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ロマンの木曜日
 
 妊娠に気づかないまま職場で出産したスーパーウーマン

仕事中に極度の腹痛に見舞われ控え室で休んでいる間に子供が産まれた、という話を聞いた。僕の友人が経営するお弁当屋さんでの出来事である。友人曰く、その女性は子供が産まれるまで自分の妊娠に気付いていなかったという。にわかには信じがたい出来事であるが、本当らしい。

事の真意を確かめるため、最後まで妊娠に気づかずに一人で出産したスーパーウーマンから直接お話を伺った。


(text by 住 正徳



それは今から1ヶ月前、9月12日の出来事であった


築地創菜工房goo

東京都中央区築地のお弁当屋「築地創菜工房goo」が今回の話の舞台である。僕の大学の後輩が経営するお店だ。


オーナーの木村君(33才)

お店にお邪魔して後輩の木村君から事の顛末を聞いた。
以下、木村君の証言をもとに当日の様子を時系列でまとめてみた。


AM8:00
今回の主役、最後まで妊娠に気づかなかった陽子さんからお店に電話が入った。通勤途中でお腹が痛くなったので、10分ほど遅れるとの事。木村君は了解して電話を切った。

電話連絡の通り、10分ほど遅れて陽子さんがお店に到着。しかし、まだ腹痛があるようなので、4階の控え室で休むよう陽子さんに言い伝える。その後、木村君をはじめ複数のスタッフはお昼の仕込みに入る。


陽子さんが休んでいた4階の控え室

AM10:30
遅刻してきた女性スタッフが着替えのため4階の控え室に入った。そこで陽子さんがかなり苦しそうにうずくまっているのを見つける。声をかけると、陽子さんからセデスA錠を買って来て欲しいと頼まれ、女性スタッフは薬局へ走った。

セデスA錠を手に再び4階に上がると、さっきよりも更に苦しんでいる陽子さんの姿が見える。これは尋常じゃないと判断した女性スタッフが木村君に陽子さんの容態を報告。木村君はすぐに救急車を呼んだ。

AM11:10
救急車が来る前に陽子さんの様子を確かめるため4階に上がった木村君。うずくまる陽子さんに、「どうした!」と声をかけると、陽子さんから「赤ちゃんが産まれた」と答えが返ってきた。陽子さんの体にはバスタオルがかかっていたので、赤ちゃんの姿は確認出来なかった。痛さのあまり気が変になってしまったのだと思い、とにかく落ち着いて救急車を待つように告げる。

しかし、この時点で本当に赤ちゃんは産まれていたのだ。


こういう感じでうずくまっていました。と木村君

間もなくして救急隊員が控え室に入って来た。手際良くへその緒を切断し赤ちゃんを抱き上げる救急隊員。赤ちゃんはその時になってようやく産声をあげた。元気な男の子だった。陽子さんと赤ちゃんはそのまま近くの聖路加病院に運び込まれ、陽子さんは分娩後の処置を受ける。母子ともに無事であった。

以上が出産に至るまでの経緯である。

出生時間は木村君が陽子さんに声をかけた11時10分。出生地は「築地創菜工房goo」の4階、という事で出生届が受理されたのだそうだが、本当に赤ちゃんが産まれるまで自分の妊娠に気づかなかったのだろうか? 現在産休を取っている陽子さんにお会いして、出産に至るまでの経緯を伺う事にした。

 

職場の控え室で一人で出産、という偉業を成し遂げた陽子さんとはどんな人物なのか?


出産前に陽子さんが書いた店内POP


 

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