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ひらめきの月曜日
 
結局、芋は何で焼けばいいのか

焼き芋。あのほくほくねっとり甘いシンプルおやつが恋しくなって、お、今年も冬が来たんだなあと思う。

寒気強まるこのごろ、例年通り焼き芋メーターの針が“食べたい”サイドに触れ触れになっていたのだが、我が家の近所で気軽に焼き芋を買える店がない。

もんどりをうちながら何とか自宅で手軽に作る方法はないものかと調べると、出るわ出るわ、焼き方の様々なノウハウが芋ほり遠足かというぐらに!

が、この焼き方指南が聞く人や見るサイト、読む本によってだいぶ違うのだ。ある人はオーブンが一番といい、ある人は魚焼きグリルが、ある人は土鍋、はたまたトースターでもできるという。フライパンを使うのがいいという情報も見つかった。

もう、台所にある器具を使えばなんでも焼き芋が焼けるんじゃないかという状態。

いったい私は何で芋を焼けばいいというのだろう。頭をかかえながら、こうなったら仕方ない、台所の総力を結集して芋を焼きまくりました。

おいしい芋は何を使えば焼けるのか?!

(text by 古賀 及子



情熱が芋を焼く

芋を焼く。このごくごくシンプルな料理(?)に大量の種類のやり方が見つかるとは。他の素材ではこんなことないんじゃないか。

私と同じように、自宅で焼き芋屋さんのような芋を! と願う方の多さがうかがえ、その方々それぞれの自分なりの工夫がまぶしい。

今回はそんな先人の知恵たちを戦わせようという試みだ。


うちの近所は焼き芋が売っていないばかりか、生の芋自体も高い

シンプルな方法を絞り込む

やや割高におびえなつつ、芋(品種不明・千葉産)を買ってきた。小ぶりのものを6本。

これを1本づつ、別の調理器具を使って焼いていきたいと思う。大量に湧き出てきた焼き芋レシピの中で、今回は

・ひとつの器具のみを用いる
・家にあるものでできる

というところをポイントにしぼってみた。たとえば、やかんのなかに石を敷き詰めて焼くという有名な方法があるが、自宅に石がないのでこの方法は見送り、またレンジ後トースターにかけるといった小わざもなしで。

そのほか今回は美味しく焼く秘訣の一つである

・丸のまま焼く

というのをルールとした。そうして選ばれたのがこちらの6方法である。では、私んちの台所器具たちを台所の雑多感とともに紹介しよう!


エントリーナンバー1:電子レンジ エントリーナンバー2:オーブンレンジ エントリーナンバー3:トースター
「絶対に芋をレンジで焼くな」という意見もあるなか、焼き時間の短さでなんとか上手に焼こうという奮闘レシピがいくつか見つかった。
台所位置:冷蔵庫の上
レンジと一体型のもの。一体型でないオーブンがベストという声は多いが、我が家にはない。
台所位置:冷蔵庫の上

トーストを焼いたり、薄くスライスした芋を焼いたことはあるが、丸のままでも時間をかければ焼けるらしい。
台所位置:オーブンレンジの上(この置き方は真似しないでください)

エントリーナンバー4:炊飯器 エントリーナンバー5:土鍋(空焚きOKのもの) エントリーナンバー6:魚焼き網
炊飯器クッキング、というのが流行って久しいが、その波は焼き芋界にはで及んでいた。なお、炊飯器の機種によっては米を炊く以外のことをすると壊れる場合があるらしい。私の家のは大丈夫な機種であった。
台所位置:シンク脇のラックの上
コンロを使い、やかんやフライパンで空焚きで焼くというレシピは多くあった。そんななかで今回は土鍋を採用。理由はなんとなく雰囲気があるから。
台所位置:ガスコンロ
魚焼き網も炊飯器同様、その活用法を増やしつつある(家庭でピザを焼くのに最も向いているらしい)台所界期待の器具である。意外にも魚くさくなることはないそうだ。
台所位置:ガスコンロ下

一斉に焼くぞ!

様相は台所の運動会といった具合になってきた。何を興奮したのか自分ひとりの台所で本当にちょっと躍った。なんだか楽しいぞ!

「運動会」の感じを出すため、焼き作業は可能な限りいちどきに行うことにした。

一体型のため電子レンジとオーブンのみ同時に焼くのが無理だ。仕方ないので短時間でできる電子レンジで一足先に焼いて(蒸かして)いくとしよう。

1・軽くぬらして、ラップでくるんでから庫内へ
2・ レンジ機能についている最強ワットで5分
3・ 最低ワットで芋に串がすっと通るまで(今回は5分)加熱

ワット数を変えられるという豪華なレンジ機能がないと難しい。お父さん、ありがとう(我が家のレンジは父が単身赴任時に使っていたものなんです。最強は900W、最弱は200Wを使用)。

あ、できましたよ。早いな!


エントリーナンバー1:電子レンジ 焼き時間 10分

芋のようす

中がぱさぱさになってしまった。写真右のように皮の近くはねっとりしていて見た目に美しいし、味もそこそこいける。
  皮の下はおいしいが、内部は水分がぬけきってしまって味が落ちた。バターを乗せるといいかもしれない。
総評 電子レンジは内部から加熱が始まるため、外からじっくり焼くべき焼き芋には合わないらしい。10分でここまでできれば上できではないか。
 

本番はここからだぜ

やはりというかなんというか、味的にはちょっと納得のいかないものだった。

ではいよいよ残りの調理法を試していきたい。5つの調理器具を動員、電気とガスをごりごりに贅沢につかって、何って私は芋を焼こうというのだ。すばらしき人生よ。

では一斉に焼いてきたいと思う。器具によっては途中ひっくり返すなどの作業が必要だ。つきっきりで焼いていく。

こんな具合だ。



10分後とに各器具をまわって世話をするのだ。どこを覗いても、芋が入っている。オーブンと炊飯器は手を加える必要がないので眺めるだけだが、それもまた楽しい。

が、13分ほどが経過した、そのとき。



ブレーカーが落ちた。

オーブン+トースター+炊飯器という、なんだ、パーティーでも始まるのかという異常事態に家が悲鳴を上げたのだった。

芋を焼いてブレーカーが落ちる。なにかのたとえ話のようですね。[無駄な行為のせいで機能不全になっている状態]を指す。例文「あの部署はAさんが芋を焼いてブレーカー落としてるよなあ」。

なにはともあれ、すべての芋が焼けました

仕方なく、電化製品3つの同時使用はあきらめ、トースター調理は後回しにした。

2時間後、すべての芋が焼けた。では、そのやけ具合を見て行きましょう。


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