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ちしきの金曜日
 
栗のお菓子にだまされ続ける
栗まんじゅうに気をつけろ


 ある食べ物が「○○入り」を謳っていると、その価値が上がる場合がある。「カニ入り!」などがよい例だろうか。

 他にもいくつかあるだろうが、個人的についグッと来てしまうのが栗だ。ただのまんじゅうにはあまり興味がなくても、栗まんじゅうと聞くと「おっ、栗まんじゅうか」となる。

 そういう栗の魅力を知ってか、世の中には栗を訴えた商品が多く出回っている。「栗」を冠されたことで急に光を放ちはじめるお菓子たち。

 だがしかし、本当にそれを信じていいのだろうか。

 発端はおみやげでもらった栗せんべいだった。栗に翻弄される男の姿をご覧ください。

小野法師丸



●こんなにクリクリしてるのに

  イガイガに包まれたかわいらしい形の木の実、栗。たたずまいの面でも純粋に味のよさでも、多くの人の心の中で価値ある木の実として位置づいていると思う。

 そんな愛らしい栗に疑念が湧いたきっかけは、知人から温泉旅行のおみやげとしてもらったお菓子だった。


やった、栗せんだ!
形も名に恥じない栗せん

 「栗せん」である。栗のおせんべいを略して栗せん。そうした略称がそのまま商品名になっているところにも、いかに栗が愛されているかが表れている気がする。

 パッケージにも栗がいくつも描かれていて、栗への思いを高ぶらせる演出が憎い。さらにはせんべい自体の形も栗だ。

 疑念は、ひとくちかじって起きたのだ。


栗の気配が感じられない

 食べてみても栗の味が感じられないのだ。再び口にしてよく味わってみるのだが、やはりわからない。

 いや、栗は決して強い風味がある食べ物ではない。そこがまた栗の愛すべき奥ゆかしさでもある。「栗が入ってるに違いない、こんなに栗で押してきてるんだし」と、自分に言い聞かせて食べていたのだが、箱を裏返して驚いた。


原材料名に「栗」の文字がない

 おかしい。原材料に栗がない。

 「栗せん」とは、栗を模したせんべいだったのだ。そうか、確かにそれはそうかもしれない。勝手に高ぶっていた自分が悪かったのだ。

 そうは言ってもぬぐえないがっかり感。栗を期待していた分、落ち込みも大きい。

 栗なき栗菓子。そんな矛盾を抱えたお菓子との出会いが、栗を求める私の気持ちに火をつけた。


 

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