においで比べたいと思います
タバコを吸えない人間がどうやってタバコの評価をしたらいいのか考えた。投げたときにどれが一番遠くまで飛ぶか、とかも考えたが、あまりに僕っぽいので今回はやめてにおいをかぐことにする。くんくん。
広義に解釈するとこれも一応タバコを吸っていることになるんじゃないか。ただ火がついていないだけだ。長い人生において小さなタバコの先に火がついているか否かなんて大した問題ではないだろう。
言い訳はこのくらいにして以下実際に嗅いでみた結果です。
くんくんくん。
はー。
驚いたのだけど、火を付けないとタバコって意外といいにおいなのだ。僕は普段たばこの煙とか吸殻のにおいとかがちょっと苦手だったのだだけど、直接嗅いだタバコのにおいは甘いハーブを思わせるようないいにおいだった。
ハイトーンの場合
ハイトーンは限定タバコの中でも通常タバコの税率が適用されているため、他の二種に比べ少し高い。パッケージも普通のタバコ寄りだ。
以下、たばこを吸えない人が感じた主観です。
ハイトーンのにおいからはクールでハードなイメージを喚起させられた。目を閉じると長いトンネルの中とか、建設途中のコンクリート建物の中とかにいるような気分になる。写真はイメージだ。
ちなみに吸える友達に一本吸ってもらったところ
「ちょっときついけど味は普通だね。」
と、まるで書くこともないような感想を述べてくれた。
うるまの場合
そもそも「うるま」とはサンゴでできた島、という意味らしい。要するに沖縄のことだ。自らの島の名前を冠したタバコなのだ、おそらくそれらしいにおいがするにちがいない。そんな期待を込めてくんくんしてみた。
これからはタバコは火を付けないで吸うことをお勧めする。これならば一箱買っておけばずっと楽しめるし、体にも害がない。
うるまはどこか懐かしいにおいがした。昔どこかで嗅いだことのあるようなにおいだ、なんだろう。目を閉じて何度もしつこく嗅いでいると、ふと土とか植物とかそういう風景が浮かんできた。そうだ、保育園の頃、遠足で行った芋ほりのにおいだ。うるまは農作業の途中で一服、が似合うタバコだと思った。
念のため吸える友達に一本吸ってもらった。
「辛いね、これ。」
だそうだ。
バイオレットの場合
紫色のパッケージを開けると中からはごく普通のタバコが出てくる。外側が普通で中が紫の紅芋とは逆のやり口だ。
!
嗅いでみるとバイオレットだけ明らかに他と違うにおいがした。
バイオレットはひとつ飛び出した個性を感じさせてくれた。甘いスパイスのような、ポッキーの空き袋のようなにおいがするのだ。石田純一さん風に言うと、草原にふく青く澄んだ風のようなにおい、といった感じか。
これも吸える友達に聞いてみたところ
「これもきついね。甘いけど、すごくきつい。」
と言っていた。やっぱり吸える人の意見には説得力がある。
火をつけると別物でした
沖縄限定タバコは、それぞれに個性と歴史を持ったタバコだったのでした。ぜひお土産にでも買って火をつけずに嗅いでみてください。
それにしても火をつけなければタバコってこんなにいいにおいがするものだったのだ。もしかしたらこれって僕が大人になった証拠なのかもしれない。今ならタバコ、吸えるんじゃないか。
そう思って一本火をつけて深く吸い込んでみた。
ごええほっっ。
やっぱり僕にとってのタバコは火をつけずに楽しむもののようでした。