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フェティッシュの火曜日
 
健康になるらしいが、実際はどのくらいだ選手権
一本でいいのねー、と分かりやすい。


先日ヤラセ問題で終了した健康情報番組があったけれど、それらしい言葉を言われると信じてしまうのが資本主義社会ズッポリな我々の性。マイナスイオンとかマグネシウムとか‥実はよく分かってないのに。しかも使ってみるだけで、具体的に何分使うとか何杯食えばいいとかよく分かってなかったりする。まぁ使ったというブランドが欲しいんだよね。お、時事風刺っぽい。

せめて「一日一本分!」とか「レモン50個分!」とか言ってくれたら分かりやすいんだけどなぁ‥。ということで、「健康になりますよとアピールしてるんだけど、分かりやすくいえばどのくらいだ選手権」を開催したいと思います。

大坪ケムタ



栄養剤でおなじみだけど詳しくは知らないアレ

勢いよく言われてるうちに、なんか効くんだろうなぁ、と思わされてる感があるのがCMでおなじみのコレ。


ファイト!一発!でおなじみ。

「タウリン1000mg配合!」てよく聞きますが。

CMで力強く宣言される「タウリン1000mg配合!」。そのタウリンとは何ぞや?と思ってた人も少なくないだろう。あらためて学んでみましょう、タウリンについて。

タウリンについて、リポビタンD公式サイトによれば「体の細胞の機能が正常に働くために必要です。タウリンは筋肉や脳、心臓、目、神経など、体のあらゆる部分に存在し、体の細胞の機能が正常に働くために必要な物質です」と書かれている。うーん、あれだけCMでアピールしてるわりには漠然とし過ぎでないかい?

他サイトで調べてみると、具体的な機能としては「コレステロール値を下げる・血圧を下げる・肝機能を高める」などがあるのだとか。特に心筋に多く存在するために、血液を多く送り出す作用があるので、階段の昇り降りがキツイ人に効果的とか。おお、こう書くと分かりやすいね。

そして、一般的にタウリンが多く含まれてる食品としてはタコ・イカ・牡蠣・ハマグリなどの貝・魚介類に含まれているとか。たとえば、タコだと100gあたり約800mg。リポDが1000mg配合、だから

1リポD=タコ125g

という式が成り立つ。ということはあのCMも‥


ゴボゴボッ、鉄砲水だー!(イメージ画像)

洪水から逃げ出せー!(イメージ画像)

ファイトー!(二役)

いっぱーつ!キンキンキーン。

125gを噛み締めろ!

山とか海とか崖といったピンチな現場に行けなかったので、あのCMっぽいCMは撮れなかったが、なんとなくタコでも雰囲気は出たような気もしないでもない。

ちなみに太平洋戦争中、タウリンの疲労回復効果に目をつけた日本海軍はタコの煮汁をパイロットに与えていたのだとか。また特攻隊に興奮剤として与えられた歴史もあるそうな。そういう哀しい歴史もあるタコ汁、もといタウリン。仕事前にスコンと飲んで吸収するもいいけど、普段から食べるのが一番!うまいしね。

 

食べるだけで頭が良くなるとかいうアレ

続いての機能的に謎な食べ物は「頭脳パン」。自分も東京に来て初めて見た覚えがあるので、地方だと知らない人も多いかもしれない。

1960年頃に「頭脳パン連盟」なる団体ができるほど一時は隆盛を誇った頭脳パン。その名前通り「頭がよくなるパン」として売り出され、現在も数社から発売されている。その成分を紹介する前に、実物を見せようと買いに行ったんですが‥。


無い!どこにも無い!
かにぱんならあるのに‥

ぐはっ、無い!たぶん15件以上はコンビニやスーパー回ったはずなのにひとつもないよ!ということで、パッケージや現在の存在感などはこちらこちらでご覧下さい‥。3月頃は結構見たんだけどなぁ。受験シーズンだったからか?

