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ちしきの金曜日
 
揺れる歩道橋巡り
こいつがチャップンチャップンと波打つはず。

歩道橋は揺れる。

私はどちらかというと横断歩道派なので、歩道橋を積極的に活用していなかったのだが、この前、久しぶりに歩道橋を渡る機会があり、予想以上の揺れに驚きいて足がすくんでしまった。本気で地震かと思ってハラハラした。

歩道橋は思った以上に揺れている。そうなると、もっと揺れているを渡ってみたいと思うのが人情というもの。

ということで、揺れる歩道橋をいろいろと巡ってきました。

 

■本日のルート

海浜幕張→豊洲新橋恵比寿広尾渋谷飯田橋秋葉原

(text by 玉置 豊



応募総数115通!

揺れる歩道橋を探すにあたって、デイリー編集部を通じて募集をかけていただいたところ、北は福島から南は長崎まで、なんと115通、延べ72箇所もの投稿があった。

投稿者になにかプレゼントをする訳でもないのに115通。

やっぱり歩道橋は揺れるんだ。そして、みんな揺れる歩道橋が大好きなんだ。投稿がいっぱいきて嬉しかったので、場所がわかったところは全部Googleマイマップにコメントとあわせてプロットしてしまった。

 

海浜幕張にやってきた

皆さんから寄せられた歩道橋、本当は全部廻ってみたいのだが、今回はとりあえず応募数が多かったところを中心に、一日で廻れるだけ廻ってみることにした。

まず最初に訪れたのは、千葉県の海浜幕張駅。この駅から北に進んだところに目指す歩道橋はある。いきなりマイナーからのスタートだ。


まずは海浜幕張からのスタート。

数年前にコストコ目当てで来て以来の海浜幕張駅だが、まさか歩道橋のために来るとは思わなかった。

ちなみに取材日は平日で、午前10時に海浜幕張駅をスタート。今日はもの凄く風が強いので、きっと歩道橋も揺れまくっていることだろう。


こういうしっかりとした歩道橋は、また今度な。 カルフールってまだ店員がローラーブレード履いているのかな。

自分の人生の中で、ほどんど縁がなかった街を、「揺れる歩道橋」という目的のために歩くというのはなかなか楽しい。

ここに来たのが平日の真っ昼間というのも、うっすら罪悪感があって心地いい。学校をさぼってチャリンコで学区外まできた中学生の気分だ。そんな経験ないけれど。

 

歩道橋その1:海浜幕張北 場所はこちら

駅から1キロほど歩いたところで、目的の歩道橋に到着した。さて、ちゃんと揺れてくれるだろうか。

ちなみにこの歩道橋には、読者の皆様から以下のようなコメントが届いている。

  • 「地震か」と本気で思いました。
  • 通るたびに激しくゆれてます。ドゥオンドゥオンって感じでしょうか。
  • 酔います。地震かと思っちゃいます。

コメントを読んだだけで、なんだかドキドキしてくる歩道橋だ。


懐かしいベージュ色のオーソドックスな歩道橋。

緊張した足取りで歩道橋をソロリソロリと登っていくと、なるほど、確かに揺れている。人とすれ違ったり、同行者が駄々をこねたり地団駄を踏んだりするたびに、歩道橋がフワフワと波打つのが足下から伝わってくる。

今回、「揺れ」という体感しないとわかってもらえないものを、どうにか客観的事実として多くの人に伝えるべく悩んだ結果、500ミリのペットボトルに半分ほどオレンジジュースを入れ、輪ゴムで1センチごとにメモリをつけたものを、オリジナルの揺れ測定器として用意した。

これによって「波の高さ:2センチ」といった客観的な事実を読者の皆様に伝えることができるはずだ。


歩道橋のすぐ上には東関道自動車道。これは期待できる。 揺れ測定器をチューニング中。輪ゴムが移動するたびにずれる。ちなみにペットボトルは落とすと危ないので、左手首と紐で繋がっている。リスクヘッジ。

 

揺れる動画

揺れ測定器、どのような結果になったか、以下の動画をみていただきたい。


海からの強い潮風を思わせる爽やかな揺れ。
揺れの向こう側に夏の尻尾が見えた。

見ていただいてわかっていただいただろうか。そう、ペットボトルの中の水がまったく波打たないのだ。

しかし、あえて三脚で固定せずに撮った映像自体は大いに揺れている。これが私の目線からの揺れなのである。ちなみにカメラは手ぶれ防止機能付きだ。歩道橋が揺れているということは伝わったことだろう。

船に乗ったことのある人ならわかると思うが、船の揺れは「波の高さ」と「うねり」の2種類があるのだが、歩道橋の揺れは「うねり」のようだ。

 

揺れる歩道橋巡りは釣りと一緒だ

この歩道橋の揺れはなかなかのものなのだが、寄せられたコメントを読む限りでは、タイミングが合えばもっと揺れるのではないかという気もする。

歩道上に残された酔った人の残留物などを見ても、かなりのポテンシャルを秘めた歩道橋であることが予想される。本気を出した時のこの歩道橋の揺れはきっとこんなもんでは済まないのだろう。


5センチまで計れるメモリが虚しい。 揺れの可能性を示す残留物。

そうだ、これは釣りと一緒だ。「ここはよく釣れるよ」と教えられていった場所にいけばいつでも釣れるとは限らない。それだ。

釣りの釣果が、いった時間帯や季節、天候、潮の流れなどによって大きく変わるように、歩道橋の揺れも、天候や時間帯、曜日などの複数の要因から、歩く人の数や跨ぐ道路の交通量が変わってくるため、例え同じ歩道橋でも揺れ方は毎回違うのだ。

一度来たくらいでは、この歩道橋の正しい評価はできないのだ。

と、悟ったところで、どうしよう。

とりあえず、次の歩道橋にいってみよう。


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