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ロマンの木曜日
 
都電のレール跡をさがす

まずは上野駅前で調べてみた

各種資料によると、上野駅前にはターミナルのように何本もの都電の路線が通っていたらしい。

それならレールの一本くらいあまってるのではないだろうか。さっそく行ってしらべてみた。


現在の上野駅前のようす。

同じ地点の当時のようすはこう。ふむふむ。レールの位置はと・・。(大正出版「都電百景百話」p.81より)

 

むむっ、あやしいひび割れを発見!

あやしい亀裂をさがす

セオリーによると、アスファルトの地面に浮き出ているひび割れこそが、都電レール跡の重要参考人だという。

あやしいひび割れはないか、2本平行に走っている挙動不審な亀裂はないか。目を光らせる。

 


ほどなくしてそれらしいひび割れが見つかった。さっそく現場へ急行し、金属探知機による事情聴取を行う。


お前、なにか隠していることがあるんじゃないのか?

違ったらしい

意気揚々と探知機を動かし、容疑者の自白を待つ。

・・が、反応がない。

ひび割れにそって位置をずらして調べても、探知機はまったくうんともすんとも言わない。この探知機が地中の金属にちゃんと反応することは、事前に鉄筋コンクリートで確認済みである。この下には本当に何もないのかもしれない。


誤認逮捕か・・。

 

その後もまったく反応せず

探していると、ひび割れのようなものはいくらでも見つかった。ただし、それらを調べてみるとことごとくシロなのだ。


あれはどうだ?
反応なし・・
細い道でもダメ。

上野駅前のような大きな道路は、改修工事も頻繁におこなわれているのだろう。その際にレールも撤去されているにちがいない。それならばともうちょっと細い道でしらべてみたが、これも結果はダメ。

こうまで反応がないと、この探知機の性能にそもそも問題があるんじゃないか、とも思えてくる。

しかし、たとえば歩道の縁石部分にくるとこの相棒は必ず反応する。おそらく中に鉄筋でも入っているのだろう。それ以外の場所での挙動をみても、こいつはひとまず信頼してよさそうだ。

 

場所を変えてみた

他の場所はどうだろう。四谷、銀座、新橋などで手をかえ品をかえ調べてみた。


レールないかレールー。
これは怪しいぞレールー。調べるぞレールー。
レーはレールのレー♪   (飛鳥山公園にて)

しかしまったくレールは見つからない。

たまに「ピピッ」と探知機が反応することはある。が、ちょっと場所をずらすと反応しなくってしまう。おそらくは道路上の小さな金属片なのだろう。レールならちょっと位置をずらしても必ず横切って反応するはずだ。

 

偉い人にきいてみよう

やみくもに探しても見つかるものではないのかもしれない。

道路の利用状況を管理する、東京都の建設局の方に電話で伺ってみた。そして教えていただいたのは次の3点。

・都電廃止直後はたしかにレールが埋まっていたが、その後の道路工事でことごとく掘り返され、いまではほとんど残っていない。
・以前は道路台帳にレールの場所が記載されていたが、現在はすでに管理していない。
・どうしても探したければ、芝浦か四谷に行ってみるといい。線路の跡が残っているはずだ。

というわけで、残念ながらレール跡はあちこちに見つかるというわけにはいかないようだ。意気消沈しながらも、教えていただいた芝浦に行ってみることにした。

 

 
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