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ロマンの木曜日
 
写真を美味しく撮る方法
今回のモデル。ロイヤルホストのミックスグリルさん。1000円。超美味い。もう1回食べたい。


 以前、コネタ道場に「写真を美味しくする方法」というものを投稿した。入選をいただいたし、これはこれで好評だったのだが、このレポートは撮影後の加工方法しか書いてなかったので撮るときに気をつけなければならない事が抜けていた。

それは、手ぶれ。

 手ぶれしてしまった写真はどうしたって美味しそうには見えない。手ぶれは料理写真の天敵だ。今回は、そんな写真の敵である手ぶれ防止について解説します。あらかた自己流です。

(text by 松本 圭司

ハンバーグとソーセージ、そして鶏肉。どれも艶々で大変にセクシーだ。

 

これじゃセクシーもへったくれもない。
お店で大げさな撮影は控えた方が良いと思います。

■まずは手ぶれ発生のメカニズムについて

 メカニズムって書きたかっただけだ。手ぶれは暗いところで写真を撮ろうとすると起こる。シャッタースピードが遅いとそれだけ手ぶれるのだ。大げさな対策としては、

  • 三脚を使う。
  • フラッシュを使う。
  • 手ぶれ補正機能が付いたカメラ(orレンズ)を使う。

などがある。ここでは飲食店での撮影に絞って話を進めていこう。

 普通に食事をしていて三脚だのフラッシュだのを使ってはお店にも周りにも迷惑が掛かるし、食べ物の写真を撮るという行為が市民権を得つつある昨今とて、友達にもいい顔はされないだろう(※)。

だから、今回は三脚無し、フラッシュ無しの手ぶれ対策にこだわろうと思う。

 食べ物撮影は気楽に素早く、撮ったら美味しいうちにさっさと食べる、がモットーだ。撮ってるうちに不味くなってしまうなんて本末転倒だと思っている。

スピーディーに確実に撮るのが一番大事だ。

※余談が、5年くらい前は飲食店でカメラを出しただけで同業者の疑いを掛けられて困った。

 

これでは手ぶれしてもしょうがない。
両手でしっかりカメラを固定します。

■レッスン1 両手でカメラをホールドする

 左上の写真は悪い例だ。いくら昼間とはいえ、室内では手ぶれをしても仕方ないだろう。右手でカメラをガッチリ持っているのはいいが、左手を遊ばせておくのはもったいない。

 改善したのが下の写真だ。右手でカメラを支えている。あまり力を入れてもぶれるので。心持ち脇を緩くして力を抜くといいだろう。

 また、右手のひじにも注目して頂きたい。テーブルに付け、体を更に安定させようとしている。体とテーブルを一体にし、全体の安定を図る訳である。

 シャッターは静かに押すといい。息をゆっくり吐いて、静かに止めた瞬間がブレが少ないように思う。

 ただ、あまりシャッタースピードが長いときに息を止めると苦しいので、そういう時はゆっくり吐きながらシャッターを切ると良いだろう。

 

両腕をテーブルに付ける。
チューリップマークを使いましょう。

■レッスン2 接写時の注意事項

 料理写真を撮るとき、一部をアップで撮りたい時がある。この時も、両手でしっかりとカメラをホールドすることが大事だ。

 この場合は、手首や手のひらの小指側をテーブルに付けて安定を図る事になる。

 テーブルと腕の接点がカメラに近い方が安定するので、レッスン1の写真よりも左の写真の方が安定性は増している。

 こういう撮影をするとき忘れがちなのがマクロモードへの変更だ。カメラには、最小これだけという被写体からの距離が決まっている。その内側で撮ろうとすると、どんなに頑張ってもピントが合わなくなってしまうのだ。

 料理を大写ししたくてカメラを近づけたいのであれば、必ずマクロモードを使うべきだ。そうすれば今時のデジカメの場合、5cm以内にカメラを置いてもピントが合うだろう。

接写の時はチューリップマーク。忘れないようにしたい。

 もし、携帯カメラなどでマクロモードが無い場合は、決められた最小距離以上離して撮影するしかない。小さくしか写っていなくてもピンぼけ写真よりはマシだ。

 また、接写すると食べ物の湯気でレンズが曇ってしまう場合がある。そんなときは、カメラの後ろから息を吹きかけて湯気をカメラの反対側に飛ばしてしまえばいい。

 

柱にもたれかかる。左ひじはテーブルにつける。

■レッスン3 地の利を生かせ

 暗いところで写真を撮るときにも使うんだが、壁や柱に体やカメラを付けて撮ると安定して手ぶれを抑えられる。

 左の写真の様に、体を柱に預けるのはかなり有効だ。左のひじはテーブルに接しているため、柱、テーブル、両手の3つの効果を得て手ぶれをかなり抑える事が出来るだろう。

 そのシチュエーションに合わせて最大の効果を得る方法を考えれば、なにもしないよりも相当に手ぶれしない写真を撮る事が可能である。

 

