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はっけんの水曜日
 
天ぷらはファーストフードだ

どこだよ。

隠れた天ぷらの名店がある

沖縄的天ぷらの名店があると聞いて那覇にやってきた。事前に場所を調べてはいたのだけれど、行ってみるとぜんぜんわからない。困り果てて近くの市場のおばちゃんに聞いたらすぐに教えてくれた。

ん。

教えられたとおり、人とすれ違うのに苦労するくらいの細い路地をゆくと、突然おばちゃんが3人で天ぷらを揚げている場所があった。そう、こここそが名店、呉屋てんぷら屋だ。

ここだ。

呉屋てんぷら屋は路地に面した窓がいきなり厨房であり店頭でもある。今風にいうとオープンキッチンだ。店頭にはサーターアンダギー(沖縄版丸ドーナツ)がごろごろと、ショーケースにはイモ、イカ、魚など揚げたての天ぷらがまさにところ狭し(ほんとに狭い)と並んでいる。どれでも1個40円だ。

「揚げたて」のことを「焼きたて」というようです。
アンダギーは大小にかかわらず40円。

 

わかり難い場所なのに人が次々にやってくる。

すごくテンポがいい

ひっきりなしに人がやってくるが、みんなさっと買ってさっと帰っていく。「魚とイカとゴマのアンダギーを3個ずつね、あったかいね、今日24度あるよ。」稲妻のように注文をすませ、おばちゃんが袋に天ぷらを詰めている間に送りバントみたいに世間話をしていく。店もお客もとにかくテンポがいいのだ。たぶん同じメニューを毎日のように注文しているんだろう。

しゃべりながらも手は常に天ぷらを揚げている。

僕もまねして注文をしながらいくつか質問をしてみた。

「ええっとイカと魚とイモと、これなんですか」
「かたはらんぶー」

「え?」
「か・た・は・ら・ん・ぶー」

「なんすか」
「お祝いの時はアンダギーとかたはらんぶー、それからあっちの松風を並べるの」

おばちゃんはずっと後ろを向いて油に向かったまま説明してくれた。これ以上リズムを崩させるのは粋ではないな、と思い買った天ぷらを手に路地を後にした。

 

名店の味は確かでした

ここの天ぷらもやはり衣がふわふわしていた。そしてその塩味の衣が相当分厚いので中に何が入っているのかは食べてみないとわからない。イカも魚もみな同じに見えるのだ。天ぷらとアンダギーを計4種類買ったのだけれど、歩きながら全部食べてしまった。食べはじめたらもう止まらない。

オキナワンファーストフード、天ぷら。これからも行く先々でついつい食べてしまうと思います。

これが「かたはらんぶー」。なんと中身はなく、衣だけでできている。ある意味究極。

呉屋てんぷら屋

沖縄県那覇市松尾2−11−8
098-868-8782
営業時間 8時〜18時頃
年中無休


 
 
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