片方の受付の方は番号が大きくなっています。左の「貯金・保険」は1から始まって今106人目だとすぐにわかるんですが、では、右の「郵便」は実際はいま何人目なのか?早速訊いてみることに。

 

とりあえず番号札をもらって並び…
自分の番が来たところでいざ質問

受付番号は何番から始まっているのか?

−−お忙しいところすみません。郵便局の受付番号って何番から始まってるんですか?

え?受付番号ですか?

−−ええ。あっちは100番で、こっちは700番ですよね?

あー、そういうことね!あっちの受付は1番から、こっちの受付は600番からになってます。

−−なぜ600番からなんですか?

そう言われると何でかなぁ…。ちょっと待っててくださいね。
(と、ここで奥にいた別の人に交代)

(別の人)お待たせしました。こちらが600番からになっているのはですね、あちらの受付が1日に最大600人くらいお客様がくるんですよ。そこでこちらの受付番号を600番からにしておけば、番号がかぶらずに済むと…。

−−おお!なるほど。ちなみに600番からにするというのは郵便局全体で決められてるんですか?

特に決められてはないと思います。うちの場合、経験則で600人くらいだと。

−−ありがとうございます!すっきりしました!


というわけで、あっという間に答えが出てしまいました。

○片方の窓口だけ番号が大きいのは、もう1つの窓口と番号がかぶらないようにするため。

○何番からスタートするかはもう片方の窓口にくる人数 から決めている。

ということみたいです。つまり703番は事実上103番。朝、念のため確認に行くと…


ちゃんと600番から始まってました!
誰も待つ人がいないとこんな表示に

ちゃんと600番から表示されてました!なお、1番から始まるはずの「貯金・保険」の窓口は、この時間、誰も並んでいなかったため、番号が非表示に。誰も並んでないとこんな風になるんですね。番号を見るためだけに札を抜くのも悪いので、そのままそっとしておくことにしました。

 

受付番号の謎(2) 銀行編


こうして郵便局の受付番号の謎は無事とりあえず解決。しかし番号が大きい理由が「かぶらないため」だとしたら、次のこれはどういうことなのか?今度は銀行編。

各種お届け窓口は500番台からスタート。回転が遅い。
お預け入れ窓口は1番からスタート。回転が速い。

写真は朝9時20分頃の銀行。ご覧のように銀行も郵便局と同じく、片方の窓口だけ数字が大きくなっています。しかし右の「お預け入れ」は窓口が4つあり、20分で30件のハイペース、一方、左の「各種お届け」は20分で3件のローペース。つまりこのままで行くと閉店頃には…

右 1時間90件×6時間=540件 (540番)
左 1時間9件×6時間=54件   (554番)

と、右も左も500番台になる可能性が。せっかく番号に差をつけたのにこれでは意味がないのでは?

 

破れた5千円札を持って順番を待ちます
両替依頼書を使って通常のお札にチェンジ

質問をぶつけそびれる!

「受付番号が右も左もどちらも500番台になりそうだけど大丈夫なのか?」非常に大きなお世話な質問ですが、やはり気になるので、銀行の人に訊いてみることにします。

先日の郵便局の取材で、用事がないと話しかけにくいことを知ったので、今回はちゃんと用事を作ってきました。

破れた5千円札です。友達が持っていたのを「今度銀行に行く用事があるから替えてきてあげるよ」と親切ごかして譲り受けてきました。

銀行の人に訊いたところ、破れた5千円札は両替と同じ用紙を使って、通常の5千円札と取り替えてくれるそう。手数料はかかりません。

それにしてもなぜ両替あつかいになるのか?ちぎれた細かいお金を、細かくない大きいお金に替えるからなのか?こっちの疑問もちゃんと訊いてくるべきでした。うう…。

さて、そうこうしてる間に順番が。ところがこの時、五十日(ごとおび)だったせいか21人待ちという恐ろしい並びっぷり。殺気立つ銀行員の方とお客さんを目の前に「受付番号について聞きたいんですけどぉ」と呑気な質問をぶつけるわけにもいかず、新しい5千円だけ受け取ってすごすごと退却

結局、受付番号に関する疑問は、受付番号を配布しているベテランっぽい女性に訊いてみることにしました。

 

この中で業務に全く関係ない質問がぶつけられてます

追いつきそうな受付番号はどうするのか?

−−あのー、くだらない質問で恐縮なんですが、右の受付番号がものすごいペースで進んでるのに、左の番号はゆっくりですよね?追いついちゃったりしないんですか?

あはは!面白いこと聞きますね。右は1〜499まで、左は500からと決まっているので、番号が重複したりはしないんですよ。

−−え?じゃあ、右に500人以上お客さんが来たらどうするんですか?1000番からとか…。

いえいえ。右は499までいったらもう一度1に戻るんです。

−−なるほど!


こうして驚くほどあっさり疑問は解決。

右の機械がどんなにハイペースで進んでも、500を越えたら1に戻るため、左とは番号がかぶらない。

思わず膝を打ちたくなるほど明確なお答えでした。ありがとうございます!

いつの間にかつぶれていた近所の郵便局

披露する場所がない豆知識

せっかく答えが出たものの、披露する場所が非常に限られそうな受付番号の豆知識。

個人的には長年の疑問が解決し、とても晴れやかな気分なんですが、この感じが伝わってるかどうかとても心配。

とりあえず郵便局や銀行の順番待ちの時にでも、こっそり披露していきたいと思います。

ちなみに5千円札の交換は普通に便利なので、破れて使えないままになってるお札をお持ちの方は是非銀行に行ってみてはいかがでしょうか。


 

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