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はっけんの水曜日
 
ゲームでおなじみの干し肉を食べたい
大人はなんだって自分でやれる。


 肉はロマンだ。ロマンの木曜は明日だがあえて水曜の今日に書いてしまおう。肉はロマンだ。豚肉部の高瀬さんが撮る豚肉料理の写真にみんなも悶絶しているだろうが僕も悶絶している。

なぜだ。

肉にはロマンがあるからだ。

 肉のロマンといえばハンバーグやウインナーにも多くのロマンが詰まっている。ギャートルズのマンガ肉もロマンだらけだ。そんな数々のロマン肉たち。そして忘れてはならないロマン肉がもう一つばかりあるだろう。

それは、干し肉。

 子供のころ遊んだロールプレイングゲームに「干し肉」 というアイテムがあった。僕はその響きに憧れた。干し肉、なんて甘美な和音。僕はそのころから15年以上の間干し肉を食べたいと思い続けてきたのだ。

丁度良い機会なので今回は干し肉を作って食べたいと思います。

(text by 松本 圭司

角煮を作りたくなったが我慢だ。。

■さぁ、作ろうじゃないか

 干し肉はスーパーでは売ってない。ビーフジャーキーが売ってるだろうって?いや、あれはビーフジャーキーであって干し肉じゃない。

 スーパーに行って「干し肉ください」って言ってビーフジャーキーを渡されるだろうか。多分否だ。否だと思いたい。

 そういう訳なので、今回は自分で干し肉を作る事にした。単にこういう物を作るのが好きなのだ。

 買ってきたのは豚バラの塊と鶏肉のささみ。ガッツリ干し肉を食べたいのでたくさん買ってきた。どうだいいだろう。

 作り方は知らないが、多分干物と同じで塩漬けして干せば良いんだと思う。Google辺りで調べても良いのだが、たまにはITの力に頼らずに自力だけで仕上げたい。

ではザザッと作業風景をご覧ください。

 

■ロード・オブ・ザ・ホシニク

 10月半ばから作り初めて11月の終わりに完成した。完成まで1ヶ月半掛かっているが、長々書いてもしょうがないので一気にご覧いただこう。


よく判らないけど塩とスパイスを塗り込む。

こんなあんばい。本当はもっとちゃんとすり込んだ。

一人暮らしの男にありがちなよく判らないスパイス群。

エロスすら感じるささみも塩とスパイスで陵辱する。

少しくらい鳥わさにすれば良かった。

キッチンペーパーでくるんで冷蔵庫で1ヶ月塩漬ける。1ヶ月という数字に根拠はない。

 そして1ヶ月後の11月中旬。冷蔵庫から肉を取り出してみた。1ヶ月物の生肉の塩漬けだ。キッチンペーパーの色がすっかり変わっている。


すっかり凄い色になってしまった豚バラ。食べられるのか?

特に意味はないが大きい写真にしてみた。スパイスを適当に振ったのが悪いのか、なんだか薬臭い。

特に意味はないが大きい写真にしてみたその2。ささみの塩漬け肉は比較的美味しそう。

 

切ってみると奇麗なさくら色。可愛い。
スライスして水につけた。ナイス塩抜き。

■塩漬け肉をそのまま食べてみた

 とりあえずそのまま食べてみた。

しょっぱい。

 特に豚バラの塩漬けはヤバイ。塩の塊のようだ。しかし、ささみの塩漬けが驚くほど美味かった。

 やや塩が強いが、生ハムのようにねっとりとした肉の食感に加え、水分が抜かれた分凝縮された肉のうま味が強い。これならメロンと一緒に食べられる。

 ささみは美味いのだが豚バラがしょっぱすぎた。最初からインターネットで作り方を調べればこういうこともなく完璧な物が作れるのかも知れないが、最初から結末がわかってるゲームなんてやっても面白くないのだ。

 どうしたもんかと考えるまでもなく、水につけて塩抜きをする事にした。薄く切ってタッパに肉と水を一昼夜。

 翌朝、食べてみたら割と問題ない程度に塩が抜けた。いよいよ干し肉にとっての晴れのステージ、「干し」に入る。

 

■いよいよ干しステージだ


デイリーポータルZ御用達、東急ハンズで購入。800円くらい。

週刊誌に挟んで水分を抜く。キッチンペーパー切らしてまして。

奇麗に並べて乾くのを待つ。

離れて見るとこんな具合。ファスナー開けっ放しで申し訳ない。

そして翌日、「干し」はネクストステージに入る。「燻し」だ。

1日でかなり乾いた干し肉のたまご達。ういヤツらじゃ。

より美味しくするために薫製にする事にした。東急ハンズで買ったサクラとヒッコリーのチップ。

干し網を軽く覆い、下段にチップを置き煙を起こす。

 干し網を週刊誌のページをやぶいて緩く覆った。そして火を着けたチップを最下段に置く。ガッチリした容器で薫製にすると煙とチップの熱で肉に火が通ってしまう。それはちょっと都合が悪いので、わざと隙間を作って簡易的に冷薫状態にした。風が無い日ならこれで十分いぶす事が出来る。

 その代わり、半日ずっと横で監視していた。燃えやすい物だらけの状況で薫製を作るのは大変に危険なので真似はしない方が良いと思う。というか真似しないように。

肉に良い香りが付いたらあとはただ干して待つだけだ。

そして2週間後。

 

豚バラの脂肪は美しい。薫製の香りも食欲をそそるのだ。

ひ弱だったささみもすっかりたくましくなった。

■そして干し肉は完成した

 いぶしてから2週間ほど、あとはただただ乾くのを待っていた。会社から帰ってくるとまず干し肉の様子を見る。天気予報も欠かさずチェックし、雨が降りそうなら家の中に取り込む、そんな日々だ。

 見るたびに色が変わり、美味しそうになっていく干し肉の成長には思わず目を細めた。1日ごとに変わるその色、つや、香りに一喜一憂した。

 思わぬ雨で濡れてしまった時は深く絶望し、天気予報を呪った。

「曇りって言ったじゃないかよぉぉぉ!!」

と。

 そんな干し肉と僕の生活は2週間続き、そしてついに念願の、15年間食べたいと思い続けてきた干し肉が完成したのだ。


 

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