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ひらめきの月曜日
 
餅は果たして万能か

悲しい結末・2

カレーを食べきってしまったので、次は別のレトルトに登場してもらおう。非常食用のミートソースだ。普段ならスパゲッティにかけるモノだが、今日は餅にかかってくれ。

カレーでの教訓を生かし、かつスパゲッティの代用ということで、餅を細長く切ることにした。これなら喉で生じるミートソースとの時差は解消されるはずだ。


カボチャより簡単に切れます

かなり麺が短いが、これくらいの方がいいかもしれない。

さきほどは焼いた餅だったこともダメに拍車がかかったような気がする。やはり茹でなくては。茹でて柔らかくしなくては。そうすることで、今度こそソースと絡むハズだ。


鍋に入れた途端に柔らかくなります
おお、これはまさしく麺じゃないか!

お湯の中に漂うのが、うどんに見える。これはいいぞ。今度こそ餅と合うんじゃなかろうか。ついに餅の新たな扉を開けてしまったんじゃなかろうか。

…と、勢いづいたのはここまでであった。


ああっ、餅同士がくっついてしまう
でろーん。どろーん。

餅を箸ですくった瞬間に「こりゃイカン」と思った。せっかく細く切ったというのに、全く意味がない。

お湯の中では単独行動を取っていた餅なのに、なぜ地上に出た途端にくっつきたがるのか。キミたちは、そんなに集団でいることが好きか。そうすることで安心するのか。どうなんだ。え?

ガッカリしながら、結局は1つの塊に戻ってしまった餅の上にミートソースをかけた。


ソースの上からかけた粉チーズが、虚しさに拍車をかける

餅の茹で汁にミートソースの油が散り、なんとなく「今はひとつの塊でも、元は別々だったんだよ」という見た目になった。どこか脳味噌チックでもある。

まあいい。見た目はとっくに諦めた。問題は喉ごしだ。カレーでは味わえなかった餅との一体感は、果たして得られるのだろうか。

スパゲッティといえば、箸ではなくフォークで食べたい。たとえ、ひとかたまりになったとしても、フォークを用いたい。これを意地と呼びたいなら呼びたまへ。


クルクルクル…とフォークを回転させた結果、
ミートソースが絡まった、餅の団子が出現

柔らかくなっただけあって餅が伸びに伸び、気が付くとフォークには餅の塊が出来ていた。

それをネチョーッと口に入れる。噛む。…お、これはちょっと合うかも。うん。そんなに酷くない。餅の量を簡単に調節出来るし、ソースともよく絡んでいる。カレーの時のようにソースが上滑りしないのが、なにより嬉しい。


こうして見るとまるで麺ですが、単に伸びてるだけです

この手法を、なぜカレーに用いなかったのかが悔やまれる。もっと細かく切って、それを茹でたうえでカレーをかけたなら、ごくごく小さな声ではあるが「餅にカレーをかけたら面白いですよ。一度お試しあれ」と言えたのに。

ま、カレーも餅も逃げないことだし、試すチャンスはいくらでもあるだろう。細々と、カレーに合う餅の食べ方を追求していきたい。

餅が完全に「ごはんの代用」になるとは思えないが、食べ方を工夫することで、それに近づけるような気がした。

腹がいっぱいです

なにやら、いろんなことが中途半場に終わったようだが、なんせ餅は腹が膨れるのだ。これ以上続けるのは無理だ。おまけにカロリーも気になる。

餅の新たな食べ方を発見しようとあれこれ試した結果、やはり餅には和モノが合うのですね…、という結論に達しかけた時、思わぬ伏兵がそれに待ったをかけてくれた。コンソメスープだ。これがものすごく合う。ビックリするくらい合う。餅は、洋風のメニューにもマッチする食べ物だったのだ!

「だったらコーンスープはどうだろう」と、次なる餅に手を伸ばしかけたが、いよいよ本格的に腹がはち切れそうだ。

正月用に買った餅が余り、そしていつもの食べ方に飽きた皆さん、いろいろと試してみると面白いですよ。餅の可能性は無限なのだ!(たぶん)

コンソメスープには、餅を入れるべし!

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