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ひらめきの月曜日
 
箸の先を汚さずに食べられるのか?


厳しい闘いでした

作法の達人は、たとえ茶漬けを食べた後でも、箸の先が5ミリほどしか汚れないと聞いたことがある。

…本当か? と思う。だって皆さん、定規で確かめてみてくださいよ。たったの5ミリですよ? しかも茶漬けですよ、汁物ですよ。

ねぶり箸、迷い箸、刺し箸などなど、行儀が悪いことはしないように心掛けているつもりだが、考えてみればあまり箸の先を気にして食事をしたことがない。

いったい、どれほどまでに汚しているんだろうか。で、5ミリってのは果たして可能なんだろうか。

高瀬 克子



意識せずに食べてみる

まずは近所のファミレスで、箸先のことなど意識せず、普通に食事をすることにした。選んだメニューはハンバーグとライス。理由は、食べたかったから。

当然のようにナイフとフォークが用意されていたが、今回に限って言えば用はない。わざわざ箸を用意してもらい、いざ食事スタート。


ネギたっぷりのハンバーグ & ごはん
ハンバーグを掘り出すだけで、2センチは汚れます

箸先は意識せずに…とは言うものの、食べながら「こんなに汚してたのか!」と思わずにいられなかった。

だって、これですよ。


肉を切って掴んで3センチ。
ごはんに至っては4センチ以上あるはず。

一度に口に入れる量が多いせいもあるが、5ミリなんて夢のまた夢だ。単位からして違う。もしや「ひとくち分が多い」というのは作法に反してるんだろうか?(あまり大口を開けるな、というのはあるような気がする)

にしたって、いきなり素人に5ミリは無茶だろう。

だいたい箸には、食べ物を持ち上げる以外にも、切る、すくう、かき混ぜる等の機能がある。便利でありながら実に万能な道具なのだ。5ミリにこだわってたら、ハンバーグを食べきるのに2時間はかかるに違いない。


最終的に5センチ以上は汚れてました

普通に食事をすると、私の場合5センチは汚れるということが分かったが、食べ終わってからハタと気が付いた。ハンバーグって「洋食」じゃないか。もともと箸で食べる物じゃないだろう。確かにハンバーグで5ミリは無謀すぎる。箸先5ミリって、和食にのみ当てはまる作法なのかもしれない。そうだ、きっとそうだ。

ものすごく今さらな事実に気付き、さっそく「和」の食材を買い込んで自宅へと帰った。

 

豆腐は可能か

まずは簡単そうな物から試してみたい。なにやら面白そうな豆腐が安く売られていたので買ってきた。


豆腐の世界って、どこまで行くんでしょうね

「これなら楽勝だろう」と箸を付けてみたのだが、これがなかなかうまくいかない。しつこいようだが5ミリだ。だいたい「5ミリで茶漬けを食べた」という話自体、本当にあったことなのかと疑わしく思えてくる。

どんな珍味を食べているのか? と錯覚しそうになるほど「ちまちま」という表現がピッタリな食事風景となってしまった。


豆腐はものすごくおいしい
でも、一気にたくさん食べられないのがもどかしい

口に運ぶ時点においても注意が必要だ。あまり深く口の中に入れると、それだけで箸が汚れてしまう。

ああ、作法の道は険しい。


記録:1センチ

一番楽勝だと思っていた豆腐でコレである。どうすればいいんだ。「私には出来ません。5ミリなんて無理でした」で終わっていいんじゃないか。まだ実験を続ける意味はあるのか。

 

続けます

まぁ、ヤケになったと思ってくださって結構です。よりによって納豆ですから。

とりあえず、混ぜる箸と食べる箸とを分けて考えなければ話がここで終わってしまうため、まずは混ぜただけの箸の結果を見ることにした。


いつもの通り、思う存分混ぜます
混ぜ記録:5.5センチ

そりゃこれだけ汚れますよ。いや、納豆ってのは箸が汚れてナンボな食べ物でしょう。作法の大家は、納豆を食べる時でさえ5ミリなのか。そもそも納豆なんて食べてますのか。ますのんか。

…と、頭の中で悪態をつき始めたのは、納豆を食べ出してからだ。だって5ミリを念頭に置くと、1粒ずつしか食べられないんですよ。こんな馬鹿な納豆の食べ方があるかってんですよ。


1粒持ち上げるだけで、5ミリ以上は汚れます

あまりにイライラともどかしいので、ここで荒技に出ることにした。納豆を皿の端にかき寄せるだけなら、箸の汚れが最小限で済む。そこにすかさず口を付けるというのはどうだ。これなら大丈夫だろう。

しかし、いざそれを実行に移すと、こんなことになる。


箸が頼りにならないのなら、体全体を使え!
…いいんですかね、こんなことで。

5ミリにこだわるあまり、かえって行儀の悪いことになってやしないか心配だ。

見た目はともかく、難敵と思われた納豆ではあったが、記録は約1センチとなかなかの健闘を見せた。


やればできる

そうか、この方法でやれば、箸先5ミリの壁を越えるのも不可能ではないかもしれない。要は工夫だ。

光明が見えてきたところで、さらなる敵を迎え撃とう。


 

 
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