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ひらめきの月曜日
 
葛で風邪を撃退する

 

これっぱかし(100g)で575円もする

なぜ運動もしてないのに筋肉痛なのだろう。そして異常にダルイ。最近仕事が忙しくて生活も不規則だから、きっと疲れているんだろうな。

…と思っていたある日、朝起きたら扁桃腺が見事に腫れておりました。「ああそうか、風邪だったか」と体調不良の原因が分かってホッとするやらガッカリするやら。

というわけで、現在進行形で風邪を引いてます。病院でもらった薬を飲んで少しはラクになりましたが、どうにもツライ。動けない。

というわけで、他に用意していた企画があったのですが、急遽予定を変更して今回は「葛」に着目してみたいと思います。さあ、治そう。

高瀬 克子



なぜ葛か

卵酒でもいいじゃないか、と思うかもしれないが、なんせ葛の効能がこうだ。
体を温める発汗解熱作用、鎮痙作用などがある。寒気のするタイプの風邪に。

おおお、いままさに、その効果が欲しいのですよ。寒気がバンバンするのですよ。発熱しておるのですよ。

重装備で外に出て、葛を買ってきた。最初から「葛湯」として売られているものでなく、ただの「葛」を買ったのは生まれて初めてである。

いつも「いいなぁ葛。でも高くて買えないから片栗粉で我慢だ」と自らに言い聞かせ、指をくわえて見るだけだった葛が、いや葛サマが、ついに我が家に。


やばいクスリじゃないかとさえ思えるネーミング

「白い金」とは、ずいぶんと強気に出たものだ。

「片栗粉ごときと一緒にするんじゃねーぜ」とでも言いたげな高級感あふれるパッケージに「ワタクシごときが買ってすみません」と、ワケもなく低姿勢になってしまう。

しかし、こちとら風邪の身なのだ。2000円のユンケルを買うことを思えば、575円なんて可愛いものだろう。薬と思うなら、出せない額じゃない。さあ、葛湯を飲もう。


葛を水で溶いて火にかけます
…固まりやがりました

違う違う。私は葛切りを作っているんじゃない。葛湯を作ろうとしているのに、なんで固まるか。水の量が少なすぎたか。

せっかくの葛だというのに、失敗の匂いがプンプンする。

いかん。相手は高級品だぞ。風邪でボンヤリした頭に「バカもん! 575円を無駄にする気か!」と喝を入れ、フンドシを締め直す。(あくまで心の、です)


なんとか液状に戻したら、好きなだけハチミツを垂らし、
これも身体を温める作用のあるショウガを投入

ハチミツを「これでもか」というほどに入れた。そして、味見をしながら慎重にショウガを入れる。

…うむ。こんなもんだろう。


葛湯、完成

そういえば子どもの頃、親に飲まされる葛湯が嫌いだったことを思い出した。ショウガの効き過ぎた、甘みの少ない、ただドロリとしただけの飲み物。どうせ同じドロリなら「甘酒を飲ませろ!」と思ったものだった。

しかしこれは、自分好みの味に調整済みの、しかも高級な葛湯だ。

飲め。飲むのだ。


…ん?
おお?
おおおおおおお。

葛湯、恐るるに足らず。っていうか、うまい。

大人になって味覚が変わったのか、はたまた小さい頃に飲んだ葛湯が粗悪品だったのか、印象が昔とずいぶん違う。

ほの甘くて温かくてショウガの味が控えめで、うん、これはいい。葛、さすがです。

 

なんでも葛湯にしてしまえ

葛自体が風邪に良いのだとすれば、なにもオーソドックスな葛湯にこだわる必要はないだろう。私は熱のある風邪の時、必ずといっていいほどオレンジジュースを常備しておくが、そこに葛を混ぜてもイケルんじゃないか?


オレンジジュースを飲み切ったので、これしかなかった

マンション内にある自販機には、なぜかミックスジュースしか売っていなかったので、これで我慢するとしよう。


鍋に入れて温めたら
ジュースで溶いた葛を混ぜます

お、これもウマイ

これは親御さん、ちょっといいですよ。もしも風邪をひいた子どもに葛湯を飲ませようとして「飲みたくなーい」なんて言われたとしても、このように固まりぞこないのゼリー状にして食べさせたら、きっと大丈夫です。

葛、使えるなぁ。高いだけあるなぁ。

 

腹が減ってきた

さすがの私も、ここ2日ばかりは食欲がなかった。ドロリとした葛を飲んで満足するほどに衰弱していたのだが、やっと「なんか食べたい」という気分になってきた。回復してきたということだろう。

そそくさと、冷凍庫に保存してあったうどんの塊を鍋に放り込む。


ネギをたっぷり入れたうどんを作ったら
当たり前のように、葛を入れます

なんといいますか、あんかけうどん、ですね。

栄養を付けようと卵も入れた。熱い。汁がいつまでも熱々のままで、ものすごく身体が温まる。ああ、おいしい。


汁は飲むのではなく、すくって食べます

食べ物がおいしく感じられるってことは、ゴールは近いんだろう。きっと、あともう少しの辛抱だ。がんばれ、私の身体。忘年会ラッシュはこれからだぞ。それまでに、死んでも治せ。仕事も山積みだ。


京都へ行くたびに買い求める、激辛一味。
たっぷり振りかけます

さらに汗を絞り出そうと一味をかけた。途端に汗が噴き出す。熱い、辛い、うまい、熱い、辛い、うまい。

内臓という内臓が、ボウッ!とエンジンがかかったように「オレたち、もう働けるぜ! 大丈夫だぜ!」と言っているかのようだ。ありがとう。心強い相棒たち。

あまりに熱くて、着ていたカーディガンを脱いだ。

無理は禁物

5分後、クシャミが出たので再びカーディガンを着た。

食欲は出てきたものの、まだダルいしノドの痛みも残っている。でも峠は越えた。熱もほぼ平熱だ。あとは無理をせずに、薬と葛を飲もう。で、今日のところはもう寝よう。

そして葛はなるべく残しておいて、次の風邪に備えようと思う。いや、まずは風邪を引かないことが目標ですね。

明日は会社に行けるだろうか

 

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