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チャレンジの日曜日
 
シーラカンスを釣ってきた

地球温暖化の影響だろうか。最近、生きた化石として有名なシーラカンスが日本でも釣れているらしい。

釣り雑誌で確認したところ、神奈川の大津港から乗合船がでているというので、ちょっとチャレンジしてみた。

(text by 玉置 豊



シーラカンスのポイントへと向かう

シーラカンスが釣れるというポイントは、大津港から船で1時間ほど南に走ったところにある。船長の話によると、このあたりは、潮の流れの加減と海底火山の影響で、本来南洋に住む深海魚が流れ着くのだという。

特にこの冬は、暖冬の影響でメガマウスやリュウグウノツカイなどといったレアな深海魚が例年以上に釣れているらしい。その中に、今回の目的であるシーラカンスも混ざってくるのだ。

とはいっても、さすがにシーラカンスは数が少ないらしく、一日に一匹上がればいい方らしい。釣れるかは、運の要素が大きいようだ。


まっていろよ、シーラカンス。

 

エサはサバの切り身

釣り場に着くと、船長さんからシーラカンス狙いのエサとして、サバの切り身が渡された。常連客の中は、「アンモナイトの代わり」としてオウムガイを生きたままエサにする人や、カブトガニを持ち込んでいる人もいる。


船長が用意したエサはサバ。

 

ポイントは水深85メートル

船長の「はじめてくださーい」という合図で、いっせいに仕掛けを海底へと落とす。

今日のポイントは水深85メートル。船長曰く、本来もっと深海に住むシーラカンスがこの水深で釣れるのは、このポイントくらいなのだそうだ。


シーラカンス、釣れるかな。

 

きた!

仕掛けを底まで落として、軽く竿先を動かして誘いをかける。

30分おきにエサを変えながら延々と誘い続けること4時間、竿先が大きくしなった。


きたきたきた。

竿がすごい力で水中に持って行かれそうになる。ものすごい力だ。

船中のみんなが見守る中、今までに体験したことのないヒキを味わいながら、ゆっくりと慎重に85メートルの釣り糸を巻き上げる。

針には黒くて大きな魚がかかっていた。

これがシーラカンスか!

船長が取り込もうとタモ網を海に入れたこの時、船が大きく揺れた。全員がシーラカンスに夢中になっていたため気が付かなかったのだが、大波がきていたのだ。

幸いシーラカンスは船長の熟練の網さばきによってスッポリとタモ網に収まったのだが、なんとこの波でカメラが濡れてしまい、以降の撮影ができなくなってしまったのだ。

このアクシデント、カメラマンを責めることはできないだろう。船のデッキ上に横たわったシーラカンス眺めながら、私は心のシャッターをカシャっと押した。

腕に残った疲労が気持ちよかった。

私が釣ったシーラカンス、展示中

釣り上げたシーラカンスは、食べても美味しくないということなので、埼玉にある深海魚博物館に寄贈した。


85センチでした。

剥製として展示されているので、興味がある方はぜひ見ていただきたい。

シーラカンス、食えばよかった

せっかく釣ったシーラカンスだが、船長の「食えたもんじゃない」という言葉にしたがって博物館に寄贈したのだが、やっぱり食べればよかった。

水っぽいという話だが、塩釜焼きなどにすればいけるのではないだろうか。

次に釣れたら、ぜひ食べてみたいと思う。

この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です

 

 
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