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ロマンの木曜日
 
 1枚1万円の年賀状をつくる

岩群青の年賀状作り

まずは薄いベニア板をはがき大にカットした。薄いベニアなのでカッターで切れる。


ベニアをはがき大にカット

この時、はがきよりもひと回り大きめに切るよう、絵具屋三吉の店長から言われていた。ジャストサイズだと縁を塗るのが難しいため、少し大きめに塗っておいて最後にはがきサイズでカットすればいいのだ。

はがきの用意が出来たので、さっそく岩群青の年賀状を作る。
以下、行程を追って作り方を説明します。1万円の年賀状を作る方はご参照下さい。

1.下地を塗る。
まずは下地として、アクアガードというシーラー剤をベニアの上に塗る。


耐水サイズ剤「アクアガード」 ベニアの上に塗る

2.面胡粉を塗る。
更に面胡粉という純白色の下地を3度塗りする。

面胡粉は、アートグルーという絵具屋三吉さんオリジナルのバインダー(接着剤)でペースト状に練り、水で薄めたものを使用する。


面胡粉とアートグルーをまぜる 水で薄めてアクアガードの上に塗る
3度塗りするとほぼ真っ白に 乾くまで小一時間待つ

3.岩群青の出番。
面胡粉が完全に乾いたら、いよいよ岩群青の出番である。

絵皿の上に岩群青を出す。粒子の細かさはちょうどトリュフチョコレートの表面についてる粉くらいであろうか。かなり繊細である。匂いを嗅いでみたが無臭だった。

粉状の岩群青とアートグルーを指で練り、水で薄める。


岩群青1万円分 指で練る

これで1万円分なのだ。ちょっとでもこぼしたりしたらもったいない。緊張して岩群青を練る指に余計な力が入ってしまう。

指先についた絵具も無駄にならないよう、絵皿の縁できれいに削ぎ落とす。

 

4.何度も塗る。
岩群青の準備が出来たら、後は塗るだけだ。いっぺんに全部塗る事は出来ないので、何度かに分けて塗っていく。


薄く何度も塗る 5度塗り後

一度塗っては乾くのを待ち、もう一度塗る。それを5度繰り返したら上の写真のようにテカテカと光るようになった。

5度塗ってもまだ半分くらい岩群青が残っている。思ったよりも沢山塗れるようだ。
また乾くのを待って、更に塗っていく。


ああ、もったいない 10度塗りして乾いた状態

結局、すべての岩群青を使い切るのに6時間かけて10度塗った。3mm程度の厚みでベニアの上に岩群青が乗っかった。


3mmの厚みで

仕上げとして、ベニアを年賀状サイズに切断した。


表にはイノシシ年用の年賀状を貼った

裏には1万円分の岩群青

若干ムラがあったり端っこが欠けていたりはしているが、正真正銘、これが岩群青1万円分である。

 

さて、この年賀状、誰に出そう。

 

 

皆さまも、特別な相手への年賀状としてこの岩群青を送ってみてはいかがでしょうか?

ベニアを年賀状にしたので50円では届かなくなってしまった訳ですが、そこは1枚1万円もかけた年賀状です。それくらいの待遇を受けてもいいのではないかと思います。

天然岩絵具を選ぶ女豹

絵具屋三吉:https://www.sankichi.com/


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