デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


はっけんの水曜日
 
乙女酒なビールを探せ!

(text by 大塚 幸代



今回はわたくし「乙女酒部(甘いカクテルを作る部)」部長・大塚、ひとりで、日本最大の地ビールフェス、「ビアフェス2007in 東京」に乗り込んでまいりました!
実はこれ、以前「地ビールを飲みつくす」という記事の取材時、ライター住さん、林さん、高瀬さんと一緒に、行ったことがあるイベントです。

>入場料を払うと、約80種類の地ビールを何杯でも試飲出来る事になっている。1杯50mlずつの試飲だが、全種類を網羅しようと思えば80杯(計4リットル)は飲まなくてはいけない(「地ビールを飲みつくす」より)


当時の写真。恵比寿ガーデンプレイスなんてお洒落な会場なのに、座り込んでツマミを食うという酔いっぷり。

で、そんな「4人がかりで行ったのに撃沈したイベント」に、なぜ一人で再訪したのかというと……近年、増殖している、フルーツやお菓子のフレーバーの、「甘そうなビール」を、試飲しつくしたかったのです!



2003年に来た時よりも、あきらかに集客が多いようで、会場は満員。でも混乱はほとんどなく、試飲の列はサクサクさばけていきます。「次に飲みたいヤツに並んでる間、前にもらったヤツを飲んでる」という人がほとんどで、お客さんもイライラしていないようでした。
あと前は気づかなかったのですが……「なんだかお客さんもビール屋さんも、小粋」なんです。50歳くらいの男性でも、カラフルなフレッドペリーのポロシャツ着て、かっこいい帽子をかぶって、ニヤッとしているような……「所ジョージ」さんっぽいおっちゃん、多し。女性も、文化系女子率が多いかと予想していたんですが、もっとサーフな感じ、サバサバしてる感じの素敵なお姉さんばかりな気がしました。
なぜか「海辺」っぽい。っていうか横浜っぽい。どうして? 「ビール」という液体の特徴のせい?



以前は使い捨てコップ使用でしたが、今回は入場者に試飲グラスが渡され、洗いたい時は自分で洗うというシステムでした。

さあ、私も飲むぞ!!


■スイートバニラスタウトサンクトガーレン/神奈川)
デパ地下などで「スイーツビール」として話題になっていて、今回いちばん飲んでみたかったレーベル「サンクトガーレン」のバニラ。濃いいいいです! 黒ビールです、チェコビールにちょっと似てます。匂いは、バニラエッセンスみたいな風味が付いてるわけではなく、どちらかというと「イタリアンジェラートとかに入ってる、本格バニラビーンズのようなフレイバー。匂いは甘いけれど、カクテルのように甘くはありません、あくまでフレイバーが付いている、という形。

■インペリアルチョコレートスタウトサンクトガーレン/神奈川)
これもやっぱり甘くはなくて、後味がほろ苦く、カカオ86%チョコレートのようなフレイバーがしました。同レーベルの「黒糖スイートスタウト」というビールも飲んでみましたが、こちらもシッカリと黒糖の味はするんですが、糖分の甘さは付いておりません、あくまでフレイバー。

■サマーみかんエールベアードビール/静岡)
「絞りたてのフレッシュな夏みかん果汁と皮(ピール)を加えて醸造されたフルーツビール」だそうです。まさに「夏みかん、まざってまーす!」というジュース寄りな味で、さっぱりした後味。夏限定の商品だそうです。
横浜ビール/神奈川」というレーベルでも、「甘夏みかんエール」という商品が出ていたんですが、甘くなく、ジュースというよりビールにフレーバーがついている、という感じでした。

■カナストーリー石狩番屋の麦酒/北海道)
出ました、見かけがモロ乙女酒、ピンクですよ!! 「札幌・藤女子大学と北海道・石狩市の地ビール会社がコラボで開発した、女性向け発泡酒」なんだそうです。ピンク色はシソと紫イモの色素を使ってるそうなんですが…とくにシソの味はしなかったような。とにかく軽く、飲みやすいお酒ではありました。やっぱり女性がたくさん試飲してました。

■ハニーエール丹沢のしずく/神奈川)
ちゃんと、はちみつの、あの独特の風味がふんわりします。ほんのり甘いです。「丹沢のしずく」では、「しそエール」という厚木特産シソのビールも出していて、これも妙に美味しかったです。シソって日本独自のハーブだから、まさかビールにシックリくるとは思いませんでした。和食に合いそうでした。

■いちごラガー鳥の海/宮城)
商品名は「いちごラガー」だと思うのですが、会場では「シャンパンビール・いちご」として売っていました。人工的なフレイバー付いてるのかな? と想像してたんですが、飲んでみるとワイルドな、果物のベリー味がしました。シャンパンくらいは甘いけれど、甘さより酸味が強かった気がします。ちなみにコレ、りんごとぶどう味もあったんですが、長蛇の列だったため、試飲挫折…。

■ニュートン(ベルギー)
これは輸入モノ。白ビールに、青りんご果汁を加えたビールだそうです。でも日本のフレイバー地ビールの繊細さに比べると、居酒屋の「青りんごサワー」くらい甘く、後味に「ポン菓子」のような、香ばしい風味がありました。この大雑把な味は、「乙女酒部」としてはアリなのですが、ビアフェスではちょっと浮いていたかも。

■名古屋赤味噌ラガー金しゃちビール/愛知)
…そろそろ甘いのに飽きてきて、甘くないのも飲んでしまいました。でもこれは飲みたくなりますよね、赤味噌ラガー! 普通に美味しいビールなんですが、後味がほんのりミソですよ、ミソ! 鼻に抜けるよ、ミソの香り! しかしなぜ名古屋の人は、ほっとくと何にでも味噌を入れてしまうのだろう。

■コリアンダーブラック札幌手づくり麦酒/北海道)
ハーブ系も乙女心に響くわよね、と思い、コリアンダーもいってみました。でも別にコリアンダーの味はしないような気がしましたが…コリアンダー嫌いの人が飲むと「むむ、これは!!」と思うのかもしれません。でもこのへんになってくると、酔っぱらってたので、よく覚えてないや、えへへ。


時間がたつにつれ、「宴会場」になっていく会場。やっぱり今年も、「座り込んじゃう人々」、いました。私も一人取材じゃなかったらダラーッと座っていたと思います、でもかろうじて立っていました…フラフラと。

■甘いわけじゃないのか

お菓子やフルーツ味のビールって、「甘いもの」となんとなく思い込んでいたんですが、ほとんどが、味が甘いわけじゃなくて、「フレーバーがついている」「普通のビールと比べたら、ほんのり風味が甘い」というモノなのか、ということを知りました。
そういえばアップルティーとかも、りんごの味は付いてるけど、最初から甘くはないですもんね、そういうことか。

今回、サーバーの都合で飲み逃した銘柄も幾つかあったので、(千葉HARVESTMOONのアプリコットエールとか、グレープフルーツエールとか)、来年のフェスも行きたいわあ、と思っております。

ステキな酒を探し続けるぜ。いい乙女酒はいねがー!

今年も外国人来場者多し。このために来日してるのかなあ。

 
 
関連記事
ノンアルコールビールはどれだけ飲めば酔うか
全員泥酔の飲み会inドイツ
ひとりロックフェス

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.