■まずは展望塔へ
ところで、工場デートの地として鹿島を選んだのにはわけがある。首都圏には川崎、横浜、千葉といくつかの工場鑑賞スポットがあるが、ここ鹿島はなかでも鑑賞手段と鑑賞できる工場のバランスがとても良い工場なのだ。初心者も手練れの工場鑑賞家も大満足のコンビナート。それが鹿島なのである。
と、石井さ んが教えてくれました。
その鹿島コンビナートにおいて、まず向かうべきはこの港公園。コンビナートのど真ん中に位置するこの公園には、「バラをモチーフにした」と言い張る独特のデザインをした展望塔がある。
なにがすごいって、この展望塔、工場を見るためだけに造られたのだ。そうとしか思えない。
公園へ入ったときから既にちらほらと見える重厚な工場の風景に一同、やや興奮状態で展望塔のエレベーターに乗り込む。期待で中は過積載状態だ。
最上階に到着して、エレベーターの扉が開いたとき、比喩でも何でもなく一同の口から歓声があがった。この時点で今回の工場デートの成功は保証されたも同然である。
すばらしい工場ビューを前に、ひとは童心へ返る。ひたすら風景を眺めるその様は、むかし電車の窓から熱心に外を見ていた子どもの頃を思い出させる。
そしてさらに、この展望台は外へも出られるのだ。