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ロマンの木曜日
 
紙コップ自販機の「濃く」を確かめる
便利な紙コップ式コーヒー自販機

紙コップ式のコーヒ自販機は、いつでも入れたてのおいしいコーヒーが手ごろな値段で飲めてうれしい。
しかも、コーヒーを自分の好みの濃さに調節するボタンもついているので、普通のコーヒーショップにはない便利さまである。
同じ値段でコーヒーが濃くなるなんて、とってもお得なので、僕はいつもいちばん濃くして買っている。
しかし、まてよ。
ホントに「濃い」のがお得なのだろうか。

工藤 考浩



うまい話には裏がある?

同じ値段でコーヒーが濃くなるというのは、とってもいい話だ。
この世知辛い昨今、心温まる素敵なサービスである。
まさに百円玉で買える温もりではないか。
しかし、である。
そんなうまい話があるのだろうか?
つまり、僕が疑問に思ったのは、コーヒーを「濃く」すると、使用されるコーヒーの量が増えるのではなく、実はお湯の量が減らされるのではないか、という事だ。
結果的にコーヒーは濃くなるが、 飲める量は減ってしまうのではないかと心配なのだ。
だとすれば、「薄く」したほうがお湯の量が増えてお得という事になり、今まで信じてきたのとは正反対の結果になってしまう。


コーヒー増量ボタンは本当に増量されるのか?

 

重さと量を計ってみよう

実際のところどうなのかを確かめるべく、電子ばかりとメスシリンダーを持って調査してみた。
コーヒーの濃さと、全体の量に関連性があるのかどうか、科学的見地から探ってみよう。


見た目の量はどれもいっしょ

濃くも薄くもしていない、普通のコーヒー


138.2g
136ml

 

めいっぱい濃くしたコーヒ


138.0g
137ml

 

めいっぱい薄くしたコーヒ


138.3g
137ml

 


関連性は見られない

やはり、というかなんというか、全体の量も重さも、濃さを変えた事による違いは見られなかった。
若干の誤差は見られるが、重さで0.3g、量で1mlの違いは誤差の範囲といっていいだろう。
これを含めて10杯ほど計測したのだが、こんなわずかな誤差でコーヒーを抽出するなんて、機械ってすごいなと関心は別のほうに向かってしまった。
とにかく実験の結果から、コーヒーを濃くしても薄くしても、全体の量は変わらないので、おもいっきり濃くしたほうがお得だという結論に至った。


誤差の範囲に落ち着いた

 

メーカーさんに聞いてみた

実験結果は上記のように出たが、もうすこし詳しい事情を確かめようと、紙コップ式自販機の最大手のメーカー「富士電機リテイルシステムズ」さんにお話を伺った。
お話によるとやはり、コーヒーの濃さはコーヒーの粉の量で調節しているとのこと。
味の濃さを調節する程度で料金を多く取らないとはなんと太っ腹なことだろうか。
世の中捨てたものじゃない。

紙コップ式自販機は奥が深い

コーヒーの味の調整はオペレーターと呼ばれる自販機の管理運営にあたる人の裁量に任されており、例えば体力を使う業種の工場の休憩室に設置されている紙コップ自販機では、砂糖を多くし甘めの味に設定したりされているというお話も伺った。
オペレーターさんの腕の見せ所だ。
長距離トラックの運転手さんのなかには、「このサービスエリアのこの自販機のコーヒーがウマイ!」とわざわざ選んで立ち寄るかたもいるそうだ。
一見すると完全に機械化された自動販売機ではあるが、裏方にはその道のプロフェッショナルがいて、味を決める職人技がきらりと光っているのだ。
砂糖もミルクも濃くしたら重さも量も増えたが、
要するに最終的には好みの問題だ。


 
 
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