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ロマンの木曜日
 
常にカメラ目線

今年の6月に「ステーキの食べ歩き」という企画をレポートした。友人の高畑シェフに協力してもらい、ステーキを食べながら川沿いを歩いた。撮影が終わり事務所に帰って写真を見返したら、高畑シェフのカメラ目線が目立つ。

カメラ目線の高畑シェフ

なるべく自然に「ステーキの食べ歩き」の様子を伝えたかったのに、高畑シェフのカメラ目線によって一気に不自然な写真になってしまう。まあ、ステーキを食べながら歩く時点で自然も不自然もないって話ですが……、その時、カメラ目線のパワーを思い知ったのだ。自然な写真を撮りたいと思ったら、カメラ目線は邪魔になる。

それを逆手に取ってみたらどうだろう。
常にカメラ目線で過ごしたら、不自然な1日になるんじゃないだろうか。


(text by 住 正徳



カメラと行動を共にする

朝起きて顔を洗って歯を磨いて洋服に着替えて家を出る。家から事務所まで電車を2回乗り換えて1時間。毎日この動作を無意識にこなしている。反射神経のみで出勤しているのだ。気付いたら電車に乗っていて、気付いたら事務所に着いている。

そんなおざなりな日々にカメラ目線を持ち込んでみる。

※以下、カメラ目線の写真が続きます。ご了承下さい。


あ、どうも

電車に揺られて出勤だ。事務所に着くまでの1時間をいかにして過ごすか。それによってその日の仕事のはかどり方が違う。

つり革につかまって、携帯電話で仕事のメールをチェックする。


おはようございます

渋谷駅で2回目の乗り換えだ。
電車が来るまでの時間を利用して、返信出来るメールは携帯電話から返信しておく。


さあ、仕事だ

事務所に着いた。

この日は、午前中にプレゼンテーションが入っていた。
夕べ作っておいた書類に目を通しミスがないか確認する。大事なプレゼンなのだ。失敗は許されない。


大事なプレゼン

得意先にて、先月のタイアップ広告の効果を説明する。前回のようなアプローチで本当に良かったのか、クライアントと真剣に話し合うのだ。

……。

と、ここまでいかにも仕事を頑張ってる風に書いてみたが、カメラ目線の写真が説得力をなくしているのが分かる。こいつ、絶対仕事に集中していない。小学校の頃、通知表の連絡欄によく「落ち着きがない」と書かれていた事を思い出した。

 

しかし、カメラ目線で過ごす1日はまだ始まったばかりである。
とりあえずお腹が空いたのでお昼ご飯を食べなくては。


牛丼たべる

午前中のプレゼンをがんばったのでお腹が空いた。ここはがっつりと牛丼でもかきこもう。並盛りに卵とみそ汁をつけて。


ああ、うまい

子供の頃、ご飯中にテレビを見るなと教えられた。行儀が悪いし、せっかくのご飯が栄養にならない、と。

そういった意味では、カメラを気にしながら牛丼を食べる事も十分NGだろう。牛丼に失礼である。




 

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