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フェティッシュの火曜日
 
ミルカツの限界に挑戦


ミルカツ、というカツがある。薄切りの豚肉をミルフィーユのように重ねて揚げて「ミルカツ」。これがうまい。専門店があったり、弁当屋チェーンでもメニューにあるので食べたことある人も多いだろう。

さて、今ミルフィーユという言葉が出てきた。「ミル(mille)」とはフランス語で「1000」、「フィーユ(feuille)」は「葉」という意味である。つまり「1000枚の葉」だ。というわけで、ミルカツは「1000枚のカツ」すなわち1000枚の豚肉という意味を表さなくてはならない。

しかし、例えば某専門店のミルカツは「25枚以上の肉を重ねて・・・」とある。1000枚には程遠い。程遠いのは当たり前のことかもしれないが、もしかしてもっと重ねたら、何か違う地平が見えて来はしないだろうか。というか単に、べらぼうに肉を重ねて揚げてみたい、それだけだ。

乙幡 啓子

豚肉部に敬意を表して

というわけで、まずは薄い肉の用意だ。薄い肉といっても、1000枚を目指そうというのだから、思い切り薄くなければならない。そこで、肉屋さんに聞いてみる。

「あの、薄い肉を重ねてカツを作りたいんですが、この薄切りロース(とショウウィンドウを指差し)より薄く切れます?」
すると肉屋さんいわく「ああ、うちのロースはやわらかいから、これくらいで大丈夫だよ。」

いや、その、1000枚にですね、あの、と聞き返すタイミングを失い、結局肉屋さんの自慢のやわらかい薄切りロースを300g買ってきた。まあ、これを叩くなりして作ってみるしかないな。


くんずほぐれつ、といった感のロース。

欲しかった肉叩きをこの際買ったわけだが、そのほか、実は、失敗したとき用のため、豚ヒレ肉のかたまりも買っておいた。自分でなんとか薄く切って再挑戦しようと思っていたのだ。

というわけで、よく切れる包丁も新調した。どれだけでかいカツになるかわからなかったため、揚げ物用鍋も新調。だんだんおおごとになってきた。


ここまできて失敗したくない。

 

がまの油売りのように

さて、慎重に、できるだけ肉を平たく伸ばしながら重ねていく。このページ、以降はほぼ生肉の映像となりますこと、ご了承ください。


1枚は約2ミリといったところか。
赤身の部分が重なるようにしていく。

5枚重ねた。1cmといったところか。

ちょっと待て。

5枚で1cm?私は「ミルカツ=1000枚カツ」を作るつもりだ、ということは、ごにじゅうの、にひゃくで、かけることの1cmは・・・。

1000枚で、厚さ2メートル。

大変だ、早く押さないと!叩かないと!キャー!


10枚をぎゅうぎゅうに押しても1.5cm。
書かないと今何枚目か忘れてしまう。

買ってきた300gの薄切りロース、枚数で言えば結局24枚だった。計算上、ここから6回等分して重ねていけば1500枚を超えることになる。たった6回だ。なんだかできそうな気もする。

ではここからが正念場である。やあっ!


ガンガン叩く。
半端な部分と脂身を切り落とし、等分する。

ただいま48枚。

ぎゅうぎゅう伸ばす。
等分する。

96枚。

ぎゅうぎゅう・・・(以下略)
等分したところ。手前に倒れている方は、断面が上になっている。

3回、2等分に切って重ねたところで、かなりの厚さになった。計ってみよう。


約12cm。地層みたいだ。
透けるほど薄くなった。

繰り返すが192枚だ。しかし厚さは12cm。もうこれを等分して重ねたら、わけがわかるまい。たぶん、マージャン牌並べた、みたいな形になるに違いない。1000枚にはとうてい満たなかったが、200枚近く重ねられたことに気をよくし、ここで衣を着けて揚げてみることにした。


 

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