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はっけんの水曜日
 
殿のちょんまげ、見てチョンマゲ

浮かれに浮かれた街、舞浜。

■舞浜に来たでござる

 自転車を10分こいで舞浜に来た。今日は、「最近どこにも連れてって貰ってない」と言うパートナーの意向でデートと相成った。そういえば1年くらい前にもこんなシチュエーションでデートとした覚えがある。

・参考
コネタ道場「ほっとけなイカら、僕もホワイトバンド」

 思い出して、心の底から申し訳ない気持ちになった。切腹してお詫びしたい気持ちだが、痛いのは困るので気持ちだけ受け取っていただきたい。

さて、では同志を探してみよう。

 

■そこは耳天国のはずだった

 舞浜と言えば東京ディズニーランド。そこでは大きな耳のネズミさんがにこやかに愛想を振りまいている。それと同化したいゲストの皆さんも同様の大きな耳を頭に付けているのだ。

あそこならちょんまげヅラを被ってても目立たないはずだ。

だってみんな耳とか付けてるじゃん。

と、思っていた。思っていたんだ。

 

歩いてる人はみんな普通の格好。

ちまちまとこんなもん作ってる時が一番楽しい。

■そんな人、ちっともいやしねぇ

 甘かった。昼の舞浜には頭から耳を生やした人間なんて一人もいなかった。困ったぞ、これは。僕のちょんまげが目立ってしまう(※)。おまけに横を見るとなんだか不満げな人がいる。そんなにヘソをマゲんなよ。

そう思ってたら、こう言われた。

「こんな時間に耳付けてる訳ないじゃないのよ。中で遊んで、帰り道でも浮かれてるから耳を付けてるのよ。狙うなら4時過ぎよ!あんた、超浮いてるわよ!ドーン!!」

ビカビカビカ!ギャー!!!(笑うせぇるスマン)

コホン、書いててテンション上がってしまったでござる。

 どうやらそういう事情らしい。でも、まぁ、それはそれ、これはこれだ。今更企画内容をマゲられる訳がない。とりあえずイクスピアリで買い物をする事にした。マゲdeデートだ。こんちきしょい。

 フエルト製のマゲヅラを携帯ちょんまげ袋から取り出して頭に装着した。なんだか心の中に勇気と友情が沸いてくる。これがマゲの効果か。大和魂か。

よーし、出陣じゃ!!

※一度装着すると取り外しが面倒なので3時間ほど付けっぱなしでいました。

 

 

■殿呼ばわりでござる

 マゲヅラを被って歩いていると、妙に皆の衆が振りかえる。若いおなごなど遠慮がないので、

「殿!殿が買い物してる!!」

なんて言うのだ。流石に恥ずかしい。

 以前、馬のラバーマスク(通称馬ヘッド)を被って色々やっていた時期があったのだが、あれは周りが全然見えないし、音もあんまり聞こえないので気にならなかった。顔も見えないから恥ずかしさは無かった。むしろ、周りで顔を晒して写真撮ってた仲間の方が恥ずかしかったんじゃないかと、今更ながらに反省した。

 マゲヅラは顔も丸見え、自分も周りが見えるし声も聞こえる。かなり恥ずかしい。ああ、耳の人たちが沢山いればきっと目立たないのに!なんて思いながら色々な店を廻る事にした。


殿、花の香りを嗅いで「くるしゅうない」と思う。

殿、上映中の映画を品定め。「アルマゲドンはやってないのか・・・」

殿、帽子のショーウィンドウに引き寄せられる。帽子被りたい(恥ずかしいから)。

殿、帽子を被ろうとしたらマゲが引っかかる。

殿、お洒落なコーヒーショップでオレンジジュースを待つ。飲んだら美味くてタマゲタ。


殿、本当は中華料理とか食べたい。超ウマゲ。

殿、疲れたのでベンチで休憩。

殿、落ち武者的にみだれ髪つつ、新しい箸が欲しいなぁと物色中。

殿、成城石井で買い物気取り。酒粕にご執心の様子。

殿、アンバサダーホテルのラウンジで700円のカプチーノを「高いなぁ」と思いながら飲む。

殿、猫のように、自分の姿に興味津々。

 

■午後4時になったぞ

 そうこうしているうちに4時になった。ん?これはそろそろ同志達が夢の国から帰ってくるんじゃないだろうか?と思ってランドの入り口で張り込んだ。すると、キタキタキタのだ。

 ランドから、耳を付けてる人がたくさんやってきた。なるほど、草の情報は真実だった。やぁ、同志諸君。僕も君らと同じように頭にアクセサリーを付けてるよ!!


殿、猫のように、自分の姿に興味津々。

でも、勝手に同志と思ったみんなからも容赦なく笑われた。目を合わせるとサッと逸らされてヒソヒソなにか言われてる。

悲しくなってきたので帰る事にした。悲しいけどぷよぷよしない。

■まとめでござる

 どうも、ミッキーさんの耳とマゲヅラは違うものらしい。みんな耳とか付けてるのに僕だけ好奇の目にさらされた。笑うな。

 おかしいじゃないか。君らだって耳とかつけてるのに。でも、これが世界一のエンターテイメントと僕の差か。どうしようもなく越えられない壁があるのがわかった。

 フエルトのマゲヅラは、作ってた時は上手くできたと思ったのだが、実際に使ってみたら前髪が見えちゃったり、糸がほつれてヘアピンが外れたりして不具合が多かった。結局紙のマゲヅラの方が使い勝手が良かった。

 頑張っても報われない事はあるのだ。悲しいけどこれが現実だ。結局、なんの為にデート中までマゲヅラを被ってたのかよく判らない事になってしまった。

勝負に負けて試合にも負けた気分だ。最悪だ。

 なんだか打ちひしがれてばかりの今回だが、今後もマゲヅラの改良と普及に努めていきたいと思う。きっと僕が行くべきは舞浜でなく、日光だったんじゃないかと思ったりしながら今回はお仕舞いだ。

■オマゲ

リアルにゃんマゲ。

 
 
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