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ちしきの金曜日
 
2006年のウナギ釣りを振り返る
東京ウナギ釣り日記。


4月中旬に桜の散った河原で中型2匹を釣り上げて開幕し、高レベルなキャッチ率を保ったまま10月に閉幕した、2006年のウナギ釣り。

「東京でウナギなんて釣れるんですか!」とよく聞かれるのだが、どの川にもウナギは結構いるのだ。

年も改まったこのタイミングで、2006年のウナギ釣りを振り返りながら、2007年の抱負、および課題点を見いだしたいと思う。

(text by 玉置 豊



ウナギ釣りについて

まず最初に、ここでいうウナギ釣りがどんな釣りなのかを説明しよう。

季節は春から秋、時間帯は夕方から夜9時くらいまで、場所は河口から10キロ以内の河原。私は東京都内の自転車で通える範囲の川で釣っている。

釣り方は、河原にリール竿を持って行き、針にミミズをつけた仕掛けを川に投げ込み、竿先に付けた鈴がなったら巻き上げるという、至極簡単な釣りである。

 

この鈴がなると嬉しい。
今年一匹目のウナギだ。

4月15日 開幕戦

2006年の開幕戦は、4月15日とした。確実にウナギを釣り上げるためには、4月末まで待ってから挑みたいところなのだが、もう待ちきれない。

昨年ウナギ釣り場で知り合ったS君と、通い慣れたホームポイントへと向かったのだが、さすがにまだ時期が早かったかアタリがまったくなかった。

日がとっぷりと暮れ、川風の冷たい感じに口数も少なくなってきた頃、ようやく50センチオーバーの食べ頃サイズのウナギが釣れた。

この一匹を口火に、どうやら時合いが来たらしく、私と友人の鈴が連続して鳴り、一匹づつを追加した。さらに帰り間際、友人の竿が大きくしなったが、上がってきたのはアカエイだった。

本日の私の釣果はウナギ2匹。一日やって一匹釣れれば御の字のウナギ釣りで、開幕戦から2匹だ。今年はかなり期待が持てるようだ。

ここに、東京におけるウナギ釣りが開幕したことを勝手に宣言する。

捕獲:2匹
ストック:2匹
アカエイ、毒針に注意。 食べ頃サイズが2匹釣れた。

 

簡単に釣られてしまったウナギ。
さらに追加されるウナギ。

4月23日 友人夫婦の登場

以前からメールでのやりとりをしており、「ウナギを釣ってみたい」といっていた夫婦が、ウナギ釣り開幕の知らせを受けて河原にやってきた。

このご夫婦とは実際に会ったことがなかったので、初対面がウナギ釣りという、あまり聞かないシチュエーションとなった。

初対面で釣れない釣りっていうのもなかなか息苦しいものになりがちだが、そんな心配は不要とばかりに、明るいうちからあっさりと一匹釣り上げられた。しかも私が先週釣ったのより明らかにデカい。

その後すぐに一匹追加され、ウナギ釣りの先輩としての立場がなくなってきた。そんなときは一発大物狙いということで、餌をミミズからテナガエビに切り替えてみる。

そして数分後、鈴が今年一番激しく鳴った。ドッシリとした手応えを感じさせて上がってきたのは、よく太った大型ウナギだ。

結局、私の釣果はこの一匹だけだったのだが、友人夫婦は帰り際にも一匹追加して、合計3匹釣って意気揚々と帰っていった。

捕獲:1匹
ストック:3匹
なぜかフジツボがついたテナガエビ。 私にもようやく一匹。衣がついてしまった。

 

ウナギ裂きと目打ち。普通の包丁でも大丈夫。
蒲焼き用のタレをたっぷりとつける。

4月30日 白焼きと蒲焼き

釣ったウナギは、生きたまま持って帰り、プラスチックの衣装ケースにエアーポンプを繋いだ容器にストックし、しばらく泥を吐かせてから調理している。

今日は午後暇だったので、開幕戦で釣った2匹のウナギを捌いて食べることにした。ウナギ料理は結構な時間と気合いが必要なのだ。
※ウナギの生血には毒が含まれているので、もし捌く場合は血が目などに入らないよう気をつけてください。

まず一匹目は、ウナギ本来の味を味わうべく、白焼きでいただいた。さすがに都会のウナギだけあって若干の油臭さがあるが、山葵をつければ気にならない程度だ。養殖の鰻にはない筋肉質な身の弾力が楽しい。

もう一匹は、やはり蒲焼きにした。今日つくったタレは、よく焼いた鰻の頭や骨とタレを一緒に煮詰めたのだが、コクがなくまだまだ若い。今後継ぎ足し継ぎ足し使って、老舗鰻屋のようなタレに育てていきたい。

