デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示
アット・ニフティロゴ


ちしきの金曜日
 
小型船舶免許を取りにいってきた
船乗りになるのだ。

船の免許が欲しい。

理由は単純、手前船頭で好き勝手な釣りがしたいから。

といっても、別に松方弘樹のように「世界を釣る」訳ではなくて、友人達と近場でアジとかシロギスとかを釣りたいだけなので、岸から5海里(9kmくらい)限定で運転ができる二級小型船舶操縦士という免許が欲しいのだ。

そんな想いを持ち続けて早10年。手漕ぎのボートで海に出るのも体力的にだんだんしんどくなってきたので、思い切って免許を取ることにした。

(text by 玉置 豊



ボートスクールというところにいく

二級小型船舶操縦士の免許を取る方法を調べたところ、ボートスクールというところで学科と実技のお勉強をしてから国家試験に挑むのが一般的な方法らしいということがわかった。

ちなみに免許取得にかかる料金は、全部で7〜9万円くらいと安くはない。安くはないというか、高い。

早速申し込みをすべくボートスクールをネットでいろいろ検索して、フィーリングでJACSボートライセンススクールというところに決定。ここで学科講習を一日、海で実技講習を一日おこない、国家試験を受けて合格すれば、晴れて船乗りとなれる訳だ。泳げないけれど。


JACS。ジャパンアクションセンターではない。

 

学科講習を受ける

朝8時45分にボートスクール集合。学科講習を平日に申し込んだら、その日に申し込んだのが私だけで、先生とマンツーマンになってしまった。


「今日の講師を務める堂福です。」 よろしくお願いします。

おお、いかにも船の先生っぽい先生だ。ヨットマンだ。

学科講習なんて、そんなにおもしろいものじゃないだろうなと思っていたのだが、この堂福先生ならばやってくれる気がする。

ということで、講習が始まってから唐突に取材申請。堂福先生より快諾を得たので、ここに講習の一端を紹介したい。

 

いきなりロープ登場

学科講習は、基本的に自動車免許などと同じく教本を読んでいくだけかと思ったのだが、違った。


右が教本、左が試験問題集。

先生はいきなり錨やらロープやらを持ち出してきた。


「まずはロープの結び方!」だそうです。

なんでも学科には、「教本を読めばわかる問題」と「教本を読むだけではわかりにくい問題」があるので、今日一日、後者を中心に勉強していくそうだ。

そこで、まずはロープの結び方らしい。ロープ結びは学科の問題というより実技の問題なのだが、実技講習で教えている時間はないので、まずここでだいたい覚えて、あとは実技講習の日までに家で練習してこなければいけないのだ。


錨結び。 クリート結び。

巻結び。 もやい結び。

この他にも、本結び、一重つなぎ、二重つなぎと、合計7種類の結び方を覚えないといけないのだが、さすがにこの短時間では本を見ながらなんとかできるようになる程度。それでもコツみたいのを習ったので、あとは練習すればどうにかなりそうだ。

もやい結び、うまくできると嬉しい。

 

海上での交通について

ロープの結び方で嫌な汗を書いたあとは、海上での交通方法の勉強。「海上は右側通行」とかそういう話。


「ここ試験にでるぞ!」 先生にモノを教わるっていう感覚が懐かしい。

この先生は、船好きが高じて脱サラをして、今の仕事をしているという根っからの船好き。基本的に「試験に受かるための勉強」というよりも、「海に出るための勉強」という教え方なので、授業を聞いていてもとてもおもしろい。


写真にマウスオーバーすると、臨場感が伝わります。

「埼玉に安いボート係留所があるけれど、海にでるのに3時間かかる。でも川だから船が錆びない!」とか「シーバスを釣りたければまず潮を調べろ!そこで潮の満ち引きの勉強だ!」とかそういう話を交えつつ、巧みに教本を読み進めていく。


教本の挿絵。 いい絵だ。

見たことのない標識。 謎の記号。これらは丸暗記しないといけない。

 

海に出るにはいろいろ覚えなければならない

自分が船長になって海に出るためには、海上交通ルールだけを覚えればいいというものではない。

船で使用するライトの仕組みやコンパスの使い方、スクリューの特性など、船の設備を一通り把握できてなくてはいけない。実物を見ながら各部品について頭にたたき込んでいく。


「左右の緑と赤のライトで船の向きがわかるんだ!」 「これが航海灯だ!」 
「こっちが北だ!」 「右回転だ!」

先生は、「これは○○だ!」「だから○○なんだ!」と力強く言い切る口調。語尾を濁しがちな人が多いこの時代、パキパキと喋る先生の口調が新鮮に感じる。

とりあえず、「この先生を信じてみよう!」と思わせる力がある。なんだか試験に受かる気がしてきた。学科試験の合格率は90%以上らしいので落ちたら悲しいしね。

 

海図とかも学ぶ

続けて、海図や三角定規などを使った授業。この辺は一級免許の守備範囲も多いのだが、先にも述べたが、この先生は「海に出るための勉強」を教える主義。

実際に航海をすることを想定して、海図上に航路を引きながら、海図の読み方、現在位置の割り出し方などを、船を運転するための心得と合わせて学習していく。


陸から5海里以内といっても、東京湾内ならどこでもいけるらしい。 出発点と目的地を決めて、航路を考える。

三角定規とデバイダーは、二級の試験では使わないけど、学ぶのだ。 もう実際の旅行計画を立てている気分になってきた。

この海図上に航路を引いていく作業、とてもおもしろい。今はもちろん仮の想定での航路だけれど、すでに遠足前日みたいなウキウキ感が頭の中を支配している。船乗りたい、すぐ乗りたい。

 

覚えることは、まだまだあった

まだまだ続くよ学科講習。昼休みを挟んで、今度は数学や理科などの勉強。難易度のレベル的には義務教育レベルなのだが、学ばなければいけない範囲がもの凄く広い。

さっきまでのウキウキした遠足気分だったのに、急に雨で遠足が中止になって授業を受けさせられている感じ。


地学の勉強。真北とか磁北とか、聞いたことがあるようなないような単語がでてくる。 物理学。バッテリーからエンジンまでの回路図とかも把握しなくてはいけないのだ。
気象学。先生が気象予報士の工藤さんに見えてきた。 数学。距離と速度と時間の関係。懐かしい。

 

脳みそがパンパンだ

夕方までみっちりとお勉強をして学科講習終了。久しぶりにいろいろと新しいことを覚えたので、脳みそがパンパンになっている。とりあえず、実技講習までにロープの結び方を覚えなくては。


結び方の練習用ロープをもらったぜ。

さあ、次は実際にボートを使った実技講習だ。今度はどんな先生が待っているのだろう。


  実技講習へ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation