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はっけんの水曜日
 
口内炎が治らない


僕は重度の口内炎持ちだ。常にある、というわけではないのだけれど、不摂生を重ねるとそのつけがまず口内炎となって現れる。ちなみにその次が胃痛、順調にいくとその後偏頭痛、耳鳴りへと進む。つまり僕にとって口内炎は体調不良の初期段階、体が発する黄色信号の警告メッセージなのだ。実は今も左ほほの内側に巨大な口内炎を隠し持っている。

この前同じ悩みを持つ知人と、豚肉がいいとかいやブロッコリーだとか、楽しく口内炎トークを繰り広げていた時のことだった。なんと共通の知り合いのT氏(彼もまたひどい口内炎持ちだ)が口内炎の切除手術をしたという話になった。二人の顔が一気に曇る。なんでもT氏の口内炎は何ヶ月も治らなかったため、放っておくと別のものになりかねない(癌化したりだとか)と判断されたようだ。僕だって散々悩まされてきているので、口内炎をなめているわけではない。だけどまさか手術にまで追い込まれるとは思わなかった。口の中に鎮座する巨大な口内炎を舌の先で触りながら、僕は恐ろしくてたまらなくなった。

調べてみると口内炎に悩む人々は少なくないようだ。みんないろいろな治療法を試している。医者へ行くのが一番の近道だということは誰しもわかっているはずだ。しかしみな僕同様に病院は怖いので、できることなら医者の世話にならずに自分で治したい。そこで身近なものを使ってあれこれためすことになる。いかにもうさんくさい民間療法が次々と生み出されるわけだ。今回はそんな病院に行かずに実践できる口内炎の治療法を実践してみたいと思う。全国2000万(推定)の口内炎持ちのみなさんの少しでもお力になれたら幸いです。

安藤 昌教



昆布の黒焼きの粉末を患部に塗る

いきなり民間療法の王道ともいえる方法から入る。遠回りせずに治したいので調べた中で一番効きそうなやつから試すのだ。ページ数なんて関係ない。できれば最初のアタックで治してしまって1ページで終わらせたい。

昆布、黒焼き、これだけでもうどんな病気だって治りそうじゃないか。すごく期待して試してみた。


いいだしが出そうです

昆布を適当な大きさに切り、これを弱火にかけて蒸し焼きにする。このときすさまじい煙と匂いが発生するので家の中でやる場合は十分な換気が必要だ。

だいたい30分くらいすると、昆布は炭化してバリバリに崩れるようになる。昆布ははじめから黒いので見た目的にはあまり変わらないが、これで黒焼きの完成なのだ。

すごい煙と匂いが発生します。
30分くらいで完成。
魔女の秘薬みたいです。
黒焼きにした昆布をすりつぶして粉末状にする。過程で何度も粉が舞ってそれを鼻から吸い込んだ。炭化されているのにとても濃厚な昆布の香りがする。水分が飛んだ分成分が凝縮されたのだろうか。これならば効くかもしれない。
いい香りです。

できた粉末はいつまででも嗅いでいたくなるような昆布の良い香りがした。カップラーメンとかに一振りしたらすごくうまみが増しそうだ。口内炎が治ったらやってみよう。

では早速試す。ものの本には様子を見て一日数回塗ると良い、と書いてあった。ひとまず一回目、塗ってみよう。

アッ!

焼き昆布の粉を指で小さくつまみ、直接患部に擦り付けてみる。

アッ!

正直気を失うかと思った。それほど痛い。もうこの世のものとは思えない。ほほを内側からバットで殴られたような衝撃だ。もしかしたらこういうことなんじゃないか、昆布の粉を塗るとそれはもうすごく痛い、だからその痛みが引いたときに、口内炎の痛みなんてたいしたことないように思える、というわけだ。だまされている気がする。こんなの一日何度も塗るくらいなら口内炎なんて治らなくていい、そう思った。


 

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