調理:2匹
ストック:1匹
白焼き。串が焦げた。 蒲焼き。タレがまだ若い。

 

ノビルが生えていたので収穫。

4月30日 ノビルとウナギ

昼間に食べてしまった分のウナギを補充すべく、夕方ウナギ釣りへ。

竿を並べ終えて、河原をふらふらしていたら、ノビルが自生していたので収穫した。その場で薄皮を剥いて囓ってみたらシャキッと辛かった。

ウナギの釣果は自己最多の5匹。一匹は小さかったのでリリースした。

捕獲:5匹
ストック:5匹
これはちょっと細いのでリリース。 現在5匹ストック中。

 

食べるにはちょっと小さいのでリリース。

5月5日 ウナギ釣りとテナガエビ釣り

知人がウナギを釣りたいというので案内した。

そろそろテナガエビ釣りのシーズンなので、ウナギ釣りの合間にエビ釣りをする。まだ少し型は小さいが、ハゼと混ざってボチボチ釣れた。

ウナギの釣果は、残念ながらリリースサイズが一匹のみ。

初めてウナギ釣りをやって姿が見られただけ良しとしてもらい、今日は終了。

捕獲:1匹
ストック:5匹

 

蒸される大量のウナギ。

5月7日 ウナギを振る舞う

ストックしていたウナギの泥吐きが済んだのだが、明らかに一人では食べきれない量なので、友人達といただく。

ウナギは焼いた後に蒸して、さらにタレをつけて焼く関東風にしてみた。蒸し器がないのでパスタ用鍋を無理矢理流用。

蒲焼きの味自体は美味しいのだが、ラーメン丼を使ったので、せっかくの天然鰻が急に安っぽくなった。

調理:5匹
ストック:0匹
焼かれる大量のウナギ。 器って大事だよね。

 

なにを覗いているのだろう。

5月7日 ウナギ補充中止

「ウナギは食べた分だけ補充する」

これがウナギ釣りの鉄則なので、早速みんなで河原へ。

しかし、風が強かったので早々に退散。ウナギ釣りはあくまで日常の一コマなので、無理はしない。

ウナギのストックがないと、なんとなく不安だ。

捕獲:0匹
ストック:0匹

 

カメを拾ってきたS君。

6月4日 フッコが釣れた

6月は一番ウナギが釣れるシーズンのはずなのだが、同行のS君が一匹釣っただけで、私はウナギ不発。

ウナギの代わりに、スズキの子供であるセイゴが釣れたので、キープしてみた。

セイゴは香草を効かせて焼いてみたのだが、ちょっと泥臭い味がした。揚げて食べればよかったかな。

捕獲:0匹
ストック:0匹
うらやましい。 フッコの香草焼き。まずい。

 

天然のウナギは深い緑色。

6月11日 小雨の降る中で

四月末に一度来た友人夫婦がまたウナギを釣りにやってきた。

梅雨時、小雨が降る中での釣りはちょっと寒かったのだが、ウナギの活性はそこそこ高く、私が2匹、友人夫婦が1匹釣り上げた。私が釣ったうち1匹は食べきれないので友人夫婦へプレゼント。

今日はサイズがよかった。

捕獲:2匹
ストック:1匹
釣れてくるときは、お腹が上なので白い。 ヘビではなくてウナギ。

 

太い。

6月18日 大物ウナギ捕獲

じめじめとした梅雨時はそれほど嫌いではない。ウナギがよく釣れるから。

今日は明るいうちから今年一番のサイズが釣れた。

河原で見知らぬオッチャンとウナギ釣りについて語り合う。なんでも、「電気浮きを使った延べ竿のウナギ釣りが最高!」なのだそうだ。それは楽しそうだ。

捕獲:1匹
ストック:2匹
ウナギ釣りを語る。 指3本分以上の太さだ。

 

よく太って美味しそう。

6月24日 釣れなかったけど別にいい

今日はウナギ不発。隣でやっていたKさんが良型を一匹ゲット。

釣れたセイゴ(スズキの子供)やハゼを、野良猫のミーちゃん(みんながそう呼んでいる)にあげて遊ぶ。

先週会ったオッチャン再来。「テナガエビの夜釣り仕掛け」と、「ウナギ釣りにおけるテナガエビの針への付け方」を教わる。一匹のウナギ以上に価値のある、大変ためになる実践的な講義だった。

捕獲:0匹
ストック:2匹
セイゴを丸飲みにするミーちゃん。 テナガエビの夜釣り仕掛けを講義中。

 

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