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ロマンの木曜日
 
差し入れ屋さん見学
拘置所への差し入れ品専門店(差し入れ屋)を見学


「差し入れ屋」というものをご存知だろうか?差し入れ屋とは、拘置所の前にある差し入れ専門の雑貨店のこと

先日、郷田マモラさんの「モリのアサガオ」という漫画を読んでいたら、この「差し入れ屋」のシーンが出て来て俄然行ってみたくなった。そこで今回実際に差し入れ屋にいき…

○どんな品物が売られているのか?
○差し入れできないものは何か?
○値段は普通の店と違うのか?

この3点について調べてみることにしました。

(text by 岸川 祥子



というわけでやってきたのは北千住から東武伊勢崎線で一駅のところにある小菅。ここにはあのホリエモンでおなじみの東京拘置所が。

人影もまばらな昼下がりの小菅駅
駅のホームからでもすぐにわかる東京拘置所

周りに大きな建物がないせいか、遠くからでも一目でわかる東京拘置所。とりあえずここを目指して歩いてみることに。

フォントの微妙なズレが恐怖心をあおる拘置所の看板
全く中が見えない入り口の作り

川沿いののどかな公園を歩き、3分もしないうちに拘置所に到着。周りの住宅街の穏やかな雰囲気とは裏腹に、ここだけ妙に重々しい雰囲気。ところで肝心の差し入れ屋は…

面会・差し入れ用の入り口があるらしい
建物の周りを取り囲む高いレンガの塀

どうやら差し入れ屋は別の入り口の方にあるようです。レンガの塀のまわりを回ってぐるっと脇の方へ。拘置所というとコンクリート高い塀のイメージがあったのですが、実際はレンガ。中は全く見えません。さらに塀の上には有刺鉄線。

ちなみに写真にちらっと写っている黒いコートの女性。駅からここまでずーっと電話でケンカしてました。他にも外人さんの団体や足にギプスをはめた女性、見るからに弁護士らしい外見の男性など、いろんなタイプの人たちが。


こちらが東京拘置所の面会口。車でも入れるみたいです。

そうこうしているうちに面会口に到着。門をくぐり、中の受付くらいまで入れそうな雰囲気でしたが、今日の目的は拘置所ではなくあくまでもこちら↓

こちらの差し入れ屋さんはご夫婦らしき男女(あと猫)
こちらの差し入れ屋さんは年配の男性

ありました!差し入れ屋さん!コンビニくらいの大きさのものを予想していたのですが、実際は学校前の文房具屋さんのようなこじんまりしたお店。では、その中は一体どうなっているのか?ちなみに今回写真があまり撮れなかったため、テキスト中心になってます。すみません。

 

雑誌は女性の裸の写真載ってそうなものばかり
果物から魚缶までかなりの数の缶詰が

疑問1:どんな商品が売られているのか?

まず差し入れ屋さんの主な品揃えをチェック。

一番印象的だったのは雑誌。なぜか女性の裸の写真が載ってる週刊誌ばかり売られてました。女性が普通に読めそうなのは「週刊新潮」と「週刊文春」ぐらい。

かなり偏った品揃えですが、どちらの店も同じようなものしか置いてなかったので、恐らくこれが売れ筋なんだと思います。ちなみに新聞はスポーツ紙だけでした。(日刊紙は所内で自分で購入できるみたいです)

続いて目についたのは、おびただしい数の缶詰。病院などではよく果物が差し入れに使われますが、どうやら拘置所は生ものの差し入れが出来ないらしく、果物もすべて缶詰。

あと、缶詰と並んで充実していたのがお菓子。アメやガム、煎餅などお菓子屋さんかと思うほどの充実した品揃え。ただしこちらもシュークリームや菓子パンなどの生ものはおいてませんでした。

さらにもう1つ目立ったのが毛布などの寝具や防寒用の肌着。これを見る限り、中はかなり寒いものの、寝具や衣類を使った温度調整は自由であることがわかります。

あとは、売られているタオルの色がどれもやたら派手だったことや、他に調味料類がほとんどないのに練乳だけ売られていたこと、店先で印鑑が売られていたことなどが印象に残りました。でも印鑑はもしかしたら差し入れ用じゃなく手続きかもしれません。

 

暖かい缶コーヒーは差し入れ不可
お弁当は手渡しでの差し入れは出来ないそう

疑問2:差し入れ出来ないものは何か?

続いて拘置所内に差し入れ出来ないものは何かを見てみます。

まずは温かい飲み物。店の中をぐるぐる見渡していたところ、寒い拘置所への差し入れにぴったりな温かいコーヒーを発見。試しに買ってみようと手を伸ばしたところ、お店の人に「これ、差し入れ出来ないけどいい?」と言われました。どうやらお店の中には差し入れ出来ないものもいくつか売られているみたいです。

他にもお店においてあるものの中でライターは差し入れ出来ないとのこと。しかしタバコもおいてないのになぜライターだけあったのか若干の謎が。面会者用でしょうか。

あと、以前どこかで長いひも尖った物は差し入れできないと聞いたことがあったんですが、確かに服類にはひもがついておらず、缶切り、箸、フォーク、はさみ、筆記用具なども売られていませんでした。

缶詰や便せんが売られているのに缶切りや筆記用具がないのは不思議な感じがしますが、中で買ったり借りたりできるのかもしれません。

また、表の立て看板に書かれていた弁当や牛乳はどうやら店で買って自分で差し入れるのではなく、申し込みをするとお店の人が中に差し入れしてくれるシステムみたいです。店頭には弁当も牛乳もありませんでした。

 

レジがなく、レシートが出なかったので領収書をもらいました

疑問3:値段は普通の店と違うのか?

次は商品の価格について。以前、「差し入れ屋さんで物を買うと普通のお店より高い」という話を聞いたことがあったので、試しに缶コーヒーとタオルを購入してみることにしました。

缶コーヒー1本とタオル1枚で540円。至って普通の価格です。

また、もう一つのお店でスウィーティーのガムを買ってみたところ、こちらもスーパーで売られてるのと同じ100円でした。どうやら普通のお店よりも値段が高いなんてことはないみたいです。

また普通のお店のようにちゃんと領収書も書いてもらえます。ただし宛名は聞かれなかったように思います。


差し入れ屋さんで買った缶コーヒー(ホット)

ちなみに全くの余談ですが、差し入れ屋さんを出て近くの公園で缶コーヒーを飲んでいると、「今、(拘置所を)出ました!」と大声で電話で話している人(先ほど差し入れ屋で紙袋を買って荷物を入れていた)に会いました。

電話後、時間を聞かれたんですが、よく考えたら携帯に時計ついてるよな…と。もしかして久しぶりに外に出て誰かと話をしたかったのかもしれません。確かにこの日の公園は紅葉がきれいで、犬が散歩してて、とてものどかでした。

こんな風に棚にびっしり物が売られている

独自の品揃えを誇る差し入れ屋さん

差し入れ屋さんに売られていたものは主に次のとおり(まとめ)

雑誌 (いわゆるオトナ系の雑誌が中心)
缶詰 (果物から主食系まで種類も豊富)
お菓子 (実家で出て来そうなものが多い)
寝具・肌着 (防寒用が中心)

一見すると普通の雑貨屋さんなんですが、雑貨屋によくある菓子パンやアイス、洗剤、調味料、総菜などがが無く、かなり独自の品揃え。

日常の形をした非日常という感じで、ちょっと不思議な空間でした。


 

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