体全体を三脚化。

■レッスン4 マウストゥカメラ

 頭と手だと、やはり手の方がぶれやすい。慣性の法則から考えても、質量が大きい頭の方が位置エネルギーが大きく動きにくい。という事は、カメラの安定化に頭は使えるのだ。

 光学ファインダーがあるカメラの場合は光学ファインダーを使うのもいいが、最近のコンパクトデジカメには液晶モニターしか無かったりする。

そんな場合は、カメラにキスしてしまうのだ。

 いや、本当に口を付けなくてもいいんだけど、頭も使って安定化を図るのは相当に効果がある。かなり暗いところでもぶれずに撮れるのでおすすめだ。

ただ、この方法はカメラに顔の皮脂が付くのがちょっとイヤだ。

 

体全体を三脚化。
ISO感度を上げると手ぶれしにくくなる。

■レッスン5 カメラの機能を使いこなそう

 よく判らないからとフルオートで写真を撮る人も多いが、カメラの機能を使いこなせばそれだけで手ぶれやピンぼけの防止になる。まずは連写機能だ。

 連写機能は通常スポーツの撮影などに使うのだが、これを手ぶれ防止に使う事が出来る。シャッターを押す瞬間のブレを無くせるのだ。

 連写にしてシャッターを押すと、通常は押している間連続してシャッターが切られる。1枚目はシャッターを押した時のブレが出るが、2枚目以降はそのブレが無くなる。1枚目を捨てて2枚目以降の手ぶれ防止にしようという事だ。これはなかなか効果がある。

 同様の手法として、セルフタイマーをシャッター手ぶれの防止に使える。セルフタイマーに設定してカメラを構えて待てばいいだけだ。シャッター手ぶれは起こりようがない。

 ISO感度を上げるのも有効だ。通常、オートで撮るとISO感度は変更出来ないのでマニュアルモードにして使う事になる。詳しい設定方法は各カメラの説明書を参照して欲しい。

 ISO感度を上げると写真に細かいノイズが出るが、ノイズと手ぶれどっちが写真として問題かと言ったら手ぶれの方が問題だ。ノイズなんてブログ用に小さくしたら見えなくなってしまうが、手ぶれをレタッチソフトで修正するのは大変だ。

 ISO800程度までは問題ないレベルの場合が多いので、暗い場合はISO感度を上げて撮影しよう。オートの場合は800まで上げて撮ってくれないカメラもあるので是非マニュアルモードを使おう。

 また、マニュアルモードの場合、大抵のカメラは露出補正が使える。わざと暗く補正するとシャッタースピードが上がり、手ぶれしにくくなるのでお勧めだ。後でレタッチして明るくすれば問題ない。

 手ぶれ補正機能を欲しがるよりも、まずは今持っているカメラの性能をフルに使ってみたらいいのではないかと思う。限界はもうちょっと先にあるのかもしれない。

 

しっかり両手でホールドする。力みすぎないように。
マウストゥ携帯。考えてみれば割と自然。

■レッスン6 携帯電話のカメラでも基本は同じ

 携帯電話で食べ物写真を撮る場合も基本は同じだ。

  1. 両手でしっかりホールドする。
  2. マクロモードを使う、カメラを近づけ過ぎない。
  3. 柱などを活用する。
  4. 頭を使って安定化させる。
  5. カメラの機能を使いこなす(機能や特性、仕様を知る)。

 一般に、携帯電話のカメラ性能はコンパクトデジカメには及ばない。いくら進歩したと言っても、直径3mmのレンズでは入る光も少ない。カメラはCCDではなくレンズが重要なのだ。

 レンズの性能が劣るという事は、より気をつけて撮らなければならないという事だ。しかし、気をつければ適当にコンパクトデジカメで撮るよりも奇麗に撮れるかも知れない。

 それだって難しい話ではないだろうから、是非手ブレやピンぼけに気をつけて写真を撮って頂きたいと思う。(※)

※でも携帯電話のカメラって変な音が出るので、個人的にはお店でピンコロピンコロ鳴らしまくるのもどうかと思いますが。


この焼き色!!では、まとめでーす。

がんばれば手ぶれは無くせる

 手ぶれは頑張れば無くせます。だって、自分の手がプルプルするからてぶれするんだから。自分の手の震えを無くす事は自分が努力する事で可能なのです。

 料理写真は手ぶれをしただけで美味しそうには見えなくなってしまいます。そしてブログなどに使う場合、写真が手ぶれしているだけでいくら良い事が書いてあっても素人臭くなってしまいます。だからこそ、僕は写真には気をつかっています。

 経験上からの方法論なので、カメラのプロからしたらおかしいと思う部分もあるかもしれませんが、たまには世の中のお役に立とうと思って頑張ってみました。少しでも参考になったら幸いに存じます。

 みんなも手ブレに気をつけて、美味しい写真をたくさん撮ろう!そして、手早く撮ったら美味しいうちに食べましょう。


 

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