二ヶ領用水宿河原堰堤
多摩川沿いをとぼとぼ歩いて、数キロ下流にある宿河原堰堤にたどり着きました。(地図)
ご存知の方も多いと思いますが、実はここ、30年ほど前に台風が直撃した際、堤防が決壊して川沿いの民家が流されるという大水害の原因となった堰です。その後改修され、現在では越流型シェル構造ローラーゲートと、水位が上がると下流側に倒れて水をやり過ごす起伏ゲートからなる堰堤に生まれ変わりました。どちらのゲートも水が越流していて、涼しげな光景を見ることができます。
水路沿いを歩く
ここも堰の上流側から用水路が分岐しています。この水路沿いに進むと上流の上河原堰堤からの水路との合流点にたどり着きます。こちらは人工的ながら奇麗な小川風情に整備されていて、歩いていても飽きません。
しばらく歩くと水路は南武線をくぐるのですが、この橋がやたら低く、かなり屈まないと人は通ることができません。手を伸ばせば触れそうな場所に線路があるので、電車が通過するときはものすごい迫力です。下から電車を眺めたい方はぜひ!(地図)
この水路にはところどころ水辺まで降りられる場所があって、きっといつも餌をあげる人が来るんだと思いますが、信じられないほど巨大な鯉が口をバクバクさせて大量に蠢いていました。きもちわるい。 でもよく見るとかわいいのでバシバシ写真に撮りました。 これがキモカワってやつでしょうか。
やがて水路は東名高速の下をくぐります。ここは一旦歩道がなくなるので、少し迂回して東名を越えてから水路沿いに戻ってきたところ、ガラリと水路の様相が変わっていました。先ほどまでの渓流っぽい景色は影をひそめ、普通のコンクリート護岸の河川にその姿を変えているのです。水路沿いの生け垣も力強く育ち、もはや歩道から水面が見えません。
そのすぐ先でこの水路は上河原堰堤からの二ヶ領用水の本流と合流します。(地図) このあたりで流れは非常にゆったりになり、水もあまり奇麗な印象ではありませんが、ときどき鯉が水音を立てるので、魚が住める環境ではあるようです。
すっかり都市部の河川になってしまって面白くありませんが、用水路はその先で突然終わりを迎えました。大きな水門が建っていて、そこで別の川に流れ込んでいるのです。しかしよく見ると、水門の手前に取水口があり、分岐した水はサイフォンで川をくぐっているようです。
そして、くぐった先にはこんなものがありました。