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はっけんの水曜日
 
テストを投げ飛ばしたい


 個人的な事情だが、僕は大学生をやっているのでただ今テスト期間中だ。例によってテスト勉強もせずにゲームしたり遊んだりしている。したがってテストの出来は芳しくない。

 こんな悪夢はどこかへ投げ飛ばしてしまいたい、と思う。そんなとき脳裏をよぎる衝動が「テストなんか紙飛行機にして投げ飛ばしてしまえ!」だ。いや、だが、果たして「テストを紙飛行機にする」というのは正しい行為なのだろうか…?

(text by 藤原 浩一

テストで紙飛行機

 テスト勉強によるストレスフルな生活に耐えかね、気がつくと土手に立っていた。ここでテストを投げ飛ばしたいと思う。


土手だ

まず紹介したいこれが先日受けた第二外国語(ロシア語)のテスト。

あきらかに教科書の問題をアナログにコピー&ペーストしていて、手作り感があふれている。ほとんどが基礎みたいな問題ばかりのテストだったのだが、いまいち出来た感じがしない。


2年やったけど・・・結局何も得られなかった気がする。
切り貼りです。

こんなもの、もう二度と見たくない!

紙飛行機にして投げてしまおうと思う。


行け、忌まわしき記憶と共に

 実際投げてみると、こんなだった。


ぽーい
ぽと

 紙飛行機にしたテストは、なんというか、地平線を越え明日に向かって飛んでいくイメージがあったのだが、現実とはこんなものか。5mくらい飛んで落ちた。明日に向かって投げても着地点は5m先なのだ。For明日、To5m先。

 おそらく紙飛行機という形で飛ばそうとするのが間違っているのだ。そう思って次の手段に打って出た。

 

テストで飛行リング

 たしか飛行リングというのがあったはずだ、小学校のとき図工か何かで作った記憶がある。直径15cmくらいの円筒形をしたものを回転させながら投げると、空気のアレがアレしてすごく飛ぶというやつだ。

今回使用するテストは、高校1年のときの国語のテスト。


空欄が多いと思ったら、
16点。

 ・・・16点? 誰、このバカ? と、一瞬目を疑ったが、自分の名前が書いてある。深い記憶の底にしまっておいたものが現実としてよみがえった。こんなものは暗黒の世界に還ってしまえばいいのだ。

 早速飛行リングをおぼろげな記憶をたよりに作ってみる。


片側が重くなるようにテープでぐるぐる巻いて
ホチキスでとめます

 要は円筒を作って片側の口を重くすればいいのだ(と思う)。

 ラグビーボールを投げるような感じで、リングに回転をかけて投げる。


スナップをかけて投げたら
どっか行ってしまった。

 いい加減に作ってみたにも関わらず、意外と飛んでしまった。20〜30mくらいか。

 しかし、その後着地点付近に行くとテストは忽然と姿を消していた…。暗黒の世界に還ってしまったのか。そうならいいのだが、16点のテストを誰かに見られたらすごく恥ずかしい。

 遠くに飛んだら飛んだで問題が発生することがわかった。ということは、そもそもテストの結果を遠くに飛ばそうという考えが間違っているのだ。

 

テストでブーメラン

 テストの結果というのは己の才能や努力の結果を表しているので、どこかに放り出して逃げようとしても無理なのだ。つまり、テストの結果は必ず自分にの元へ戻ってくる、ということを認知しなければならない。

 放り投げても戻ってくる・・・。

 そんなわけでテスト結果でブーメランを作ることにした。

  用意したのは僕が高校1年のときの試験の結果だ。ここに総合得点のクラス順位が記載されている。

嫌なことが一目で全部わかってしまう
順位―34、35、32

 確か1クラス40人いたので、この34とか35とかという順位は非常に残念なものだ。高校3年間通してこんな感じだったので、コンスタントに残念な高校生活だったと言える。

 しかし、そんな残念なテストの結果をどこかに投げやって無かったことにするなんてことはできない。今の僕は、一度は放り投げようとした過去のテストの結果を、しっかりと受け止めなければならないのだ。

 そう、まるで投げたブーメランをキャッチするように!


まるでブーメランをキャッチするように

 ブーメランはなかなか返ってこなかった。いい加減に作ったことと投げ方がちゃんとしてなかったこと、さらに河原なので風が強かったことが災いしたようだ。

 10分くらい投げ続けてようやくキャッチすることができた。ついに僕はひどいテストの結果という現実を受け止めることが出来たのだ。ばんざい。

わかった

 テスト期間中ということもあって(普段もそうだけど)、家と学校の往復しかしない生活が続いていたのだが、あんまりちゃんと返ってこないブーメランをキャッチするのはいい運動になった。

 そして、こんなことしてるからテストの点数が残念なことになるんだな、ということがよく分かった。明日あるテストも心配だ。

16点のテストは20分くらい探して保護した。


 
 
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