で、その頭脳パンの頭脳パンたる由縁とは何か?というと「通常の小麦粉にビタミンB1を100グラムあたり0.17ミリグラム以上配合した」頭脳粉が使われていること。脳や神経系を活発化させる能力を持つビタミンB1、これを日々食べてれば頭も回るように‥というネーミング。

では上のタウリン同様に成分・含有量を調べてみる。ビタミンB1が多く取れると言われるのが「ひれ豚肉」。100グラムあたり1.34mgのビタミンB1が含まれているのだとか。

ということは、

1頭脳パン=1/8ひれ豚肉

といえる。ビジュアルで見せれば、こういうことだ。


純情な豚を選んでみました。
頭脳パン(疑似)との比較はこんな感じ。

頭脳パンが見あたらなかったので、頭脳パンとほぼ同じサイズの代用品で失礼。なんとなくモザイクもいれてみました。同じB1摂取するにしても、パンふたつだと食べ終わる頃には口の中がモッサモッサとなるが、豚肉基準だとほどよくビールがうまくなってくる頃。あくまでも栄養「補助」と考えて、メインは普通のおかずで取るのが大事なようです。


コレ喰うたけで頭脳パン2つ分レベル向上。

 

認知度も高い魚の中に入ってるアレ

近年の栄養分ブームといいますが、「××に入ってる○○が効くらしい!」という先駆のひとつがDHAのような気がします。正式名称ドコサヘキサエン酸、その効果として「脳や神経の働きを活性化させる」「老人性痴呆症・脳血栓・動脈硬化などの予防」「中性脂肪を減らす」があげられ、結構な話題になりました。いまだに「DHC」とゴッチャになる自分のような人もいますが。

さてそのDHA、魚の中でも青魚に多く含まれてるらしく、焼きサバだと切り身で1103 mg、焼きサンマで1尾1197 mg(参考はこちら)。一日0.5g〜1.0gが適量らしいので、十分とはいえ毎日そんなに魚も食えないなぁ。

と言うような楽して健康になりたい人向けに関連した商品も結構出ていて、たとえばこちら。


DHA、普通より大盛です。
一本で850mg!ということは‥

この前の魚肉ソーセージよりやや高級品の「DHA入りリサーラ」。しかしそれだけはあるDHA濃密感。なんつったって「特定保険用食品」ですからね。先の基準から言うと、一日一本で適量には十分。

で、実際の魚と比べればどんなもんだ?と魚を買いに行ったのだけど、先に「青魚」が多いと書いておきながら、カツオののっけ盛りが食べたくて思わず買ってしまった。彩りがいいよね。と、中途半端な言い訳はさておき、生のカツオのDHAは100gあたり310mg。ということは、


たぶんDHA500mgくらい。
厚めの魚肉ソーセージなら同格か。

1カツオのっけ盛り=

    分厚く切ったDHA魚肉ソーセージ一皿分

ちと強引ですが、こう書いても間違いじゃないでしょう。確かに毎日刺身盛りするのはムリがあるけれど、毎晩酒のアテに魚肉ソーセージ出すくらいは出来るだろう。それも毎日というのは飽きそうだから、今日魚食ってー明日ソーセージ食ってー、って感じか。

3種類の栄養を売りの商品を食ってみると、ふたつ目の頭脳パンみたいに「素材食った方が早くない?」てのから、DHA入り魚肉ソーセージみたいに「たしかに手軽に摂取できるなぁ」てのも。

まぁ、問題は量ではなくて効果。この手の成分とか効果のほどは食い続けてみないとよくわからんのだけども。魚だろーと魚肉ソーセージだろうと、DHAだけに「鰯の頭も信心から」!

上手い事を言ったような気もするが、このページ自体だいなしになった気もする。

撮影後、夜ご飯にいただきました。

弱気な注意書き的に〆

今回のネタは一応文献や資料のもとに調べましたが、多少のズレなどはお目こぼしをお願いします‥てな事を書いておかないと「あるある」があんな事になっちゃっただけにビビるよね。「検証バラエティ」ってデイリーも同じだもんな、ある意味。「おもしろおかしく書きやがって!」と言われたら「そうです、むしろ面白かったら幸いです」としか言いようがございません、全く。


 
 
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